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岩波ホールさん、ありがとう!

 今月末で閉館する岩波ホールに、お別れを告げに行ってきました。

岩波ホール入り口の掲示板

 上映されていたのは「歩いて見た世界 ブルース・チャトウィンの足跡」です。伝説の紀行作家ブルース・チャトウィンが、神話の世界やアボリジニの伝統、ノマディズムに惹かれ、人間存在の謎を探求し続けた旅の跡を、彼と親交のあった巨匠ヴェルナー・ヘルツォークが改めて辿る作品。チャトウィンの肉声や関係者のインタビューを交え、監督自身のナレーションによって紡ぎあげたドキュメンタリーです。
 お二人のお名前も知らず、先史時代や民俗学などへの関心も深くない私には、正直、とっつきにくい映画でしたが、チャトウィンが使い込んだリュックの迫力、存在感には、何だか心打たれました。それと
「世界は、徒歩で旅する人にその姿を見せるのだ」
という、この映画を象徴する言葉は、印象に残りました。

 そんなわけで、映画自体としては、正直さほど感銘を受けるには至らなかったのですが、映画本編の上映前に流れた、閉館する岩波ホールからの「ご挨拶」映像がとても良かったです。
 世界の埋もれた名作映画の発掘上映を行ってきた、ミニシアターの草分け的存在である岩波ホール。特に映画マニアではない私も、1990年代を中心に何度か訪れているので、これまでに同ホールで上映してきた映画のチラシがロビーにずらりと掲示されているのを眺めながら、感慨に浸りました。
 「芙蓉鎮」、「コルチャック先生」、「かぼちゃ大王」、「眠る男」…どの作品も、私の中で確実に栄養になっています。
 2019年上映の「ニューヨーク公共図書館 」は、岩波ホールが連日超満員だったので、近場の映画館に来るのを待って観た思い出が。

 多少地味でも滋味深い(!)、素敵な映画の数々を届けてくれた岩波ホールに、あらためて感謝を<(_ _)>

 映画の鑑賞後には、神保町名物!? 雰囲気のある老舗喫茶へ。
 今回訪れたのはラドリオ。入口の看板も風情があって素敵です。ブランデーを含ませた生クリームがたっぷりのコーヒーゼリーを注文。アルコールに弱い私ですが、スイーツに使われるのは大丈夫。とても美味しくいただきました(^^)/

ラドリオ店頭にて



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