「病は気から」もエクソソームで説明できる!環境で変わるエクソソームの質とは?【エクソソームが世界にもたらす大革命】#2
「エクソソームが世界にもたらす大革命」について解説するシリーズ、前回の第一回では「エクソソームとは何か」をお話ししました。
今回は、エクソソームの「種類」と「質」について、わかりやすく解説します。環境によって、エクソソームの質は良くも悪くもなるんです。
※本記事は、ベジタブルテック(株) 代表取締役 岩崎の動画のリライトです。栄養学の観点からエクソソームについて解説しています。動画はこちら。
エクソソームには内因性・外因性の2つがある
我々の身体の細胞は、以下の2種類のエクソソームによってコントロールされています。
・内因性エクソソーム:体内の自分の細胞が放出するもの
・外因性エクソソーム:食事などで外部から身体に取り入れるもの
生物は他の生物を食べ、外因性エクソソームを取り入れている
外因性のエクソソームは、内因性エクソソームでは補えない役割を持つことが報告されています。人は食事由来の外因性エクソソームを取り入れて生きてきたのです。これは人類だけではなく、他の動植物にも共通しています。
我々は、タンパク質やビタミン、ミネラルといった栄養素だけでなく、他の生物の遺伝情報や、マイクロRNAを含むエクソソームの情報も取り入れて生きています。つまり、食材としての生命体情報を常に体内に取り入れ、その情報とともに生きているのです。
生育環境によって「エクソソームの質」は変わる
例えば、虐待されて育った動植物は多大なストレスを抱えています。そのような状態のエクソソームを摂取したらどうなるか、想像できますよね。
一方で、愛情を注がれ、非常に良い環境で育った動植物のエクソソームは、良いものであることが明らかです。
このように、従来の栄養学は栄養素に注目してきましたが、エクソソームの研究が進むことによって、DNAをもコントロールするマイクロRNAレベルの情報も外部から取り入れ、それが細胞を変化させることが分かってきました。
環境によるエクソソームの質の違いの具体例
1.魚の締め方によるエクソソームの質の違い
プロの料理人は、魚の仕入れ時に目利きをして、「目が死んでいるかどうか」で味が変わることを知っています。
ある滋賀県の料亭の大将は、仕入れる魚のほとんどを「ダメだ」と判断し、100匹のうち1匹しか選びませんでした。その選ばれた1匹は、昔ながらの「活き締め」という魚が苦しまずに締める方法で処理されていた魚でした。
残りの99匹は科学技術で急速冷凍された魚で、大将はその違いを見抜いたのです。つまり死に際も、細胞はエクソソームを出しているわけです。
苦しんで死んだ魚のエクソソームには、ストレスを伝えるマイクロRNAが含まれています。そのため、食べると「おいしくない」と感覚的に分かるのです。そして、そういった食べ物によって体の調子が悪くなるという悪影響も、エクソソームで説明できます。
2.畜産学校で愛情を注いで育てられた動物
畜産学校で育てられた鶏肉や豚肉、牛肉が非常に美味しいことは、ローカルで有名です。学生たちは、名前をつけて大切に育てた動物を、最後は泣きながら締めます。最終的に食べるところまでが教育であり、授業なんですね。
学校なので当然ホルモン剤を使用しません。販売もしていませんが、愛情を注ぎ育てられた動物を、学生や地元の人達で食べることがあるそうです。実際にその鶏肉を食べた方が「どんな鶏よりも美味しい」と言っていました。
これは、育てられた環境や締め方がエクソソームの質に影響を与え、肉の旨味や健康への効果が変わるためです。エクソソームの質の違いが「健康にしてくれる」というありがたさに繋がっています。
3.植物の枯れやすさ・育ちやすさも環境次第
観葉植物をすぐ枯れさせてしまう人っていませんか?
植物をすぐに枯れさせる人もいれば、上手に育てられる人もいます。この違いも、植物が育てられる環境によるものです。人間の声がけ1つとっても、植物の成長に影響を与えるのです。
4.「病は気から」もエクソソームで説明できる
植物も動物も、環境が悪ければストレスを受け、成長に悪影響を及ぼします。人間も同様で、悪い環境では鬱になったり、最悪の場合は自殺に至ることもあります。また、ネガティブなことをずっと考えていたり、「こんなものは効かない」と思っている人は、薬が効かなかったり、病気になりやすくなります。こういった「病は気から」も、エクソソームで説明できるのです。
思い込みが細胞を変え、細胞から出るエクソソームの「積荷」も変わり、その情報が全身を巡って不健康にしてしまうのです。
すべてエクソソームが関わっているのです。
エクソソームを通して、いかに環境や自分自身のあり方が大事なのか分かりますよね。次回は、土壌環境と農法がエクソソームに与える影響について、栄養学の観点から解説します。お楽しみに。