見出し画像

グランプリファイナル2023に思うこと(追記あり)

またもやフィギュアスケートの話題です。

グランプリシリーズ6戦の試合を一人2戦ずつ闘い、各カテゴリ―の上位6人(カップル競技は6組)が出場する試合、グランプリファイナルが今月7日から10日まで行われました。

出場選手の皆さん、お疲れさまでした。
そしてメダリストの皆さん、おめでとうございます!
現地の観客の皆さん、どの選手にも温かな応援で、素敵でした。

(特筆しておきたいのは男子シングルのケヴィン・エイモズ選手。ジャンプの失敗が相次いでしまいましたが、最後のコレオシークエンスは渾身の舞でした。客席から送られたエールに、大いに力づけられたことと思います)

女子シングルの坂本花織選手と、アイスダンスのマディソン・チョック、エヴァン・ベイツ組は、どちらも実績十分なので今回が初優勝というのは意外です。それぞれ大人の魅力あふれる、素敵な演技でした。
ペアは、ほかのカテゴリーに比べて、ロシア不在の影響が大きいような…。日本の誇る「りくりゅう」もいませんし、中国も以前の強さが失われているとあって、正直、シリーズを通して物足りない感じがしました。

そして男子シングル。
演技内容からいって、素人目にも、順位は至極妥当だったように思います。

<以下追記>
 マリニン選手のジャンプ技術は凄くて、呆気に取られてしまいます。表現やスケーティングがその分お留守になってしまった感は正直拭えませんが、昨年よりも随分進歩していて、今後無双しそうですね。
 宇野選手は、技術と芸術性が高次元で融合した、極上の美しい「作品」、フィギュアスケートの醍醐味を味わえる演技を披露してくれました。
 鍵山選手は、まさにお手本と言えそうなオールラウンダー。4回転が一本になってもあの点数を出せるのは完成度の高さ故でしょう。
 三浦選手は体調不良を押してのフリー出場でしたが、ど根性を発揮。
 シャオ・イム・ファ選手は、抜群の身体能力と共に、大崩れしない強さを今シーズン身に着けたようです。
 エイモズ選手のボレロは、ジャンプが……でも見応え十分。名プログラムの一つとして長く語り継がれるにふさわしいと、改めて感じました。
<追記終わり>

順位は妥当とはいえ、NHK杯に続き、採点にはいろいろとモヤモヤが…。

まず第一に、一つの試合の中の、一つのカテゴリーの中でさえ、回転不足の判定基準がブレていたこと
第二に、技術点においてジャンプ偏重が顕著で、一方、ステップやスピンは点数配分が低いわりにレベル判定の縛りはきつく、昔に比べてスケーターの個性や長所、技の美しさを点数に反映しにくくなっていること
第三に、演技構成点(PCS)が、一定レベル以上の選手になると、もともと満点に近いためにさらに努力を重ねて進歩しても非常に僅差になり、見た目の違いが表れにくくなっていること

言葉にしてみて、少しすっきりしました。

6点満点の時代から、現在の、技術点は言わば天井知らずの積算方式、演技構成点は各項目10点満点に係数をかける評価方式となり、一見、緻密っぽく見せかけながら、実際はGOE(出来栄え点)の加点減点、回転不足やエッジエラーの判定、演技構成点の付け方、何れも事実上ジャッジの匙加減一つであり、恣意的な運用が実際に長年まかり通っています。

かといって、体操競技のように機械判定を取り入れることは、リンクを縦横無尽に滑り、技を行う場所も角度も様々という競技の性質上、かなり難しいのではと思います。

恣意的なルール運用は、先ず何より選手のやる気をそぎますし、観客離れも引き起こし、競技の魅力を大いに損なってしまいます。

ステップやスピンの配点を上げること等、ISU(国際スケート連盟)内でも採点システムの改善は課題になっているようです。
フィギュアスケートという、ある意味特殊なアーティスティック・スポーツの魅力が存分に発揮される競技システムであってほしいものです。


次に控えるのは、クリスマスの全日本選手権。
グランプリファイナル出場選手には過酷なスケジュールが心配ですが…。
何はともあれ、推しを全力応援!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?