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体験記 〜摂食障害の果てに〜

0、はじめに
 
 

 二〇二三年(令和五年)二月二六日深夜、摂食障害が元で体調を崩し、救急車で運ばれた私は、身長一五八㎝、体重二六㎏でした。その後、次から次へと命に関わる病気が発生し、三月四日から七月一日まで、約四ヶ月にわたって入院する結果となりました。
 入院中、「食べておけば良かった」と、どんなに後悔してもしたりませんでした。
「もっと色々な物を普通に食べておきさえすれば、こんな苦しい目に遭うことはなかったのに。一ヶ月前に戻れるなら、絶対食べるのに。」
 反省した時には手遅れでした。どんなに喚いても後には戻れません。ただ突き進むだけ。最悪の結果に向かって。

 私は、十代後半から三十年近く、肉も魚も食べませんでした。塩分糖分も、母が心筋梗塞になり、療養食を作りだしてから、ほとんど摂らずにいました。私の食事は、野菜の内キャベツや白菜、ワカメ、カボチャにニンジンが九割を占めていました。タンパク質は、卵三個に豆腐一丁、納豆一パック、そして牛乳六〇〇㏄でした。間食はほとんどせず、ヨーグルトやきなこ、昆布などをわずか口にする程度でした。

 家族には療養食を作り、バランスの良い食事を作る努力をしましたが、自分に対しては別でした。何もかも足りない食事なのに、十分足りている、と思い込んでいました。
 白米やパンを食べず、油を使った料理も食べません。決まった食べ物だけなので、その他の食べ物に含まれる必要なビタミン、ミネラルを摂取していませんでした。人間は、ビタミン、ミネラル類を食べ物から摂取しなくては生きられません。私の体の栄養バランスは、滅茶苦茶に崩れ、とうとう死に至る病となって表出したのでした。


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