加藤周一のヴォツェック論
久しぶりに加藤周一の文章を読みました。彼を知ったのは、中高時代に「日本文化の雑種性」という文章を読んだときです。当時は理解するのにとても苦労しましたが、論旨の面白さに惹きつけられ、彼の評論集を手に入れてしまうくらいはまったのを覚えています。
今回読んだのは、そのとき買った平凡社の加藤周一セレクション4「藝術家の個性と社会の個性」に収められている、「現代オペラの問題−『ヴォツェックをめぐって』」という評論です。この巻は、音楽や絵画、彫刻など幅広いジャンルの芸術を扱っており、