見出し画像

培養士のお仕事(おおまかな)

お読みくださりありがとうございます。
今回は体外受精 高度生殖補助医療(Assisted Reproductive Technology:ART)の簡単な説明させていただきます。
私の経験に沿った内容となっているため施設によって異なる点もあると思いますがご了承ください

よろしくお願いします

培養士の仕事

採卵・精子調整
受精作業(体外受精・顕微授精

胚の培養と観察
胚移植
胚の凍結・融解

他にも仕事がありますが、これらの仕事がメインとなってきます。

採卵(Oocyte pick up) 

医師が母体の卵胞を針で穿刺して卵胞液を吸引します。
吸引された卵胞液から培養士は卵子を探す作業を行います。
回収した卵子は受精作業(媒性)するまで前培養を行います。

精液の調整

精子の調整も行います。
精子は遠心分離やスイムアップという方法で質の良い精子を回収できるような調整をします。

受精作業

受精とは精子と卵子が出会うことを言います。
培養士は体外で卵子と精子が受精できるようにします。

受精の方法は
通常の体外受精(conventional IVF:cIVF、媒精)
顕微授精(Intracytoplasmic sperm injection:ICSI)があります。
cIVFは精子と卵子を一緒に培養して受精させる方法となります。
ICSIは精子を1個選択して卵子の中に注入させる方法となります。

培養

受精した卵子を培養して成長させることです。受精した卵子が成長して分割を始めると受精卵はと呼ばれるようになります。

例になりますが採卵を行った日をDay0として
Day1 受精の確認
Day2 4細胞期胚
Day3 8細胞期胚
Day4 桑実胚
Day5 胚盤胞

初期胚(2日目〜3日目)はVeek分類やイスタンブールコンセンサスに基づいた評価基準があります。

胚盤胞培養(5日目〜7日目)はガードナー分類に基づいた分類をすることが多いです。

※評価方法や評価基準は施設によって異なることも多いです。

移植

成長した胚を体内に戻す作業です。
移植する胚は新鮮胚移植という採卵した周期に移植を行う方法
融解胚移植という凍結した卵子を融解してから移植する方法があります

凍結・融解

胚を凍結して保存する方法です。
液体窒素の中に入れて保存し理論的には半永久的に保存することが可能になります。

緩慢凍結法と呼ばれる方法と、超急速ガラス化保存法(Vtrification法)という方法があります。現在の主流は超急速ガラス化保存法(Vtrification法)となっています。

融解は凍結保存した卵子を融解して移植する方法となります。
移植を行うときに融解してから移植したりします。

最後に

読んでくださりありがとうございます。
少しでもお役に立てたら幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?