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【フランス組曲】第2番 ジーグのレッスンを放棄 #101

1回目のレッスン

バッハ/フランス組曲 第2番の最後の曲はジーグ。ヘンレ版は拍頭にプラルトリラーやモルデントがこれでもかってほどたくさん付いています。

ただ、最初は曲全体をざっくり把握したいので、装飾音なしで弾いてみたのですが、この曲、何だか装飾音ないほうが綺麗な曲に聴こえる!
(ISMLPの楽譜もまったく装飾音符が付いていなかったし。。。)

なので、最初に先生に見てもらうときに「装飾音は付けません」宣言をして、とりあえず弾きました。すると、先生に次のように言われました。

この曲はター・ンタ・タンと3拍子の拍を正確に弾いてはダメです。
1拍目にノるというか、1つめの付点8分音符はわずかに長めにアクセントで。2つ目の16分音符はその分短く。
タ ー ン・タタン という感じです。

なるほど。
舞曲だからワルツのときのレッスンのように、以下の楽譜の1、2、3の部分を微妙に音価を変化させて独特のリズム感で弾けということですね。

しかし、先生のいう通りにやってみますが、なかなかノリが理解できず上手くいきません。「実際にバロックダンスの動画を見てみようかな」とつぶやくと、先生は知り合いにバロックダンスを教えている音大の先生がいるらしく、しばらく、バロックダンス談義をしました。

すると、だんだん先生のテンションが上がってきて私が弾くジーグの1拍目に合わせてなんと、ピョンピョンとジャンプをし始めました👀

こういう無邪気で子供みたいなところがこの先生のかわいらしいところ、生徒に人気があるところなんだろうなとは思うものの、いい大人が狭い部屋で何度もジャンプしている姿はちょっと異様で引きました。しかし、ほんと、先生、体力あるな。。💦

2回目のレッスン

何とか、1拍目を先生がやっていたジャンプのイメージで弾けるようになったのか、今度は

右手の装飾音を付けて弾いてください。
全部です。

と言われました。
「この曲は装飾音を付けないほうが綺麗だと思うのですが。。。」と言って抵抗してみたものの、聞く耳を持たないみたいです。

しかたがないので指示されている右手の装飾音を全部付けて弾きましたが、何だが今までやっていたリズムがわからなくなってしまいました。

凄くあせって弾いているように聴こえます。
装飾音が前に出てしまっています。拍頭に合わせてください。
3拍目が短いです。

と先生はいつもの拍子感についてのダメ出し。
装飾音を拍頭に合わせようと丁寧に弾くと今度は、

装飾音の部分がゆっくりで遅すぎます。
たとえテンポを遅く弾いた場合でも、装飾音まで遅くしてはダメです。
一瞬で弾いてください。

と容赦なくダメ出し。
相変わらず先生は、リズム、拍子感にダメ出ししながらジャンプしていますが、どう弾いたらいいのかすっかりわからなくなってしまいました。

3回目のレッスン

何とか、右手を装飾音付けて弾けるようになったタイミングで、

左手の装飾音も付けて弾いてください。
全部でなくてもいいです。

と、先生が左手の装飾音を付ける箇所に印を付けました。結構、多い😿
左手に装飾音を付けると一気に難易度が上がります。

ますます、モタモタした演奏になっている気がしますが。。。
拍子感、リズム感も相変わらずダメみたいです。ダメ出しされっぱなしです。

4回目のレッスン

右手と左手、装飾音付けて弾きますが、「うーん」と先生が渋い表情。相変わらずダメなようです。
演奏自体はだいぶ安定して弾けるようになったのですけど、なぜそこまで拍子感について先生が気にいらないのかはわかりません。

私の拍子感というか、ロマン派以降のように装飾音を拍頭より前に出す癖がときどき出るのと、3拍目が短く聴こえる癖がおそらく関係があるんだろうな。。。

1拍目を弾く前に一度落ち着いて。
あせらず、待ってから弾いてください!
待つ! 待つ!

私の拍子感が気持ち悪く、だいぶ、イライラしているようです。私も焦って弾いているつもりはないのですが、先生の望むように弾けません。

装飾音を遅めに弾けば確実に拍頭に合わせられるのですが、そうするとモタモタして装飾音のように聴こえない。装飾音を一瞬で速く弾くと微妙に前に出てしまうようで、どっちつかず。どうも、私の拍子感はどうしても治らないようです。なので、

もうやめましょう

と先生に言いました。
演奏でいちばん大事なのは拍子感。どんなに指が回ろうと、ちょっと難しい曲弾けようと、拍子感が狂っていればすべては台無し。気持ち悪くて聴いていられない。ピアノの先生はみんなそう思っている。
私のは治らないからもうやめよう、と。

先生は焦ったように「みんなそうですよ」「3拍目が短い人は大勢います」「拍子感が悪い人が普通です」と言いますが。。。

いろいろな要素で仕上がりの悪い下手な演奏はあるはずなのに、なぜ、拍子感だけこれほどまでに執拗にダメ出しし、許すことができないのか。演奏を褒めることが一切できないのか。

結局はそういうこと(気持ち悪くて聴いていられない)ってことですよね。

先生がお手本を弾いてくれましたが、それを聴いても自分の弾き方をどう直せばよいのか、私にはもうわかりません。
なんというか、先生のはせっかくの1拍目の特徴的な音が装飾音のせいで微妙に遅延して聴こえて、気持ちが悪い。自分にとって変に聴こえる演奏をどうやって意識的に真似して弾けるんだろうか。。。

まぁ、気持ちが悪いと思うのは私一人。
おかしいのは拍子感が狂っている私一人。
ほかの普通の生徒というか、まともな拍子感を持っている人は先生の弾き方が正しく、美しいと感じるのだろうけど。。。
なので、もう一度

もうやめましょう

といって装飾音なしで通して弾きました。それで終わりにするために。
途中から先生が私の演奏に合わせて右手を弾き始めました。まだ、先生的には拍子感おかしいよ、とのことみたいです。

もう一度、私と一緒に弾いたような感じで、装飾音付けて弾いてください。

と先生に言われたので、装飾音付けて弾きましたが、すでに先生の真似をする気力はありません。何も考えず、頭を空っぽにして自分の拍子感にしたがって弾いただけ。弾き終わった後、再度、

もうやめましょう

と先生に言って、先生もやっと諦めてくれました。先生は楽譜に日付とマルを付けましたが、当然、合格の意味ではないですね。

というわけで、これ以上拍子感のダメ出しに耐えられなくなったので、フランス組曲の2番 ジーグは放棄しました。

次はフランス組曲 5番をやることになりました。
アルマンドからですが、もう5番のクーラントとかジーグは、どうせ拍子感でダメ出しされるので、習うのは、弾くのはやめておこうかな。

ゆっくり目の曲だけでいいような。でも、それはそれで今度は8拍子に聴こえるとか、1拍子に聴こえるとかいわれるんだろうな。。。

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