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Childhood's End

月が傾く音がして、
ぼくはぽっかり目をあけた。
カーテンごしに見えるのは、
ボタンみたいなお月さま。
瑠璃と茜の縫い糸で、
びろうど夜空にとじてある。
きっとお仕事したひとは、
てさきの器用なめがみさま。

ぼくはぼんやり不思議に思う、
とじてあっては動けない。
だったらあの音なんだろう、
月が傾くような音。

びろうど夜空をしゅるしゅると、
西へひっぱる音だろか。
星がぱらぱら落ちてくる、
パンくずみたいなお星さま。

ぼくは窓から手をだして、
星のかけらを受けてみた。
ひとつかじってみたけれど、
あんまり甘くはなかったな。

ぼくはすっかり目が覚めて、
よるの終わりをながめてた。
ぼくはおおきく息を吸い、
この世の終わりをおもってた。


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