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【活用事例】打者のパフォーマンスに重要な要素「タイミングの取り方」を極める!

VR打撃トレーニングサービス「V-BALLER」では、各選手の投球に対するリアクションを可視化、分析するためのツールとしてもプロ/アマ含め、業界内で広まってきています。今回は元横浜DeNAベイスターズで活躍し、現在はプロ選手の経験を活かし、パフォーマンス研究を行っている福田さんにレベルアップに重要な要素およびそこにおけるV-BALLERの活用についてヒアリングしました!


福田さんってどんな人?

最初に今回ヒアリングを実施した福田さんの簡単なご紹介です。プロフィールは以下の通り。

福田 岳洋(大阪府出身・1983年4月9日生まれ)
【経歴】
大谷高校(京都)ー高知大学ー京都大学大学院(中退)ーRitsBBCー香川オリーブガイナーズ(2008-2009)ー横浜DeNAベイスターズ(2009~2013)

・プロ野球引退後はNTTコミュニケ―ション科学基礎研究所のスポーツ脳科学プロジェクトにリサーチスペシャリストとして活動(2017.1~2021.12)
・現在は㈱BaseballQを設立し、西武ライオンズなどでITを活用した選手育成を行いつつ東京大学、NTT(柏野多様脳特別研究室)にて研究を続ける(2022.1~)

打者のパフォーマンス向上に必要なもの…

そもそも、打者のパフォーマンスに重要な要素って何ですか?

一番重要なのは「タイミング」だと思います。
タイミングが取れる=投手の動きから予測できる+軌道から速度や位置情報から予測できる状態ですね。
バッティングでは道具を使って、飛んでくる投を打つ、つまり身体自身の動かし方もあるが、情報をいかに収集して、適切なリアクションが取れるかが重要になるんです。

タイミングの取り方を向上させるために必要なこと、やるべきことって何だと思いますか?

リアルタイムに自分の動き、ボールとの関係が把握できることですかね。
ただ、“足を大きく上げる投手の場合はここを見る”等、投手ごとにタイミングの取り方は異なりますし、打者側も自身のスイング手法により適切なタイミングは異なります。よって、こうすれば正解というものはなく、現状の自分の状態を把握する、その上で投手情報と突き合わせて攻略法を考えることが重要だと思います。

打者のパフォーマンス向上×V-BALLERとは?

V-BALLERを使ってみてのメリットって?

これまでは投球に対する自分の動きを把握しようとしても、数値化できていない領域でした。よって、鍛えようとすると選手やコーチの「勘」が全て、指導者の経験値に基づく指導でしか伝えられなかったんですね。例えば三振するな、ボール球は振るなという指導を受けていた場合、特に強豪チームと対戦する際などはどうしても振れなくなってしまう。一方でそういった指導ではなく、来た球に対して強く振りなさい、という場合はタイミングに合わせて強く振ることができる。だけどボールも振ってしまうかもしれない。まず、ここが客観的数値により可視化できるのは大きいです。バットのスイング開始やスイングピークが球種別に時間軸と共に把握でき、タイミング的に振りが早い/遅いが球種別にわかるので。また、その状態が発生している要因として頭の動き等、身体の動きとセットで見れるのも面白いと思います。これがわかると、選手の特徴に合わせて強化すべき点が明確になりますし、チームとして選手をどのタイミングでどう起用すべきかも戦略的に考えられるようになりますよね
また、選手と指導者の間で共通言語にできますから、指導により納得感、信頼感も生まれると思います。

V-BALLERで可視化できること

ずばりV-BALLERのデータから選手の何がわかったのか、教えてください!

