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パリ五輪開会式の最後の晩餐

パリ五輪の開会式が、色々とSNS上では物議を醸しているようです。
キリストが太ったレズの女性となり、使徒がLGBTのドラァグクイーンになり、裏切りのユダは、子供の姿で描かれているようです。
まるで、真逆の悪の世界を描いているように感じます。

その後に、次のシーンに変わります。

ディオニューソス(バッコス)神

最後の晩餐では、パンとワインが出されましたが、メインディッシュは、青い肌をしたおっさん姿のディオニューソス神でした。
ディオニューソス神は、幼少の頃にニンフに育てられ、女装をしていたと言われ、ギリシャの詩人アイスキュロスは、「お前はどこから来た、女男(ギュンニュス)よ」と呼び掛けた、という話があります。
ただ、この青いおっさんディオニューソスからは、女らしさが微塵も感じられません。

一方、パリのルーブル美術館所蔵のディオニューソスは、以下のような像で、いかにも女男(ギュンニュス)という感じに見えます。

ディオニューソス(ルーブル美術館)
© Marie-Lan Nguyen / Wikimedia Commons, CC 表示 2.5,
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5828758による

このディオニューソス像が、フランス系フリーメーソンリーからアメリカ系フリーメーソンリーに贈られた、自由の女神像(ニューヨーク)に似ているという話があります。

Statue of Liberty

確かに似ているし、頭部の7本の突起は、パリ五輪開会式の太った女性の後光の7本の突起と似ているように思えます。
また、緑に近くなっていますが、青いディオニューソスとも思えます。

日本人向けのWikipediaでは、自由の女神となっていますが、英語表記にすると、Statue of Liberty となっていて女神ではありません。
そして、この青いディオニューソスは、オリンピックは私が作ったものと言わんばかりに、オリンピックの聖火を掲げているわけです。

そう解釈すると、このディオニューソスをメインディッシュにして、女性(?)たちが集まっている光景は、数あるディオニューソス神話の中の以下の光景を描いたものと思われます。

ディオニュソスが狂気の錯乱と興奮の闇から正気を取り戻したのは、ヘラに匹敵する絶大な能力を持つキュベレという女神が支配する小アジアのフリュギアでした。フリュギアの女神キュベレの超越的な能力で、発狂の混乱状態を治癒して貰ったディオニュソスは、更に『コリュバス』というキュベレ崇拝の祭祀の秘儀を伝授して貰うことになります。葡萄の神であるディオニュソスは、葡萄の樹木を自由自在に栽培して繁殖させる特殊能力を持っており、豊かに実った葡萄の果実を使って、理性を失わせ情動的な陶酔(狂乱)をもたらす美味しいブドウ酒(ワイン)を製造することが出来ます。

コリュバスというフリュギア伝統の祭祀は、奇妙で不可思議なお祭りであり、女装した聖職者階級(司祭階級)の男たちが、笛を激しく吹き鳴らし太鼓を乱打しながら、踊りながら街中を練り歩きます。コリュバスでは、日常的で平穏な『ケの生活』とは異なる非日常的で狂騒的な『ハレの儀式』が執り行われ、女神キュベレの偉大さと慈悲深さを顕彰して崇拝します。女神キュベレから『コリュバスの祭儀』の秘密を伝授されたディオニュソスは、祭祀にはブドウ酒(ワイン)と同様に人々の理性を失わせて興奮させ、陶酔的な快楽と喚起をもたらす魔力があることに気づきます。

ブドウ酒と演劇、祭祀(祝祭)を司る神となったディオニュソスは、独自の宗教的な祭祀をギリシア全土に普及させる旅に出ますが、ディオニュソスは女性達に自分が製造した特上のワインを飲ませて、理性を喪失させ音楽を掻き鳴らしながら踊り狂い、恍惚とした快楽を共に味わいました。ディオニュソスが開発した独自の祭祀を楽しむ信者の女性達は『バッカスの信女』と呼ばれ、狂気的な精神状態でどんな軍隊も蹴散らす驚異的な力を発揮するので、周囲の人々から恐れられていました。

葡萄と演劇の神ディオニュソスの祝祭と狂乱
https://esdiscovery.jp/vision/es003/greek_myth006.html

(追記)青は、フランス国旗の「青-白-赤」の「青」で、「自由-平等-友愛」のうちの「自由」を表しているようです。自由の像(Statue of Liberty)の「Liberty」の色でした。

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