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トン発公開公報A2016-001

あたしだって「トンデモ発明」の一つや二つあるんですのよ。

あなた、「かす汁」はお好きですかな。この季節、おいしいじゃありませんか?
あたしは、飲んべえだから、かす汁は大好きなんですよ。
酒粕だけじゃ足りなくて、お酒、足しちゃうくらいだから。

で、かす汁を作った後のお鍋のこびりつきに困ったことはありませんか?
まあ、たわしで擦れば取れるんですが、どうもしんどい。
そこで、こんな発明を考えました。

【トン発公開番号】 A2016-001

【発明の名称】 酒粕等固着物除去組成物
 
【技術分野】 食品>調理>洗浄

【要約】 酒粕等利用食品の調理後における、調理容器の酒粕由来固着物の洗浄を容易ならしめるダイコン由来でんぷん分解酵素配合の洗剤組成物の提供

【請求の範囲】
【請求項1】 ダイコン(Raphanus sativus var. longipinnatus)の常温圧搾液を20ないし90重量%を含む水溶液からなる酒粕由来固着物洗浄用組成物
【請求項2】 ダイコンをおろし金ですりおろした破砕物と液汁の混合物を20ないし100重量%を含む懸濁液からなる酒粕由来固着物洗浄用組成物

【背景技術】 酒粕を利用した家庭料理として代表的なものは「かす汁」であるが、「クックパッド」でも多数の公開がなされているので調理方法についてはここでは述べない。この調理後の鍋などにはかなり強固な酒粕由来の固着物があり、その洗浄が容易でないことは広く知られている。物理的にたわし等で研磨する方法が一般的であるが、鍋内面に擦過傷をつけてしまうし、洗浄残りも多々ある。

【産業上の利用分野】 おおむね主婦業の主体となす家事一般は、産業としては認めがたいが、日本国民の半数が女性とするならば、専業・兼業を問わず家事は金銭に算定できない産業として認められてしかるべきである。そして効率的な家事勤務が遂行されれば、ひいては日本の現業を担う男性、仕事を持つ女性にも資すること請け合いである。よって、「かす汁」ごとき些末な仕事でも、非効率が積み重なれば、水の過剰な使用、疲労など、その社会へのマイナス影響は計り知れないと言うべきである。
発明者は、主婦業の傍ら、かような考察に基づき、家事全般の効率化を科学的に鋭意検討し、本発明に至った。

【発明の詳細な説明】 酒粕の成分はその二割程度がでんぷんなどの炭水化物であり、それがバインダーとなって固着汚れを形成している。そこでアブラナ科のダイコン(Raphanus sativus var. longipinnatus)に含まれるでんぷん分解酵素、もしくは糖化酵素の一種であるアミラーゼ(別名ジアスターゼ)を用いて、酒粕由来でんぷんを分解し、糖化ののち水溶性にして鍋から遊離しやすくさせ、洗浄を容易にすることができた。
ダイコンはそのままではアミラーゼを分泌しないが、すりおろしたり、絞ることで細胞壁が壊され、アミラーゼを放出するようになる。
そこで、発明者は、ダイコン圧搾液もしくは大根おろしを得て、水に溶いて洗浄液組成物とし、この組成物に酒粕で汚れた調理容器を浸漬するなどして一時間、常温で放置し、その後軽く、台所洗剤を含ませたスポンジ等でこすることで容易に当該汚れを落とすことができた。
なお、アミラーゼはタンパク質であり、60℃以上の温度では失活するため、上記浸漬は室温環境で行うことが望ましく、またあまり低温でも所期の効果が得られにくいので水温は最低でも20℃は必要である。

【実施例】 省略(ま、やってみ)

【出願人】 後藤尚子

【発明者】 後藤尚子

【代理人】 なし(本人出願)

【出願日】 2016年1月13日

【発行】 東京特許許可局審査課

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