こもりくのはつせのかはの(2)
風呂が沸くのを待つ間、叔母は「こっちおいで」と茶の間に誘った。
テレビの置いてあるその部屋は、ぼくら親子が食事をしたりする場所だった。
「なあ、冬樹、叔母ちゃんに見せてほしいな」
彼女が何を言っているのか、ぼくにはすぐにわかった。
しかし、経験の豊富な叔母に自分の童貞を見られるのは恥ずかしかった。
「はよ、そこに寝て」
促す叔母、阿騎子(あきこ)。
阿騎子の「阿騎」は、祖父母が万葉集に出てくる地名「阿騎野」に因んでつけたそうだ。
「阿騎野」はこの桜井市から東に入った宇陀地方のことだという。
柿本人麻呂という万葉歌人ゆかりの場所らしい。
ぼくは、ズボンとトランクスを脱いで、上は着たまま畳の上に寝転んだ。
そばには座敷机が置いてある。
「へぇ、ちゃんと剥けてるやん。立派、立派」
叔母が、しゃがんで見ている。
そうすると、ふらふらとペニスが立ち上がってきた。
「さわってええ?」「うん」
叔母の冷たい指がぼくをつまむ。
くすぐったいようだが、だんだん硬くなっていった。
「結構、長いな」
品定めするように、竿を倒したりして叔母が言う。
「おばちゃん、ぼくのどうなん?小さい?」
「ううん、いずみさんのより長いかも」
どうやら旦那さんには勝ったようだ。
「すっごいな。もう、こんななってから」
びくん、びくんと脈動しつつ、ぼくのそれは叔母の目の前で立ち上がったのだった。
叔母が遠慮なく竿を握ってきた。
「こうすんねやろ?」
ぼくがするオナニーの仕方で上下にやってくれる。
「ああ、叔母ちゃん、よう知ってんねんな」
「経験豊富やから。ふふふ」
なんてことを言う。
「カッチカチやん。あたしも変になるやん」
そういうと、叔母は着ているものを脱ぎだした。
ブラもそそくさと取り去り、まったく風呂に入るように躊躇しなかった。
想像通りの、はちきれんばかりの重そうな双乳…
「あんたも上、脱いだら?」「そやな」
言いながら、叔母はショーツの腰ゴムに手をかけてさっとおろしてしまい、ぼくの目の前に黒い茂みを披露した。
「じっと見んといてぇや。恥ずかしいやん」
「いまさら…ぼくの、さんざん見といてから」
「ははは」
「やっぱり大きいな、叔母ちゃんのバスト」
「そやろ。泉さんも、いっつもそれ言うねん」
「え、そんなに二人でやってんの?」
「夫婦やねんから、当たり前やん」
裸で畳の上で向かい合いながら、そんな話をしていた。
「叔母ちゃんから誘うの?」「どう思う?」
「泉さん、あんまり積極的やなさそうやし」
「いやいや、あの人、家ではスケベやでぇ。ここだけの話」
言いながら、叔母はぼくのペニスへの愛撫を続けている。
「これ使ったことないんやなぁ」「うん」
「宝の持ち腐れやわぁ」「どういうこと?」
「冬樹の、めっちゃええ形やで。女はだまってないと思うよ」
「そうかなぁ。みんなもっとデカいのとちゃうんかな」
「ロバートのペニーさんでも、あんたのとどっこいやったわ」
そうだった。叔母はアメリカ留学でアメリカ人と住んでいたのだった。
「叔母ちゃん、ガイジンともしてたんや」
「しゃあないやん。なりゆきで」
「怖くなかった?」
「体、大きいし、すっごい毛深いし、体臭も強いし…」
「そうなん?白人なんやろ?ロバートって」
「混じってたんとちゃうかな。真っ白ではなかったわ。髪の毛もブルネットで」
ブルネットとは濃い茶色か黒い髪の毛のことだそうだ。
「やっぱり大きいの?アレ」「まぁね」
「お風呂、沸いたかな、いこか」「うん」
二人で、裸のまま風呂場に向かった。
(つづく)
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