新型コロナウイルスに対するパーソナルサポートのプロジェクトを立ち上げました。

本日夕刻より、LINEを活用した新型コロナウイルスに対する個別情報提供システムの運用を始めました。システムの周知は神奈川県の一部地域から段階的に行っていますが、最終的には8300万人を対象にすることが可能なプロジェクトです。対象者がLINEユーザーというしばりはありますが「今すぐできるアプローチでできる限りのことがしたい」という志で多くの方々にご協力頂いています。行政、アカデミア、企業等のご尽力頂いた関係者の皆様に、深く御礼申し上げます。また引き続きよろしくお願い申しあげます。

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ga4/bukanshi/line/index.html

このプロジェクトはLINEを使ってCOVID-19のハイリスク群・潜在的罹患者のスクリーニングとフォローアップ、軽症者支援を効率的に行うためのシステムです。収集したデータを分析することで、感染拡大や風評等二次被害の防止、及び予防・治療を含む今後の感染症対策に資する対策を検討することができます。

このシステムが具体的に行うのは下記の3点です。

1. 個別化によるセルフケアと2次感染の防止のサポート:LINEユーザーに、チャットボットを通して現在の体調などの基礎情報、位置情報ログの提供をしてもらうことで、 各ユーザーに最適化されたサポートの提案を行います。自身がハイリスク対象者か否か、 軽症者か重症者かなどのリスクの情報をLINE上でフィードバックします。これにより個人の状況に基づいた推奨されるセルフケア、2次感染予防のために取るべき行動、医療機関受診のタイミングの通知など、個人の状況に基づいた最適行動サポートします。今後、世界の情報がアップデートされる中で適切な判断は刻一刻と変わることが予想されます。LINEと接続することで、更新された情報に基づいて一人一人に必要な対応をサポートすることができます。

2. リアルタイムフォローアップ:セルフケアで経過をみている人、一度入院した後在宅ケアに切り替わった人々には、継続的なフォローアップが必要です。LINEを活用したチャットボットを導入することで、対話やアンケート分析によるリアルタイムの経過把握とサポートが可能になります。また体調の変化や周辺状況(近隣の発症状況など)の変化を検知し、受診が必要なタイミングもお伝えできます。

3. 集団レベルでのフィードバックと迅速な対策の同定:具体的には、LINEユーザーを母集団として、自宅待機者やハイリスク群の実態を把握します。これにより公衆衛生学的観点から、集団として有効な施策を迅速に検討・施行し、また必要に応じて警戒レベルを変更するためのデータ解析を行うことができます。具体的には、感染リスクのクラスターを把握するだけでなく、予測を行いまた、対策を行った後に実際クラスターが解消されたかも検討することが可能になります。

プロジェクトは神奈川県の黒岩知事、首藤健治副知事のもとで神奈川県顧問としての宮田裕章が統轄して進めています。このプロジェクトは神奈川県が主体となって、行政の情報提供、相談支援業務の一環として行ないます。データの所有管轄は神奈川県です。LINE株式会社からは、本システムの開発と維持管理を提供して頂いています。LINEの皆様のご尽力に深謝致します。またAmazon Web Servicesには本プロジェクトのデータ保管スペースを提供頂いており、迅速な判断で対応して頂き感謝しております。

日本感染症学会は、専門的な観点から提供する情報の適切性、個別提供の基準の適切性についての監修を行って頂きます。また本プロジェクトは一部地域でのパイロットプロジェクトの実施でシステムの負荷や、電話窓口への負荷をシミュレーションしたのちに、国や各自治体と連携を図ることで、全ての住民にサービスが提供できるシステムです。従って最終的には、より広範囲にサポートを提供するシステムとなります。

様々な方々と連携して取り組むことから、プロジェクト名を「COOPERA」(スペイン語で”協力”の意味)と命名しました。以下が正式名称です。

SNSを活用した新型コロナウイルス(COVID-19)に対する個別情報提供システムの実装
COvid-19: Operation for Personalized Empowerment to Render smart prevention And care seeking [COOPERA]

もし皆様のもとに、”協力依頼”のメッセージが到着した時は、ご協力頂ければ幸いです。新型コロナウイルスという大きな課題に立ち向かうには、皆様のご協力が必要ですし、私自身も尽力したいと思います。

宜しくお願い申し上げます。

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