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濵田崇裕の悪人はずるい


濵田崇裕の悪人役はずるい。
舞台盗聴を見た私の感想はこれに尽きる。
濵田さんの悪役はファンからの需要が高い。これまでも少年たちで演じた看守長役はその当時ファンでなかったわたしでも知っている。
その看守長と今回の榎木田歩のどちらも人を殺した悪役である。しかし、濵田崇裕の演技を通してこのストーリーを見るとなぜか本当は悪人ではないのではないか。何か理由があってこんな行動にでているのではないか。と考えずにはいられなくなる。

濵田さんの悪人には感情がある。苦しい、辛い、しんどい、嬉しい、幸せ。特に負の感情が見えるのだ。楽しくて人を殺したわけではない。そう語りかけてきているような気がしてしまうのだ。
盗聴は監督がパンフレットで言っていた通り「悲しいかな悪人は必ずいる。」というお話である。しかしわたしには榎木田歩が悪人には全く思えずむしろ不可解な点が多すぎていい人すぎてこのラストになってしまったのではないかと思ってしまっている。以下わたしが作り上げた榎木田歩を書き連ねる。

ストーリーの事実と考察
・榎木田家族は母姉3人でとても仲が良かった。大きくなって二人を安心させたい。姉が元彼に盗聴されたものを拡散され首を吊って死に、母がノイローゼになり榎木田が看病していた。しかし仕事に行く時に車で壁にぶつかり死亡。事故が自殺かはわからない。

・彼女を殺害後、彼女の双子の姉が失踪していることを知りそれに結びつけようとした

・束縛しちゃう、盗聴しちゃうのは浮気とかを疑っているだけでなく知らないところで自殺しないように?(姉、母が死んだトラウマ)


・榎木田は人を信じてなかった

・盗聴撲滅隊の部屋に盗聴器が仕掛けられて気付いた榎木田が自分に盗聴器仕掛けられていることを気づかないわけない。

・犯人と対峙する場面。防犯カメラの動画を見てた→二人が来てたのも知ってる。

・2人に笑いながら今回の経緯を話す。

・ラストシーンの翼をくださいを歌いながら涙を流し壁に激突した

ここから考えた私のストーリーはこうだ。
榎木田はずっと死ぬこと(家族と一緒にまた3人で過ごすこと)を望んでいた。しかし榎木田には自分が自殺を止めた人と自分が救った人、どちらも自分を尊敬している人がいた。その人がいる限り自分が死んだらその人たちを悲しませる、自分の家族が自殺したときと同じ思いをさせてしまうと思っていた。
そこで彼女を殺してしまったことをきっかけにこの2人からの信用を失くす作戦がスタートした。 
榎木田は人を信じてなかったため二人のことも信じておらず二人の家にも盗聴器仕掛けてたりしたのかもしれない。2人の動向を聞きながら犯人を見つけ殺すまで計画を立てていたのだろう。
そして犯人を見つけ、犯人を殺す計画を立てた日に危険だが2人を呼ばないという優しい彼だからこそ2人を心配させる口実を突きつけ、2人が自分を盗聴をするように仕向けた。そして殺す状況を2人に聞かせて、信用を失うことができた。殺した経緯を話した時に笑っていたのも2人に「自分は悪い人だ」とすり込むためだろう。そして2人の信用を失うことに成功した。
やっと死ねる。そう思い最後に母と同じかつ、自分以外を巻き込まない自殺の方法で死んだ。榎木田は最悪な人になったが本当は信用できる最良の人だった。2人には自分のことは気にせず幸せに生きてほしいため性善説を最後に話した。榎田は本当の悲しみを知り、今も背負っているからこそ、周りの人を傷つけることを一番に嫌った。

濵田くん自身はこの役についてどう思っているのだろうか。今日の最後、挨拶で真っ先に「僕は本当はこんな人じゃありませんよ、その誤解は解きたい」と言っていた。これは彼が榎田のことを最悪な人だと思って発したのか、それとももしかしたらこの中で榎田のことを最悪な人と思ってしまった人がいるかもしれないから言ったのか、、。
個人的な考えだが後者だと思う。濵田くんは人の感情の揺れに敏感で誰かが最悪な行為をしたとしてもその動機を考える人だとわたしは思う。だからこそ自分は榎田のことを理解しているが、観客の表情や仕草を見て「僕はこんな人じゃない」と言ったのではないか。恐るべし濵田崇裕。

最後に。以上は私が舞台盗聴を見て感じた違和感から考えた私の妄想である。私がこの記事で伝えたいのは、この妄想のストーリーではなく、濵田崇裕が悪役を演じると悲しみ憎しみ愛情が直接的に伝わってくるため、彼は本当は悪くない。と思ってしまうということだ。濵田崇裕という人間が作り出す愛に溢れた榎木田歩が私は今後も大好きだ。

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