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好酒家は酒を飲み、愛煙家はタバコを吸い、私は書いている。

みんな何かに酔っ払ってねぇと
やってらんなかったんだな…

進撃の巨人 69話「友人」

華さんからのフォロワー達への問いかけ「なぜ、私は書くのか」に対して、たぬきちの心にまず浮かんだのは冒頭のセリフだった。

そうそう。私は酔っ払っている」思わず自分の思いつきに相槌をうつ。

酔う」という言葉には、いくつかの意味がある。

1 飲んだ酒のアルコール分が体中にまわり、正常な判断や行動がとれなくなったりする。

2 乗り物に揺られたり、人込みの熱気に当てられたりして気分が悪くなる。

3 そのことに心を奪われてうっとりする。また、自制心を失う。

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漫画作中では、「うっとりして、自制心を失う」意味とも取れる場面であり、ここは明確に1の酒に酔っている様子だとわかる様に「酔っ払って」と表現したに違いない。

さすが鬼才諫山創いさやまはじめ

たぬきちも、「書き物」をしている自分に陶酔し、うっとりしているのではない。なんなら酩酊状態と等しいかも。

キッチンドリンカーよろしく、酒を飲みながら執筆しているわけでもないが、「酔っ払っている」と言うのに、もう一つ引用を挙げたい。

お酒を飲むと気分がよくなるのは、アルコールが「理性の座」ともいわれる大脳新皮質の働きを鈍くするからです。それによって、感情や衝動、食欲、性欲などの本能的な部分を司る大脳の古い皮質(旧皮質や辺縁系)の働きが活発になり、精神が高揚し、元気も出てきます

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それこそ、キッチンドリンカーはなぜ酒を飲みながら家事をするのか。家事の辛さを酒を飲んで紛らわせているんじゃなかろうか。かく言うたぬきちも、仕事から帰って、晩ご飯を作る時、気合を入れるために飲むことがある。帰ってからがもう一試合。そんな毎日。

説明の前段として、書き物をしていない時の、たぬきちの頭の中についても話しておきたい。この理性のおしゃべりが永遠に続いている状態」について

明日のために洗濯物は今片付けよう
子どものプール開きはいつだ
去年のサンダルはまだ履けるのか
父の日のプレゼントを選ばなければ
次の歯医者の予約はいつか
家の前に湧いた虫の駆除をどうするか
次の不燃ゴミはいつだ

傍目には何も考えていない様に見えたとしても、頭の中は未来への「ねばならない」の洪水で、常に気持ちは焦っている

さて、皆さんが文章を書き出す作業では、どの様な思考の展開があるのか知りたいところだが、たぬきちの場合、まず何かに心が動くことから始まる

そして、「これはある程度のまとまった文章になるだろうか?」とエピソードを想定する。

それで、書けそうだと判断すれば、実際に書き出す作業となるわけだが、頭の中では、心が動いたシチュエーションの映像をもう一度見ている。そうして、その映像を見ながら文字に起こしていく。

そんなわけだから、この時ばかりはうるさい理性も黙りきっている。たぬきちの頭の「ねばならない」は消え去り、焦りもなくなる。

うるさい理性を黙らせてやろう」そう考えて、書き始めたのではない。これは幸運な副産物であった。そうして理性を黙らせる状態に心地よさを見出した。

「理性を鈍らせ、それによって元気になっている」酩酊状態と同じ効用を感じながら書いている。それならば、また「書こう」となるのは人間の性というもの。嗜癖と化すのに、そう時間はかからなかった。

もちろん、書いた記事に反応してもらえることで、承認欲求は満たされているし、交流できて嬉しい。あわよくば「書いて対価を得たい」という希望だって持っている。

さりとて、もの書きとして成功する予兆も前兆もなく、それこそ酔っ払いの戯言か、正常な判断力を失い、「いけそうな気がする」それだけを頼りに今日まで書き続けているというわけ。

「酔っ払いながら高揚して、書くなんて、能天気なタヌキだ」そう思う方もおられるやも。物事には、必ず良い面と悪い面があるのはご承知のこと

「書く」という嗜癖に魅入られる時間が長くなればなるほど、それは酩酊時間が長くなるということ。最近では、優秀だったはずの理性もサボりがちになり、日常も仕事でも支障が出始めるポンコツぶりなのだ

ああ悲しみの「もの書き中毒





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