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紫波町と私の身に何かが起こっている話

ほんの2年くらい前のことだが、私が地域活動を始めたばかりのとき地元の友達と話していてこう言われた。
「紫波町?何か面白いことあったっけ?」
それが、最近その友達に会ったとき、こう言われた。
「最近紫波町面白そうだね!」
一体いま、岩手県紫波町で何が起こっているのか?
その真相を探るため、我々調査隊は南米アマゾンの奥地に向かった。

岩手県紫波町。
人口三万三千人の小さな町。
岩手県の県庁所在地、盛岡市の南に隣接し、ベッドタウンとして住む人が多い。
中央部に官民連携のプロジェクト成功例、オガールという複合施設があり、町民が待ち望んでいた町の図書館も愛されている。
なんとなくそういった賑わいもあり、若い人の移住が増えている。一方、東西の山間部では高齢化が進み全体の人口は減っている?
日本酒の4つの酒蔵がある。もち米、フルーツが主産業…

定型文での紫波町の紹介はこんなところだろうか。
ここだけ読むとどの辺に面白みが隠れているのか、伝わりづらい感はあるが…

上の文章のひとつのキーワードとしては、やはり『オガール』があると思う。官民連携というのは、町だけがお金を出すのではなく、民間に施設内に入ってもらい、ちゃんとそこでお金を稼いでもらって全体のお金を賄っていくという感じの仕組みだとざっくり理解している。その成功例として、日本全国からも視察が来るくらい、このプロジェクトは革新的だったようだ。

ただ、いくら施設が成功しようとそこを面白くしていくのは”人”だ。
その辺を掘り下げていきたい。

■ヤバイバー1「公務員と地域おこし協力隊」

まず、そういうプロジェクトを進めようと言った人が既に面白い。
これには当然複数の人物が関わっているが、そういう人たちが大体公的な組織、つまり公務員だというのがすごい。(もちろん民間からもすごい人が関わっていて、そういう人たちは次々と別のプロジェクトを立ち上げている)

そして、そういう公務員だからこそ、5年くらい前から始めた地域おこし協力隊の制度を始めたわけだが、そこに集まってくる人たちも面白い。

地域おこし協力隊っていうと、今でもあまりピンとこないのだが、現在紫波町にいる地域おこし協力隊のメンバー4人を見ていると、それぞれが特色をもちながらそれぞれのコミュニティを形成していてスゴイ。スゴイヤバイ。

前々からそうは思っていたけど、ハッキリとやっぱりヤバイんだと思ったのは、ハンコ作家でチェコ親善大使でエッセイストのあまのさくやさんが来てからだった。
あまのさんはクリエイターで、自身のイラストや文章力を遺憾なく発揮して、紫波町の情報発信力がわかりやすく一段高まった感がある。文章だけじゃない、そこにはイラストやデザインの力というのがハッキリ表れていて、お役所の固い文言ではない、「くらしごこちの良さ」が感じられているのは声を大にして言っておきたい。

■ヤバイバー2「しわりり」

一旦ここで話を変えるのだが、今度は自分が参加している紫波町の情報発信団体しわりりの話だ。
もともとコロナ禍で困っている飲食店を情報発信で応援出来ないかと、2年前に社会人の有志が集まって始めた団体。何が出来るかよくわからないけど、とにかく紫波町の情報を発信しまくろうと、Twitter、Facebook、インスタグラムをなりふり構わず始めた。そうこうしているうちに、その活動を歓迎してくれる町の人が出てきて、町のイベントにも出たりした。そこに若い人に自分のふんどしをつけてファッションショーをして欲しかったんだよね~」という夢を持った町の染物屋さんが現れて、本当にふんどしショーを開催してしまった。これは県内のニュースにも取り上げられたし、染物屋さんはもちろん、しわりりの名前も広く認知され始めた。こうして、いろんなことがガチっと組み合わさっていくのを感じた。

そのようにしわりりが情報発信をしていたからとは思わないが、同時多発的に町内のあちこちで情報発信を見かけるようになった。
あまのさんが来たことで図書館のSNS運営が始まったし、紫波町自体のツイッター、Instagramアカウントも同時期に開始された。
もともとInstagramで紫波町の写真をアップし続けていた@shiwapicさん(しわりりよりフォロワー数もめちゃ多いスゴイアカウント)、あとは紫波町に限らず県内情報を発信されているアカウントの方にも知り合い、思った以上にウェブ上には紫波町の情報があることがわかってきた。

しわりりの活動をしていて嬉しいこともあった。
しわりりメンバーの中でオタク的要素を担当していた私ことひやまであったが、ガンダムが好きなんですーと猛アピールしていたら、地域のカフェが他のガンダム好きの方と繋いでくださり、週一で仕事帰りに集まってプラモデルを作る部活「シワプラブ」が始まった。その話を聞きつけた紫波町の酒蔵の蔵元さんが、声をかけてきてくれて仲間になってくれた!全然別の業種の人が、趣味を通して繋がってくれた!こんなに嬉しいことはなかった。

■ヤバイバー3「PodCast戦国時代」

また、しわりりの名前を借りつつ今度は個人的にpodcastの配信を始めたのだが、これもちゃんと今までの伏線が貼られていることに気づく。
そもそも紫波町でpodcastを最初に始めた『はたらく!ラジオ』というのがあって実はそれはまた、地域おこし協力隊の一人、星さんが地域の人と始めたものだ。看護師でありながら、医療機関ではなく生活の動線上にいることによって、地域の人に気楽に医学的なアドバイスをしていく「コミュニティナース」の星さんは、畑という場に新しいコミュニティを作り出していることがハッキリとわかる。

