M#4 鈴木あみ「alone in my room」

前回に続き1998年の楽曲です。
ちなみに前回はglobeの「wanna Be A Dreammaker」でした。

1998年の夏に「ASAYAN」からデビューした鈴木あみの第二弾シングルが「alone in my room」です。

当時、無気力状態だった私ですが「ASAYAN」はちょこちょこ見ていて
鈴木あみがスターダムへと昇っていくところを映像として観ていたように思います。
彼女の長い長い映画を1年かけて見ている感じですね。
(1年後には「BE TOGETHER」で1位を獲ることになる)


この曲から「all night long」「white key」と連続ヒットを記録し、
あっというまに登っていったわけですが
なんとなく私は売り出すなら第一弾、第二弾はアッパーな曲でいくほうが若い子たちの心を掴めると思っていました。
「love the island」は明るい曲だったし、2ndSingleも盛り上がるのでいけば……と思ってたら、どこかトーンの落ち着いたこの曲でした。

最初は「ええ、地味な曲だなぁ」と思ってしまいました……。

が、今となっては、この「alone in my room」は今でも大好きな曲で
秋から冬への物悲しさみたいなものが当時十代の鈴木あみならではの色で表現されています。

そう、鈴木あみならではの「等身大の十代」、これが同世代へと伝わり、ファンを獲得していった、それが「alone in my room」の価値なのではと思っています。

小室哲哉プロデュースで、十代の女性が歌った楽曲は、
観月ありさ、宮沢りえ、内田有紀、安室奈美恵などありますが(小泉今日子、中山美穂は何歳の頃だったのかな?)、
彼女たちは既に「スター」に位置していた方たちでした。

一方の鈴木あみは、オーディション上がりのついこの間まで一般人だった子です。
本当に等身大の十代に近かったのは、数あるプロデュースでも鈴木あみだけだったのかなと思います。

小室哲哉が本当にそんな方向を目指していたとか私は読んだことはないですが
勝手にそう思っていますw


一方、ジャケット写真はなぜか不満顔で、
どうしてこれから売り出す子がこんな表情をしているんだろうと当時は思いましたが、
Wikipedeiaによると鈴木あみ自身が選んだものだったそうですね。
うーん、どうして選んだのか聴いてみたい……。
自分の不満顔みたいのがCDのジャケットになる……どういう意図なのか。

のちのジャケットは皆、かわいらしい顔だったりするので
このシングルのジャケットは特殊だなぁと今は思います。


歌詞も、秋の物悲しさとか上のほうで書きましたが
よくよく読んでみると、全然意味がわかりませんw
楽しいのか、悲しいのか、寂しいのか、気持ちがいいのか、寒くなってきたのか、結局よくわからないのです。
でも、昨日のことも明日のことも関係なく、今日を過ごしていることを歌っているわけで、
何を考えてるのか(大人から見ると)わからないけど、今を大切にしているし、そろそろ何かは求めてるし、具体性はないけど、前には進もうとしているわけですよね。

これこそが等身大の十代で、だからこそ当時の私にとっても好きな曲になったのかもしれません。
小室哲哉がglobeや当時はプロデュースを離れることになる華原朋美、産休中の安室奈美恵とはまた違う感覚の歌詞を描いた素敵な曲だと思います(作詞はMarcとの共作だけど)。

たしかこのシングルは買ったはずですが、いまは手元になく、
実家にでも置いてあるのだろうと思います。

私の十代も今は遠く離れてしまっているようです。





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