ある育成選手に150キロストレート5~6球に対してスイングしてもらいました。
結果として、頭の動きがずれているし、スイングの開始にもブレがある。同じ投球に対して同じタイミングの取り方ができていないということがわかりました。
この結果を選手に伝えたところ、選手側も「こんなにずれてたんですね」という反応だったんです。
ただ、その後、その選手も投手の動きに合わせて反応するように意識するようになり、データとしてもタイミングが揃ってきたんです。自覚するだけで、これだけ変わるんだなと。可視化できる、他選手と客観的に比較できることにより、選手側でも自覚できる、自覚できるだけでパフォーマンスの変化は出てくる、そういったことからもトレーニングとして使えるなと感じましたね。

ある選手のパフォーマンスデータ(初日計測)
ある選手のパフォーマンスデータ(意識してからの1か月後)

結果データを見るポイントとしてはいくつかあります。
例えば、リリースのタイミングのあたりの頭の動きを見ると、投手の動きに対して“あっている/あっていない”がわかります。あとは、バットの動き出しが“大きいか小さいか”でスイングピークまでの持っていき方がわかるので、“早く振っているのか/振り遅れているのか”というのが判断できる。また、足をあげてから着地するまでのバラつき=身体運動(ステップ幅、時間)のバラつきがあるのもタイミングがずれる要因の一つなので、そこも確認観点と言えますし、そこを気を付けるだけでも変わってくると思います。

選手の状態を把握するために有効なV-BALLERの使い方はありますか?

いくつかやり方はあると思います。V-BALLERのプレイリストにて、同じ球速帯を用意し、何球目でタイミングをアジャストできるか、という観点も一つです。良い選手は2球目あたりで合わせられます。ただ、同じ球速とわかっていてもタイミングを合わせるのに時間がかかる選手もいます。速度という観点もありますね。プロであれば130キロ級であれば、ある程度合わせられますが、150キロ級になるときちんと投手の動きからタイミングを合わせられる選手のみ、合わせられます。他にも球種をMIXさせた場合はストレート/変化球を見極めた上でタイミングを合わせられるか確認できますし、ストライク/ボールを混ぜた場合、ボール球をきちんと見逃せるか、空間的判断能力が確認できます。また、これらの条件を事前に告知する/しないでどう変わるのか、知っていたら判断できるのかも面白い観点だと思います。これらの観点で計測することで、それぞれの選手の特徴を把握することができることになります。

実際実施してみて選手の反応はどうでしたか?

社会人の主軸選手で頭の動きが揃っている選手、揃っていない選手がいたんですが、揃っている選手は投手の動きからタイミングを合わせられている、揃っていない選手でもボールの軌道情報からタイミングを見抜いているという特徴を結果データから伝えたところ、選手側も実際、「そこを意識していました/見ていました」という声が出てきました。やはり客観的データで見ても各選手の特徴は間違っていなかったんだなと。
実際、選手によってストライク/ボールの見極めは弱い=三振は多いが長打の人(タイミングを合わせるのはうまい)もいれば、ボールは降らない=見極め力があり、安打できるとそれぞれ異なります。ただ、選手及びチームがそれを「正しく」把握できることが戦略につながるなと改めて思いました。

最後に…

今後野球業界が進むべき方向/求めることって何でしょう?

選手ごとの特徴(打者のタイミング等これまで可視化できなかったことろ)を把握できる=状態の可視化の実現は、V-BALLERのようなツールの誕生によりできるようになりました。
今後はこれを解釈できるメンバがより求められるようになると思いますね。実際に選手とこれらのデータをもって向き合ってみると、結果に対する納得度が高いことも僕自身、身をもって感じました。よって、よりこういったツール、データの活用は進んでいくと思いますし、並行してデータの解釈方法についても浸透させていくことが重要だと思います。
また、こういったツールが誕生したからには、例えば、中学生あたりから投手にタイミングが合わせられる、投球が見極められる、150キロ級レベルでの練習もできるとなるわけですから、プロへの道がより近くなる、プロとしても“より活躍できる”スーパー選手になれる可能性もあるかもしれませんね。ヒアリングは以上です!福田さん、ありがとうございました!


さらに詳しく知りたい方は、V-BALLER公式サイトもご確認ください。
👉👉公式サイト(v-baller.com)

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