牛乳を飲むことの8つの問題点

中学生の頃、ブルーバックスで「カルシウムパラドックス」という本を読んだことがあります。「牛乳のカルシウムは多すぎるので、返って排出が激しくなり体内のカルシウムが減ってしまう」というもの。でも家庭科で教わる栄養の話しでは、牛乳はカルシウムの供給源として欠かせないということ。

骨は私たちの体の骨格を作ります。重要なのは明らか。私はせっせと牛乳を飲みましたし、子どもにも飲ませておりました。良い悪いで違うことを言われたら、メジャーな方を選び、もう一つは無視する。掘り下げて解明するには手段も知識もないからです。私を含め、大多数は生活者として淡々と毎日を送り掘り下げることはしないのです。

前置きが長くなりました。牛乳を飲むことの8つの問題点。これは、杏林予防医学研究所所長の山田豊文先生の『脳がよみがえる断食力』という本を参考にさせていただいています。

問題点1:カルシウムとマグネシウのバランスが悪い

 カルシウムとマグネシウムは、セットで働くため1対1のバランスにするのがベスト。栄養学の教科書には2対1が推奨されています。しかし牛乳のカルシウムとマグネシウムのバランスは11対1なのです。人間の身体は、体液のバランスを同じような保つ力が強いです。ここまでバランスが崩れると調整が起こります。

問題点2:カルシウムが体内で「悪玉化」する

 牛乳は体内で余計な酸を作り出し、骨を弱くするなど細胞に悪影響を与える。

問題点3:「リン」が多すぎる

 牛乳には人間の母乳の6倍とも言われる「リン」が含まれています。リンは身体に欠かせないミネラルですが、とりすぎは悪影響が出ます。

問題点4:日本人は牛乳の消化が苦手

 牛乳には「乳糖」という糖分が含まれています。乳児は乳糖を分解する消化酵素を持っていますが、アジア・アフリカ系の人は成長とともに消化酵素が減っていく。腸に未消化のタンパク質が増えます。

問題点5:乳タンパク「カゼイン」がアレルギーや癌の原因になる

  人が消化できるカゼインはβ-カゼインですが、牛乳は半分以上がα-カゼインです。カゼインを頻繁に摂取すると腸内に未消化物が多くなり、腸の炎症を招きます。すると、下痢、便秘などの腸の症状を起こします。小腸の粘膜細胞は、有機物や未消化の栄養素を取り込まないように密着していますが、カゼインにより損傷、または緩んでしまうと腸に穴が開き、本来体内に入るべきでない物質が血液中に入り込んでしまいます。これを「リーキーガット症候群」と呼びます。更にα-カゼインは消化できないために、アレルゲンとなり、遅延型アレルギーの原因にもなります。カゼインが癌の原因になるという研究報告もあります。

問題点6:ホルモン過剰の問題

  牛乳には子牛の発育に必要な成長ホルモンの他、搾乳を増やすために人工的な成長ホルモン剤も含まれています。また出産後だけでなく、妊娠中の牛からも搾乳することで女性ホルモンが異常に増えています。お腹の中で子牛を育てながら、お乳も出す。人間ならば、母体にとって大変な負担です。乳飲児を育てている間は、妊娠しないのは理にかなっていますよね。

問題点7:農薬や抗生物質も取り込んでしまう

 牛も食べたもので体が構成されています。牛の餌となる牧草や穀物はストレートに影響します。農薬の影響、とうもろこしや大豆の搾りかすなどオメガ6系の油を多く含んだ肉になります。また牛の住環境、飼育環境によっては病気を防ぐために多くの抗生物質が使われるため、それも肉に含まれることになります。

問題点8:製造過程で過酸化物質が大量に発生

 市販の牛乳の大半は、保存のために、加熱殺菌が行われています。この時に乳脂肪が酸化し、過酸化脂質が大量に発生してしまうため、これが私たちの身体の「さび」の原因となってしまいます。

 私も随分と牛乳にお世話になりました。生ぬるい牛乳を飲んで、嫌い!と思ったこともありますが、慣れると美味しく感じるようになりました。小麦を使った甘いお菓子との組み合わせはクセになります。

 クセになるには理由があります。

 牛乳の「カゼイン」は、消化の過程で「カソモルフィン」というモルヒネ様のペプチドになります。これは依存性もある物質です。近年、この物質が脳内の受容体に結合することによる反応が、発達障害に関連していることが明らかになってきています。

 その昔、お釈迦様が断食をしながらの修行の途中、牛乳の施しを受けたシーンがありますが、牛の飼われ方は今と全く違うのでしょうね。また古くから牛乳と慣れ親しんだきたヨーロッパ系の方々とは腸内環境が違うんですね。

 牛乳、やっぱりたまにいただく嗜好品でいいみたいです。

 牛乳について積極的に研究がなされるようになったのは、20年くらい前のことです。もっと牛乳についてはありますので、またご紹介しますね。ここまで読んでくださって有難うございました。

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