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#97 先生のレッスンの進め方が今更わかった(ベートーヴェン ピアノソナタ 10番 3楽章)

前回のレッスンで、「ダメ出しする前にまずは褒める」ことを約束した先生。まずはベトソナ10番 3楽章 “スケルツォ”を最初から最後まで通しで弾いた直後、

素晴らしい!

と一言。それだけだったので白々しい空気が漂い、空気を変えるために私が「どこがですか?」と質問。

先生は「うーん、うーん」と悩んでから、

テンポを一定にキープしているのが素晴しかった。。。

とだいぶ苦しそうに言いました。こんなに悩んでから言われても、それ褒められているように感じないのですけど。。。

で、一応は褒めたので、最初のダメ出しです。

フレーズが短く切れてしまっています。
せめて、3連符が始まるところの前まで長く。
一気にフェルマータの部分までフレーズを長くしてもいいくらいです。

要するに、以下の赤い線のようにフレーズが細かいスラーごとにブツブツ切れてしまっているので、黄緑色のスラー程度までフレーズを長くしろ、ということのようです。

ただ、フレーズが短くなってしまうのは、先生がテンポ落として弾けといったので、あえてBPM=120くらいの極端に遅いテンポで弾いていることも原因。

プロはどんな遅いテンポでもフレーズを長くできるのでしょうが、私の場合は、この曲はそもそも遅いテンポだと曲(スケルツォ)が台無しだと思っているし、それもあってテンポが遅いと「気持ちの入りようがない」のでフレーズを長くしようがありません。

なので、先生はイヤそうな顔してましたが、「テンポ速くしないとフレーズ長くできないので、速く弾きますね」と宣言してから、BPM=160くらいまで上げてもう一度弾きます。

今度は先生は「うーん、うーん、うーん」とさらに長い時間を悩みながら、結局、褒め言葉は出てきませんでした。。。

よほど褒めるのがイヤみたいです。。。テンポを上げたことが気に入らない、というのもあるのでしょうが。

拉致があかないので「もういいので、ダメ出ししたいのならどうぞ」と諦めることにしたら、さらに以下のようなダメ出しをもらいました。

  • 冒頭、短いスラーの終わりのスタカートが強すぎるので、フレーズがつながっているように聴こえない。

  • 74小節から始まるdolce以降の左手の音が大きい

  • 89~91小節の左手、97~99小節の右手の16分休符。休符を感じられない。

  • 168小節および173小節の全休符をきちんと数えていない。

  • 189小節から始まる3連符の伴奏の音が大きい

  • 209~212小節の8分休符のあとに2連続する3連符。細かいスラーが表現できていない(スラーの真ん中の音が大きく聴こえる) etc.

とのことなので、これらの部分を直して出直してきます。

自分がしたダメ出しはどうでもよくなるらしい

次のレッスンで、前回指摘されたダメ出し部分とフレーズを意識した演奏するために、さらにテンポを上げて弾きます。

全体的にいいんじゃないですか!

と約束通り、「褒める」から始めてくれました!
しかし、前回ダメ出しした部分はスルーして、中間部の弾き方とか等を歌いながら指導しようとします。先生、ノリノリです。

自分でも前回より全体的に弾きこんだ感じが出てよくなっているとは思うのですが、ここで先生のペースには乗りません。ノリノリな先生に水を差すように「前回ダメ出しした部分はよくなっているのですか?どうなんですか?」と聞いてみると、

今はそんな細かいところはいいので。。。

と、耳を疑うようなことをおっしゃいました。
さすがにあきれましたが、ダメ出ししたところもよく覚えていないようなので、先生を止めて、無理やり前回のダメ出しポイントを確認させます。

  • フレーズはよくなった。

  • 中間部の左手はまだ大きい

  • 休符も数えられている

  • 細かいスラーの3連符2連続のところはまだ表現しきれていない

とのことです。で、今回ダメ出しの再確認をしながら、先生のレッスンの進め方のパターンがいまさらながらようやく理解できました。

◆譜読みしたばかりで、弾きこみが足りない段階
→全体的に褒めるところがないので、フレーズ、拍子感など、細かいところのダメ出しをしたくなる

◆ある程度弾きこんで全体が聴けるようになった段階
→細かい点はどうでもよくなる。どこをどうやって盛り上げていくか、曲全体の流れを中心に指導したくなる

ということです。
正直、やっと譜読みできた段階で細かいダメ出しされるのはウンザリするのでやめてほしいし、一度したダメ出しはきちんと責任を持って、最後まで確認してほしいところ。

なので、先生には最初の弾きこみが足りない段階では、細かいダメ出しは控えていただき、音やリズムの間違いの指摘や、弾けていないところ、弾きづらいところをどうやったら弾けるようになるかの指導で止めていただくのがよさそうです。あとは「もっと弾きこんでこい」と言ってもらえれば十分。

実際、その時点でダメ出ししなくても、弾きこんだ後に治っていることも多そうですし。

そして、全体的に聴けるようになってきたら、終盤で細かい点のダメ出しをしてもらって細部を磨くと。

なかなか上手くいかないでしょうが、自分のモチベーションのためにもこの方向でレッスンが流れるように先生を誘導したいと思います。

次回のレッスンの曲が決まりました

全体の盛り上げ方やAllegro Assaiはどのくらいのテンポで弾くべきなのかを先生とあーだこーだ言い合いしながらレッスンは進み、最後に

次回、仕上げにしましょう。次は何の曲をやりましょうか

と言われました。先生的にはもう合格でよいようなつもりのようですが、「散々ダメ出しされたあとに合格にされても納得いかない」という私の苦言を覚えていたようです。

おそらく、来週は1回通しで弾いておしまいということになるでしょう。気分よく締めくくれそうです。

ただ、次回の選曲は私は自分で決めるつもりは全くないので、先生に何でもいいから選んでもらうようにうながすと、また先生は「うーん、うーん」と悩んでいます。自分で選びたくないようです。

なので「選べないというのなら、仕方ないのでベートーヴェンを続けましょう。でも、どの曲かは先生が選んでください」と再度、念を押すと、やっと6番または9番を提案してくれました。

それでも私は今回は決して自分で決めるつもりはないので、結局、先生が9番を選びました。

というわけで、ベトソナ9番をさらってきます。

しかし、生徒の育成方針に合った適切な曲を選曲するのも、ピアノの先生の重要な仕事だと思っているのですが、今はそういう考えは主流ではないんですかね。逆に先生に選曲をさせてはいけないとか? ほんと、よくわかりません。

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