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その独立は必要ですか? (2021年3月)

安易な独立は、やめた方がいい

2021年3月10日。
技術士(機械)の資格を所持して、ちょうど10年になります。

2013年に個人事業主から始まり、2014年に資本金50万円で法人化。
2019年に資本金を300万円に増資し、現在に至ります。(2024年8月)

お金が稼げる、自分の技術は何ですか?
独立してお金を稼ぐために必要な道具を書き出してみてください。

自分の場合は三次元CADと強度シミュレーションソフトでした。

次に資金計画になります。

  • 書き出した道具の調達費の金額はいくらになりますか?

  • 手持ち資金で道具を調達した上で、お客様に納品して現金が振り込まれるまでの3〜6ヶ月の間、無収入で過ごせますか?
    あるいは、分割払いや先払いに応じてもらえますか?

  • 無収入期間の生活資金は確保出来ていますか?

個人事業として検討する必要経費の項目です。
売上を得るまでの間、自己負担が大きいことに気がつくと思います。

独立を考える前に、必要な道具のことを考えてみてください。
技術者は高額な道具が必要になる事が多いので、安易な独立は勧めません。

また、定期的なメンテナンス費用も必要になります。
その費用は、売上金に含まれていますか?

技術コンサルタントになる?!

技術コンサルタントとして都市部で開業した場合、コンサルタントに対する需要を持つ企業が多ければ、ビジネスとして成立するかもしれません。

一方で、需要がなかったり、地方都市のため企業が少ない場合もあります。

独立する前に、勤務先を自分の技術でコンサルティングしてみてはいかがでしょうか?
事前準備になりますし、今の状況が好転するかもしれません。

正直なところ、企業の技術顧問になるには難しいです。
大学や専門学校の非常勤講師の道もありますが、報酬は授業時間のみです。

知る限り、技術コンサルタントで稼げる技術者は少ないです。
正直なところ、自分もコンサルタント業務では稼げていません。

自分の独立時の話

自分の場合、個人事業として独立しました。
最初の仕事は、受注してから8ヶ月は拘束されました。

他の仕事を受注することもできず、売上はありませんでした。

拘束されていた8ヶ月間、6回の設計変更があり、設計が収束する見通しが見えない状況でした。

拘束された期間中は無収入ですので、生活費として手持ち資金(普通預金)を消費し、通帳残高は数万円になってしまいました。
通帳残高がゼロになりそうなとき、以前、勤めていた会社の上司から資料作成の依頼があり、首の皮一枚をつなげる事ができました。

その後、経営を透明化し社会への責任を明確にするため法人化しました。
個人事業主では売上自体が自分の報酬であり、事業経費と報酬額の区切りが曖昧になると感じました。

個人事業の場合、気持ち一つで事業を簡単のたたむ事ができます。
また事業の継続性や社会的責任は問われません。

その後、その上司から仕事をいただきながら3年間、事業を継続していきました。

一番、厳しかったのは4年目です。

以前の勤務先から、仕事が途絶えました。
その一方で韓国の現地企業からの仕事が入りました。

韓国の仕事は個人で請けた仕事なので、法人の売上にはなりません。

仕方がないので、韓国企業で稼いだ個人の売上金と法人から支払われる役員報酬を法人に貸していました。

その結果、法人設立から5年目の終わりには、借入金を含めた累積債務が約250万円になりました。

5年目に大きな売上があり、借入金を返済し、資本金を増資しました。

この時の体験から、創業時の資本金50万円と事業5年での累積債務額が約250万円の合計が約300万円になります。
したがって創業した事業を5年継続させるためには、創業資金として約300万円は必要だと感じました。

法人設立時の資本金については緩和され、設立しやすくなっています。
しかし長く継続するためには、資本金の額は大きい方が長く続きます。

おわりに

独立は転職とは異なります。

最近では、45歳以上の転職市場が活況を呈していると聴きます。
独立する場合でも、転職を選ぶ場合でも、ご自分の人生ですので慎重にご検討ください。


イメージ図 (記事の内容には関係ありません)

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