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【いろいろな日本語 vol.10】「〜ことにする」と「〜ことになる」

「〜ことにする」と「〜ことになる」って、日本語ネイティブの人は簡単に使い分けていますが、どんな違いがあると思いますか?

「〜ことにする」は、話者がすでに決めたことについて話すときに使う表現なのに対して、「〜ことになる」は話者の意思に関係なく決まった物事について話すときに使う表現です。

こう考えると、結構わかりやすく思えますが、それぞれ現在形と過去形がありますよね。
つまり、「〜ことにする」と「〜ことにした」と「〜ことになる」と「〜ことになった」です。

例えば、「〜ことにする」と「〜ことにした」を使った例文として、
①このケーキは明日食べることにする。
②このケーキは明日食べることにした。
などということができます。

①の場合は、「明日ケーキを食べるということ」を、話者が話している時か、あるいはその直前に決めたと考えることができます。しかし、②の場合は、話者の意思は固く、もう決めたことに対して話しているということができるでしょう。

次に、上記した内容と同じ例文を「〜ことになる」と「〜ことになった」を使って作ってみましょう。
③このケーキは明日食べることになる。
④このケーキは明日食べることになった。

このとき、③の場合は、自分の意思ではないが、誰かが決めた予定があって、その結果、明日ケーキを食べるということが決まったと言い換えることができます。④の場合、基本の意味は同じですが、意思が③より固い気がします。

では、英語に訳すとしたらどのように訳すことができるでしょうか?一部の教科書では、「〜ことにする」と「〜ことにした」は、I have decided that I will 「〜ことになる」と「〜ことになった」は、

でも、気が付いた方もいるかもしれませんが、これらの表現を使った文章って、多くの場合使わなくても意味が通じるんですよね。では、なぜこうした表現があるのでしょう?それは、日本語は婉曲な表現方法を好む言語だからだと思います。

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