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当事者意識がないメンバーをマネジメントするにはどうしたら良いか?

「部下が無責任で困っている」
「仕事を任せても、すぐに人を頼って自分で考えない」
「指示したことしかやらず、主体性がない」
「仕事のミスを指摘すると言い訳ばかりで反省しない」

マネジメントをする中で、そんな気持ちになったことはありませんか?


改めまして、こんにちは。
ベクトルnote運営・編集チームの勝又です。

普段はヒューマン・ディベロップメント部に所属し、お客様の人材開発・人材育成をサポートする研修コンサルタントとして働いています。

「当事者意識が低いメンバーがいて困っている」というご相談をいただいたことがきっかけで、noteに書くことにしました。




1.当事者意識の正体とは

「当事者意識を持て」と言われても、持っているつもりなんだけどな…

by部下の心の声

当事者意識とは「自分自身がその事柄に直接関係すると分かっていること」
「関係者であるという自覚があること」を意味します。よく責任感と誤解されて使われていますが、責任感は「自分の仕事や行為についての責任を果たそうとする気持ち」のことです。

では、当事者意識とは具体的にどんなことを指しているのでしょうか。

「誰かに言われて業務をこなす姿勢から、自分から課題を見つけて取り組む姿勢に変わってほしい」「言われる前に積極的に行動してほしい」

by上司の心の声

部下やチームメンバーに当事者意識を持ってほしい、それぐらいわかって欲しいと嘆く前に、まずはあなたの思う当事者意識を因数分解してみましょう。

  • あなたが考える当事者意識とは?

  • 当事者意識を持つことで何が解決する?

  • その当事者意識を具体的な言動として説明するとしたらどんな事?

2.それぞれの当事者意識

面倒に感じても、言語化することがとても重要です。
そこに、あなたの思う当事者意識と部下の思う当事者意識の違いが隠れている可能性があります。

では実際に起こった上司と部下の当事者意識の違いを例に、考えていきましょう。

【事例】
この春から新入社員として営業部に配属されたAさん。ある日、上司はAさんに新規商談で使う資料作成を指示しました。資料作成には市場データの集計・分析が必要で、終わったら一度報告するように指示をしましたが、指示した期日になっても何も報告がありません。痺れを切らして上司からAさんに尋ねてみました。

上司:「お願いしている市場データの集計はどうなってるのかな?」
Aさん:「データ集計はマーケティング部に数値を出してもらう必要があったので依頼しています」
上司:「(だったら一度報告してよ…)いつまでに数値は出してもらえそう?」
Aさん:「さぁ、一応商談日は伝えているのでそれまでには出してくれると思いますよ」
上司:「新規の商談は明後日だけど、準備は間に合いそう?データの確認もしたいから、明日中には資料作成してほしいんだけど。」
Aさん:「えっ、明日中ですか?そんなこと聞いてないんで無理ですよ~」

※皆さんが上司の立場だったら、どう感じますか?

それぞれの当事者意識…
■Aさん:上司に言われたことだけ実行する
■上司:自分で目的を考え、視野を広く持って積極的に行動してほしい

Aさんと上司の当事者意識、具体的にすると全く違いますね

Aさんは当事者意識がないのではなく、上司が求める当事者意識と違いがあるために、上司から「もっと当事者意識を持ってほしい」と怒られてしまったのでした。

大切なことは「当事者意識を持ってほしい」ではなく、もっと具体的な行動に落とし込み、期待している役割を説明する必要があります。

例えば、
上司:「今回の依頼はデータ集計が目的ではなくて、お客様の提案資料に使う為に必要だったんだよ。だから事前に数値の確認をして、分析も必要なんだ。マーケティング部に数値を出してもらう必要があるなら、出してくれるまで待つんじゃなくて、いつまでに提出してほしいと交渉する必要もあるんだよ。商談日前日に資料を作成しても、誤りがあるかもしれない。だから少し猶予を見て計画的に行動してほしいんだ。」

具体的な行動が伝えられないと部下は混乱します


諦めず対話しましょう

言葉には人それぞれ抱くイメージや定義が存在しています。
認識を合わせるためには、言葉の定義を明確にする必要がありますよね。

まずはあなたの求める当事者意識、企業や組織として求める当事者意識を明確にして、部下やメンバーと共有するところから始めてみましょう。

ここでも一方的に押し付けるのではなく、コミュニケーションを取りながら共有することが重要です。

人にはそれぞれ当事者意識に差があります

3.もしかしたら、当事者意識の違いはこんな理由があるかも?

当事者意識の違いには、部下のこんな悩みがあるかもしれません。

【部下の悩み】
どこからどこまで、何を、自分で考えて実行していいのかわからない  

【解決案】
組織の目的や目標を共有するとともに、期待している役割
をしっかり伝えることがまず第一歩。そのうえで部下自身に目標を設定させ、業務と関連させることで自分事として捉えることができるようになります。

【部下の悩み】
●上司がマイクロマネジメントで部下を管理している
●トップダウンの組織で部下には決定権がない

【解決案】
上司が部下の仕事へ過度に監督や干渉を行うマイクロマネジメントをしていると部下は指示に従うだけになり、他力本願が習慣化されます。
思いっ切って自分で決断する経験や責任のあるポジションを任せることも必要です。

【部下の悩み】
失敗すると責められる環境

【解決案】
心理的安全性が低い職場です。失敗したら大勢の前で厳しく責め立てたり非難するのではなく、その失敗が次に繋がるようなアドバイスをしたり、対策を一緒に考えたりすることが大切です。


4.対話がなにより重要

部下やチームメンバーに持ってほしい当事者意識が明確になったからと言って一方的に伝えることはNGです。なぜなら、人は他人から持たされた当事者意識で動くことは長続きしないからです。

まずは心理的安全性が高い職場であることは大前提として、日頃から上司と部下、チームメンバーが双方向のコミュニケーションが取れていることが重要です。お互いがどんな仕事をしているのか、会社としてどんな取り組みをしたいのか背景も含めて理解し、自ら何をやるべきなのか自覚することができます。

目指すべきビジョンの明確化・共有化が日常的にされている環境で、部下やチームメンバーが自ら何をやるべきなのか自覚している状態にするために、日ごろから対話を心がけましょう。

~対話してみよう~
1. 自社のパーパスを組織に浸透させるために何をしていますか?
2. 目的や期待している役割を伝えていますか?
3. 適切なタイミングでフィードバックしていますか?

5.おわりに

この記事おもしろいな、応援したいなと思ってくださった方は、ぜひ''スキ''で教えていただけると励みになります!

始めは緩やかなペースですが面白い情報・ためになる情報をお届けしていきたいと思っています。

はじめましての方も、すでにお付き合いのある方も、どうか末永くお付き合いいただけると嬉しいです。よろしくお願いします!


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