Vecchia Zimarra

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横浜の浜辺に聞くアインシュタインの声

 こんなタイトルを付けておきながら、横浜の浜辺を見なかったのですが(お天気が悪く断念)、遠出してを久しぶりに生オペラを見てきました。観劇ボケしていて、双眼鏡を忘れてしまったので細部については正確に語れませんが、割と遠目でも分かりやすい舞台なのが救いでした。 テクストについて  開演前から音楽が始まっていて、オルガンがA-G-Cのオスティナートを延々と繰り返しており、観客も段々洗脳?されていきます。舞台上では、緑の服を着た作業員(といっても演者ですが)が掃除をしています。奏

    • 加藤周一のヴォツェック論

       久しぶりに加藤周一の文章を読みました。彼を知ったのは、中高時代に「日本文化の雑種性」という文章を読んだときです。当時は理解するのにとても苦労しましたが、論旨の面白さに惹きつけられ、彼の評論集を手に入れてしまうくらいはまったのを覚えています。  今回読んだのは、そのとき買った平凡社の加藤周一セレクション4「藝術家の個性と社会の個性」に収められている、「現代オペラの問題−『ヴォツェックをめぐって』」という評論です。この巻は、音楽や絵画、彫刻など幅広いジャンルの芸術を扱っており、

      • ウィーン国立歌劇場2022/23シーズン雑感

        2022年5月4日(水) 《新シーズン発表!》  2022年4月30日に、ウィーン国立歌劇場の2022/23シーズン・プログラムが発表されました。今回はプルミエが6つ(” VON DER LIEBE TOD”、マイスタージンガー、サロメ、フィガロ、ウリッセの帰還、カルメル会修道女の対話)、リバイバルが7つ(ユダヤの女、イェヌーファ、カルディヤック、アンドレア・シェニエ、アイーダ、フィデリオ、ムツェンスク郡のマクベス夫人)ということになります。1つ前、2つ前のシーズンがかな

      横浜の浜辺に聞くアインシュタインの声