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「Far away」鑑賞

石井達也さんの個展に伺った。
福岡出身の作家さんで個展は今回が初とのことである。
まず目に入ったのはリトグラフという技法の本が作品であった。
岩の塊のような作品、雄大な山の風景、乗馬の模様のような作品。
描写は緻密で鉛筆のデッサンのようだ。
そして版画特有の色合いというか、落ち着いた静かな色は心を落ち着かせる。
そしてもう一方の壁には油彩が飾られていた。
石井さんにお話を伺ったところ、もともとは版画を主にやられていて油彩画はごく最近からとのことだった。
この油彩は版画作品とは違う魅力があった。
版画が「静」とするなら油彩は「動」であろうか。
それはそれぞれの制作方法から出てくるのかもしれない。
版画は画面に一気に色が載るので色の動きは少ないのに対し、油彩は筆なり刷毛なりで時間をかけて画面を埋めていく。
版画でも油彩でも絵画というのは「時間の経過」をなんらかの形で画面に現れると思う。その現れ方が技法によって変わってくる。それを言葉で説明するとなると難しいというか不可能なのだが。
石井さんの油彩画は植物や風景を描かれてある。色がとても鮮やかなのが印象的だった。
その事をお伝えすると石井さんが油彩をされた理由が色との対峙のようなところがあるらしい。
あと作品の特徴的な部分は描かれてある植物や風景の輪郭がハッキリしていない。ぼんやりと霞んでいる感じで描かれている。
それが私は妙にリアルに感じたのだ。例えば植物などに関しては風で揺れている様を切り取ったような、または見えない空気をぼやかせる事で表したのかもなど考えた。
他にもイラストなどもされているようでなんとも万能な方だなと思った。
リトグラフの説明などもいろいろお話しして下さりありがとうございました。

「Far away」
TATSUYA  ISHII
SOLO  EXHIBITION

2021.9.29〜10.10
11:00〜19:00(最終日17:00まで)
月、火 休廊

gallery &cafe 空のいろ
福岡市中央区赤坂3-6-37

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