見出し画像

カナダの歴史を知る上で重要な祝日

こんにちは。
本日は、カナダの歴史を知る上で重要な祝日をひとつご紹介します。

9月30日(金)National Day for Truth and Reconciliation(真実と和解の日)

2021年、新しい祝日として真実と和解の日が9月30日に制定されました。

2021年5月、ブリティッシュ・コロンビア州の先住民寄宿学校(先住民の同化教育を目的とした施設)の跡地から子ども215人の遺骨が見つかったことが発表されました。

先住民寄宿学校ではカナダでは同化政策の一環として、
先住民の文化的なアイデンティティを消滅させることを目的とし、子どもたちを家族から強制的に引き離していました。

この先住民寄宿学校を運営していたのはキリスト教会で、カナダ連邦政府も支援していました。
子どもたちはキリスト教への改宗を強いられ、先住民の言葉を話すことは許されませんでした。

また、子どもたちに対し身体的・精神的虐待があり、約6000人が亡くなったとされています。
この先住民寄宿学校は19世紀から始まり、サスカチュワン州にあった最後の学校が閉鎖したのは1996年。
先住民寄宿学校はつい最近まで存在していたのです。

なぜオレンジを着るのか?

National Day for Truth and Reconciliation(真実と和解の日)は
元々オレンジシャツデーとして知られていました。

オレンジのものを身につけるようになった背景には、
先住民寄宿学校から生き残ったファーストネイションズ(Stswecem'c Xgat'tem)のPhyllis Webstadさんという方が
「先住民寄宿学校に連れて行かれた日、着ていたオレンジのシャツを取り上げられた」という実際の経験がきっかけとなり、
文化、自由、自己肯定感を剥奪された事実を示すシンボルとなりました。

9月30日にカナダにいる人々がオレンジを身につけることで、
痛ましい歴史、カナダの負の遺産である先住民寄宿学校に対する歴史認識を高めること、また、生存者の方々への敬意を示し、支援の意思を表明する手段の一つになっています。

ガスタウンのギャシー・ジャックの像が引き倒された背景

バンクーバーの観光名所としても有名なガスタウンには、
ガスタウンの名前の由来となったギャシー・ジャックの銅像があります。

先日2022年2月14日、そのギャシー・ジャックの銅像が、
先住民の女性らに対する暴力に抗議するWomen’s Memorial March(ウィメンズ・メモリアル・マーチ)の参加者たちによって引き倒されました。

バンクーバーは港の近いガスタウンを中心にして発展していきました。
ギャシー・ジャックとはイギリス人の蒸気船の船長で、1867年にガスタウンで酒場を始めたジャック・デイトン氏。

ギャシー・ジャックは先住民の若い女性と結婚しました。
そしてその妻が病で亡くなった後、
その女性の姪、Quahail-ya(当時12歳)と再婚しました。
(再婚した当時、ギャシー・ジャックは40歳。)

亡くなった妻の12歳の姪、そして当時の彼女の年齢はまだ子どもです。
年齢や社会的地位の差、植民地支配のあった背景から、
本人から同意を得た婚姻関係だったかは疑問です。

Quahail-yaは息子を出産しましたが、
その3年後、15歳のときに逃げ出したそうです。

こういった背景から、近年では、
植民地支配や小児性愛について糾弾する声が高まり、
ギャシー・ジャックの銅像の撤去を求める運動が高まっていました。

Unceded Territories

「Unceded」とは、「譲渡されていない」という意味です。

つまり、Unceded Territoriesとは、
「戦争や植民地政策による領土の搾取において、
正式な条約の未締結、譲渡契約が未承認の土地」。

シンプルに言うと、
植民地支配によって、元々住んでいた人々との同意もなく、
勝手に支配し奪った土地
ということです。

カナダでは(州によって異なりますが)イベントや議会を始める際には、
「まず、今私たちが集っているこの土地は、先住民の土地であり、
土地が正式に譲渡されたわけではないことを認識しましょう。」

と言うアナウンスがほとんど必ずといっていいほど行われます。

カナダの歴史において決して目を背けてはいけない過去であり、
その過去の過ち、負の歴史を受け止めてこれからどう行動をしていくかを常に認識していくこと。

私自身もバンクーバーでの生活に慣れてきたなと感じる一方、
まだまだ知るべきこと、考えるべきこと、学ぶべきこと、行動すべきことがたくさんあるなと感じる毎日です。

日本人からすると、カナダといえば多国籍国家で多様性に富んだ国!
というイメージがあると思います。それも事実ですが、
どんな歴史的背景があり、今どんな問題を抱えているのか。

留学では、語学力を伸ばす、専門知識を学ぶということはもちろん、
生活する土地について知ることも留学で学ぶ大切なことだと思います。

2021年9月30日のVancouver Art Galleryの様子。


あなたの留学生活が実りある豊かな経験になるように
VCECは全力でサポートします🙌お気軽にご相談ください!

👇お問い合わせはこちらまで👇

📲 LINE公式 お友達追加 https://lin.ee/hhwyzOU
通話・チャットどちらでもご相談受け付けています😉
📨 vcec.japan@gmail.com
📞 +1 (604) 336 0866 (バンクーバー現地電話番号)
📷 Instagram @vcec_japan_ 📣バンクーバーでの最新情報を発信中!

それではまた。Have a nice day!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?