続いて先にも触れたあまのさんが、紫波町に移住をして体験したことや感じたことを紹介するpodcast『移住ZINE』を開始。あまのさん自身の知名度もあり、はたらくラジオとはまた違った、町外の層への情報発信を始めている。

そしてそれを見ていたひやまが始めたpodcast『しわりりチャンネル出張所 どすこい!ひやまくん』(第11回から『しわりりひやまの どすこいラジオ』に改名)。もともとしわりりの情報発信の一環として独断で始めたのだが、番組後半で(アイドルオタクだけあって)推しの良さを語るコーナー、「今週の推しが尊い」が評判がよく、こちらがメインコンテンツになるという逆転現象が起きている。
さらに、だんだんとpodcastにゲストを呼び始めるわけだが、これが恥ずかしがり屋のひやまにとっては「ラジオをやっているのでぜひゲストに来ていただいて、お話しませんか?」という口実になり、お話してみたいひとと堂々とお喋り出来るという素晴らしい展開に。これは前述した『シワプラブ』の活動と同等にひやまのコミュニティを広げ始めている。先日は、推しの話で知り合った『移住ZINE』のディレクター・どらさんが来てくれたことで、推しの話で盛り上がるのはもちろん、こうした紫波町のpodcast事情についても情報交換をすることが出来た!
忘れてはいけないのがこのpodcastのお話相手タロイモさんで、この方とは紫波町の子供たちのコミュニティ作りをしているあそびこむ・たっしーのおかげで知り合ったわけなのだが、たっしーは現在は独立しているものの、もとはと言えば紫波町地域おこし協力隊として紫波町に来てくれた人物なのだ。彼女も現在の協力隊と同様に、コミュニティを作っている。これもひやまが大好きな「あそび」の要素が入っているだけに、(ボードゲームなど)楽しくてたまらない。

もうひとつコミュニティが出来ようとしている。
どすこいラジオに来てくれた紫波町の似顔絵イラストレーター・アトリエキミーさんとお話をして、後日iPad練習会に参加したのだが、そこで「紫波町のクリエイターで集まって情報交換が出来たら楽しいのでは?」と盛り上がった。
そして、その会は今週土曜日早速開催する。クリエイターということであまのさんにも声をかけてみたし、ここでそれぞれが持っている技術が共有されることで、紫波町のクリエイター活動がどんどん活発になればいいと思う。みんなで稼いで幸せになろう!!!!!

■ヤバいやろ???

さて、ここまで怒涛の勢いで綴ってきたわけだが、いかがだっただろうか?
なんかよくわからないけど楽しそうなのは伝わってきたのでは…!?
さっき出てきた人がこっちの話題でも出てきたりといったような、かなり活発な活動があちこちで起こっているのはわかってもらえると思う。そしてそういう、あの人とこの人がその話題で繋がっているんだ!?というのがわかりやすいのも、大きすぎず小さすぎない、紫波町のちょうどよさだと思っている。

これからが楽しみな話題もある。(もうちょっとだけ続くんじゃ)

■ヤバイバー4「若い人たち」

またまた地域おこし協力隊・南條さん岡本さんの話、あとは今年3月で解散してしまったが高校生グループ『STSH』さんの話。

南條さんは大学生のころインターンで来た紫波町に魅入られてしまい、そのまま起業して紫波町の民家のリノベーションをしているスゴイ人。特に紫波町を中心とした若い人のコミュニティを形成している様はハンパなく、ある日閑散とした商店街を歩いていたらある建物だけ所せましと若者が集っており、ギョギョ~~~ッ!!!(さかなクン)としたことがあったが彼女の仕業だったらしい。最初はカフェにしたいとリノベ―ションをした民家「YOKOSAWA CAMPUS」であるが、今度ついに開業するまでには苦労の積み重ねであったようだ。それでも、若者が集う場所として我々が思っている以上に育っているのかもしれない。
そして先月大学を卒業されたばかりの岡本さん、彼女は里山に新たなコミュニティを作ろうとしていて、実際に農村部に引っ越ししてきたパワフルさ。南條さんやあまのさんからも影響を受けつつ、いよいよここから始まるのか~~~と思って見ていると楽しみでしょうがない。今度新しく畑を始めるという!!!!!ちょっと見てみたいしそこにまた若い人が集まると紫波町は新しい次元に突入する気がしている…!!!

『STSH』さんは、紫波町の高校生が「紫波町を海外に発信する英語版ガイドブックを作る」という目標を元に、自分達でプレゼンして資金を集め、町内を取材して回って本当にガイドブックを完成させてしまった!目標を達成したことで大学生になった今、解散してしまったが、ひやまもラジオを口実に最後にインタビューすることに成功し、いずれまた同じメンバーで新しいプロジェクトをやりたいという言葉を聞けたのでヨカッタ。

いずれも若いパワー全開でめちゃくちゃまぶしい。
こうした活動に年齢は関係ないのだが、ただそういう人たちが活動してくれているのを見ているだけで、尊いのである

■要するにヤバイ

さあみんな、紫波町のことはよくわからんけどそこで人々がめっちゃ活動的に暮らしているということは伝わったかな?

アマゾンの奥地まで来て紫波町の話をしているのはわけがわからないが(その設定まだ引きずっていたんだ)、最後にとっておきの情報を君たちに公開しよう!

紫波町が新しく立ち上げたサイト『つばめの森』は「紫波町の趣味を通したコミュニティを紹介していく」というので、「これはシワプラブなんじゃないかな??????」と思ったら本当に取材依頼が来ました!!!!!!

ファーーーーーーーーーーーーうれしーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!

(アマゾンの奥地で見つかった手記はここで途切れている)

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