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映画に出てくるワインを考察します②「昼下がり、ローマの恋」

 今日も画面の片隅に映ったワインを、本筋からそれながらゆるく考察していきます。

今回はイタリア映画です。Netflixで見つけたのですが、ローマで昼下がりか……なーんかよくある感じのB級エロ?と思って食指が動かなかったけど、原題は「Manuale d'amore3(恋愛マニュアル3)」でシリーズ第3段なんですね。1作目は「イタリア的、恋愛マニュアル」、2作目は「モニカ・ベルッチの恋愛マニュアル」という邦題で公開されています。私は1作目しか観ていませんが、なかなか面白かったです。今回はモニカ・ベルッチに加えロバート・デニーロというビッグネームお二人の共演ですが、この邦題だと観る前からストーリーが半分くらい読めてしまいますね。

 ちなみにこの作品は3話のオムニバスで、モニカ・ベルッチとR・デニーロは3話目の主役。ローマの親友を訪ねてきたデニーロは親友の娘モニカと出会い恋に落ちるというお話です。このモニカさん、洗濯干してても、ただ歩いてても、もうそこにいるだけでエロがダダ洩れなので、父親と並んでいても、親子というより妻か愛人にしか見えません。当然デニーロさんもあっけなく陥落。定年退職した歴史学者という設定だから60~70代なのか、やや枯れた感じのキャラだったけど、所詮モニカには敵わないのでした。その後、二人は南の島に駆け落ちして、子供が生まれめでたしめでたしとなる。

うーん。そうですか。

これって、男の夢なんだろうね。もう枯れたと思ったら、エロい女と出会って春よ再び的な。「いつかオレにもモニカが現れて、もうひと花咲かせるぞ」と。そういう世代の男性にとって、希望の映画なんでしょうね。

さて、ワインです。このシーンはローマの親友(モニカの父)に会いに来たデニーロさん歓迎のパーティー。

テーブルの上のワインは、ペトラ クエルチェゴッべ。ヴィンテージは読み取れませんでした。

エノテカ様に画像をお借りしました。最近のものはラベルが変更されています。

銘醸地トスカーナの中でも高級ワインを生み出すボルゲリ地区で作られています。品種はメルロー。イタリア国内でもワイン専門店で買うようなこだわりのワインです。親友のためにとっておきを開けたのでしょうか。ただの飲み会なら、ローマ市内のどこでも買える地元のワインを出すと思うので、特別なおもてなしだったと思います。その後娘を連れていかれちゃうのにね。

ちなみに他のシーンではベラヴィスタ社のフランチャコルタ(スパークリングワイン)を飲んでいました。こちらも手間をかけて作られる上質なワイン。赤ワインもベラヴィスタ社のものなので、無粋な話ですが協賛企業なのかもしれません。

この映画は、1話目はトスカーナの田舎の光景が美しいし、2話目はコメディ仕上げで楽しく笑えます。お暇があれば、おすすめの1本です!

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