映画に出てくるワインを考察します④「最高の花婿」
今回もスクリーンの片隅に映ったワインを本筋と関係なくゆる〜く考察してみます。4回目はフランス映画の「最高の花婿」です。
フランス・ロワール地方で暮らすヴェルヌイユ夫妻には4人の娘がいますが、うち3人はユダヤ人、アラブ人、中国人と結婚。末娘だけはカトリックの白人と結ばれてほしいと望んでいたのにコートジボワール出身の黒人青年と婚約してしまい、渋々、披露宴の支度をする、というお話です。
ロワール地方のシノンが舞台なのに、シノンのワインはほぼ出てきません。少なくともテーブルにのっているシーンはなかったように思う。そのかわり、シャンパーニュは何度も出ます。
まず娘たちが帰省してきた時。お父さん、嬉しくてパイパー・エドシック レアを2本も出してきた!
パイパー・エドシック社のプレステージキュヴェで、1976年のファーストヴィンテージから過去に8度しか生産されていない、その名の通りレアなシャンパーニュ。お父さんの喜び具合が推し量れるというものです。
お父さん、ありがとう!(って私が娘なら言います!)
そして、コートジボワール人の婿の実家でも。息子の帰省をパイパー・エドシックで乾杯していました。
現地の事情はよく知りませんが、コートジボワールでシャンパーニュを飲む家庭というのは、嗜好、価格の両面から考えてもあまり多くないような気がします。メイドもいたしハイソサエティなお家なのでしょう。裕福なヴェルヌイユ家と釣り合いがとれていそうです。
ベルヌイユ氏もコートジボワール人の父も結婚に反対でぶつかり合いますが、最後は和解。めでたく催された披露宴でもやはりパイパー・エドシックがたくさん登場していました。ベルヌイユ家にはまだまだいいワインが色々眠っていそう。「最高の花婿」はシリーズ3作目まであるので、ストーリーだけでなくワインも何が出てくるか楽しみに続きを観ようと思います。
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