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KEITH JARRETT: THE KOLN CONCERT

中学高校とアニメーションが流行し始めていたのは、「宇宙戦艦ヤマト」が一つのきっかけだった気がする。松本零士の漫画を友達に勧められてファンになった。「男おいどん」「コクピットシリーズ」などなど。ヤマトのヒットで「銀河鉄道999」もTVアニメでヒット、映画化もされる。この頃、新しい流れとして「機動戦士ガンダム」が始まった。その時のことは今でも覚えている。友達が「おい、夕方に戦争映画みたいなアニメやっとるで。」と言っていたのだ。この頃からアニメは百花繚乱まだ、オタクという言葉もなかったが漫画・アニメの同人誌やコミケなどが盛んになっていった。
そんな中で、アーティスティックなアニメーション、東欧、チェコやフランス、ロシア、中国といった国々の作品も少なからず紹介されることもあった。しかし、それは今のような膨大なネットの海に漂う情報はなく、雑誌など少ない情報源だった。高校生の頃は、漫画を描いていた友人とクレイアニメやセルアニメを作ってみたこともあった。しかし、その気が遠くなるような時間と労力を消費する制作を続けることは性に合わなかったのだ。ただ、興味はあったので、そういった作品を観ることは続けていたのだった。
そして、大学生になって通っていた「ペパーランド」は今ほど頻繁にライブをやっていたわけでなく、映画の上映会や演劇なども行われていたのである。そこで、能勢さんに教えてもらったのがアニメーターの相原信洋さんで、確か「カルマ」という作品で海外で賞を獲ったりしていた。その相原さんが主催するアニメーションの製作者グループの上映会が行われたのだ。僕が観たのは2回目だったようで、数年前にも上映会があったということだった。

その上映会で観たアニメーションは、20名弱の会員がそれぞれ1本ずつ3分とか5分の短編を上映するもので、本では読んで知っていた技法のカリグラフィーとか色鉛筆だけで紙に描いたアニメーション(鉄拳みたいなのね)実写のコマ撮りなど色んな表現があった。その中で印象に残った作品があった。窓から見える月を描いた作品で、雲に隠れたり見え方が変わったりメタモルフォーゼもあったような気がする。その作品はBGMと見事にマッチした作品で、どういう経緯だったか分からないが(30年も前のことで記憶があやふやである)作家さんに聞いたのか、バイトの先輩に教えてもらったのか。その曲はキース・ジャレットのケルンコンサートにはいってるという。2枚組4400円だったか?大枚叩いて即買った。
お目当の曲はside3、聴いてみれば全曲いいのだが、この3曲めが一番気に入っている。音楽メディアがレコードからCDに移ってしまった時、CDで買い直したのもこのアルバムが最初だったかな。
キース・ジャレットについては当時レンタルレコード屋さんが出来ていて、そこで他のアルバムも借りて聴いてはみたが、ケルンコンサート以外に触手の動くものはなかった。今、この歳になって聴いてみれば、新しい発見もあるかもしれないと思うのであった。

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