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白い萩と月の光
鎌倉幕府の三代将軍、源実朝。
昨年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で、必ずしも北条氏の傀儡ではなく、和歌や上方の風流を深く愛しつつ、政(まつりごと)においても自分の道を切り開こうとした人物像が注目されましたね。
先日図書館で借りた本で、彼のこんな歌を知ったので、ご紹介しましょう。
萩の花 暮れぐれまでもありつるが 月出でて見るに なきがはかなさ
夕暮時までは咲いていた萩の花が、夜には月の光にまぎれてか目に映らなくなってしまったその儚さを詠った、実朝のとても繊細な感性が窺われる一首です。
おそらく白い萩が、散ったわけではないけれど、月光に照らされて花が目に見えなくなっているのでしょう。
「あるかなきかの心地する」(『蜻蛉日記』より)状態にも通じますね。
実朝の生い立ちや心境に思いを馳せてしまいました。
近所で撮った、こちらは赤紫の萩です。
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