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オルゴール技術の繊細さはタルタリアから⁈

少し儚くて、優しい音色が懐かしい気持ちにさせてくれる「オルゴール」
おもちゃや宝石箱に組み込まれた小さなものから、駅や街中で奏でられる大きなものまで、さまざまな形で日常に溶け込み、癒しの音色を聞かせてくれますよね♡

そんな「オルゴール」の音色が聴きたくて、京都・嵐山の「オルゴール博物館」にでかけました。

京都・嵐山の「オルゴール博物館」

「オルゴール」づくりは、「ナントの勅令廃止」により、フランスで弾圧を受け、スイスに亡命したフランスの職人が1796年に始めたと言われています。

ちなみに、「オルゴール」は、オランダ語やドイツ語のオルガンを意味するorgel(オランダ語でオルヘル、ドイツ語ではオルゲル)に由来し、金属の円筒にピンを取り付けた「シリンダーオルゴール」と、平たい円盤にピンを取り付けた「ディスクオルゴール」に分類されます。

「シリンダーオルゴール」は可憐で繊細な音色、「ディスクオルゴール」はダイナミックでたおやかな音色と、それぞれ特色があります♡

シリンダーにはたくさんの小さなピンが植え込まれていますが、この仕事はしばしば根気強い農家の女性の手に委ねられたそうです。

今回、たくさんの展示品の中でのお気に入りは、教会をイメージして作られた彫刻の「オルゴール」(1834-1916年頃製作)と、キリストの誕生から昇天までを表している巨大な「オルゴール」(1859~1866年ドイツ製)です。

教会をイメージして作られた彫刻の「オルゴール」
キリストの誕生から昇天までを表している巨大な「オルゴール」

そして、興味深かったのは、オルゴールを通じて、風刺画のような皮肉なメッセージが込められた作品があったということです。

たとえば、「マリーアントアネットの猿のオーケストラ」ですが、オルゴールの音とともに猿が目と口を動かしながら歌うようなしぐさが始まります。

「マリーアントアネットの猿のオーケストラ」

大きな猿の目をよくみると、血管が描き出されています。
そして、大きな猿の左腕には子ザルが腰を掛け、体を左右に揺らせ、笛を吹いているような動きをします。

また、大きな猿の右手は、手のひらを上に向け、前に突き出しています。
これらの意味することは、大きな猿=権力者や貴族、子ザルは市民を表し、大きな猿はただ呑気に歌うだけで何もせず、子ザルに芸をさせ、血眼でお金を要求しているという社会構造を表現しているのだそうです。

こちらは1700年代の作品とのことですが、今も昔もこうした理不尽な世の中であることに愕然とします…

特筆すべきはその技術です。
説明員の方いわく、「現代ではこうした技術をなぜか再現できない」と...

技術は日進月歩で進化しているにもかかわらず、200~300年前の技術を再現できないとはどういうことなのでしょうね...?

いずれにしましても、「オルゴール」の音色は本当に美しく癒されます✨

もっと多くの人に繊細で美しい音色を奏でる「オルゴール」の魅力を知ってもらいたいと改めて思いました♡





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