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日光で楽しむ「和洋折衷の粋」 前編
先月、家族3人で日光を旅してきました。
「卒業旅行」になるでしょう(高齢の母にとって、少しずつ遠出のハードルが高くなってきたため)。
日本のリゾートホテルの草分けであり、またクラシックホテルとして名高い「金谷ホテル」に宿泊すること
中禅寺湖畔のイタリア大使館別荘と英国大使館別荘に行くこと
石造りの「日光真光教会」を拝観すること
旅の主目的はこの3つ。
かの有名な東照宮は、申し訳ないながら「ついで」感覚で、和洋折衷の粋が随所に見られるスポットを中心に楽しんできました。
一泊二日の旅を時系列で振り返ってみます。
前編は一日目。
浅草と日光を結ぶ東武鉄道の新型特急「スペーシアX」。2023年7月にデビューしたばかりの、東武ご自慢のフラッグシップ特急です。
公式サイトの謳い文句を引用しましょう。
歴史の中で磨かれてきたデザイン要素を今の時代にも映えるように設計した
エクステリア&インテリアで非日常の空間を演出
「X」の着想
車両エクステリアデザインにモチーフとして取り入れた鹿沼組子の象徴的な「X」模様。
新型車両による旅体験(Experience)を表す「X」。
新型車両がお客様に提供する様々な価値を表す「X」。
Excellent, Extra, Exciting, Extreme, Exceed・・・
新型車両が、文化や人々が交わり(cross = 「X」)縁をつくる存在であること。
新型車両が、未知なる(X)可能性を秘めた存在であること。
この「スペーシアX」先頭車両の「コックピットラウンジ」に北千住駅から乗りこんで、旅がスタート。
鹿沼組子の特徴を取り入れた「X」デザインのお洒落なこと!
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左下が帰りに乗ったプレミアムシート
1時間半余りの快適な乗車時間が、併設のカフェのジェラートやドリンクをお供に流れていきます。
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商品を入れてくれた袋のロゴも素敵!
昼前に東武日光駅到着。駅前の小さな喫茶店「カフェ・フルール」で軽めのランチをいただきます。
熱々で具沢山のボルシチとトーストのセットに珈琲。それに1つだけ名物のチーズケーキを注文して、3人で少しずつ味わいました。このお店のものは日光のチーズケーキが現在のように有名になる前から、地元で知られた存在だったそう。酸味控えめのタイプでクリーミーな、珈琲に合うチーズケーキでした♪
お腹が満たされたところでタクシーに乗り、いろは坂を登って中禅寺湖畔の「大使館別荘記念公園」へ向かいます。
明治半ばから昭和初期頃、中禅寺湖畔には各国大使館をはじめ多くの外国人別荘が建てられ、国際避暑地として賑わっていたといいます。かつて大使館の別荘だった二つの建物が復元され、現在は「日光自然博物館」の一部として公開されています。
タクシーの運転手さんが駐車場所からのルートを親切に案内してくださり、イタリアとイギリス両国の大使館別荘の外観と内装、展示物、湖の眺めを、時間をたっぷり費やして満喫しました。
雲が多いながらも、薄日も差すなど空が明るく、風が気持ちいい快適な気候でしたし、来館者が少ないタイミングだったのもあり、随所にあるソファに座って、ゆったりとした空間を静かに楽しめました。
先に訪れたのがイタリア大使館別荘。
1928年に建てられ、1997年まで歴代の大使が使用していたそうです。床板や建具・家具などをできる限り再利用して復元しており、私や母は、後に見た英国大使館別荘よりも、こちらの方が断然、当時の雰囲気を伝えていて好きだと思いました。
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本邸は、著名な建築家であるアントニン・レーモンドの設計により建設されたもので、主に大使とその家族が使用したと言われています。
1階は、共に暖炉を持つ食堂と書斎が中央の居間を挟んだワンルームとなっており、開放感あふれた広縁につながっています。
2階は湖に面して寝室が並び、湖の景観を最大限に生かした設計となっています。
また、パターンを変えながら杉皮張りで仕上げられた内外装も大きな特徴です。
豊かな自然環境の中で自然に調和し、ゆったりとした時間を過ごした避暑生活を彷彿とさせる国際避暑地のシンボルです。
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奥に見えている暖炉の石組が外に出っ張っています
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遊覧船の乗り場がありますが
温暖化の影響で雪解け水が少なく水深が足りないそうで
ここには停まらない運航が続いています
次に英国大使館別荘へ。こちらは、英国の外交官で奥日光をこよなく愛したアーネスト・サトウの別荘として1896年に建てられ、後に英国の大使館別荘として使われてきた姿を復元した建物です。ちなみに、サトウは日系人かと思いきや、スラブ民族にある珍しい苗字なのだとか。
真っ黒な外観に白い手摺がモダンで、内装も含め、かなり新しい建物という印象。イタリア大使館別荘に比べると、明治期の別荘の復元としては、正直リニューアルし過ぎの感がありました。
内部は、アーネスト・サトウの生涯や、奥日光の国際避暑地としての歴史、ヴィクトリア朝時代の英国文化を紹介する、なかなか興味を惹かれる博物館になっていました。
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湖水地方の石塀を彷彿とさせます
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見学の途中、併設されているティールームで一休み。
アフタヌーンティーセットを3人でシェア。ティールームのインテリアも、ティーセットも英国らしくて可愛かったです。入り口近くの家具の上には、さりげなく故エリザベス女王のお写真が!
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中禅寺湖畔の別荘記念公園を約2時間かけて楽しんだ後は、タクシーで今宵のお宿へ。
憧れのクラシックホテル、「日光金谷ホテル」です!
チェックイン後、ディナーの前に、宿泊者を対象に行われる館内案内ツアーに参加しました。約50分、創業150年を迎えたホテルの歴史や、食堂・バンケットルーム等の部屋の構造、内装など詳しく説明があり、大いに関心をそそられ面白かったです。ツアー終了後に改めてルートを順に辿り、写真を撮りました。
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扉の向こうに、奏楽天女の額が見えます
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フロント裏の階段横の大谷石を使った石組みがかっこよかったのでパチリ
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廊下の照明までもが美しい
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大きなキーホルダー
ホテル玄関を出たロータリーの向こう側には、ホテルにまつわる史料を紹介する「展示室『金谷の時間』」があり、好奇心旺盛な我々家族3人はここも見学。ほかに誰もいなくて、勿体ないなあと思いました。
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この法被が何となく気に入りました
玄関を入ってすぐにある「ギフトショップ」では、金谷ホテルオリジナルの商品や、デパートの催事でよく販売されている金谷ホテルベーカリー商品を中心に、見ているだけでも楽しいラインナップです。
その中で特に目を惹かれて買ってしまったのがこちら。
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缶入りのチョコレート
そう、日光東照宮の三猿をもじったデザインの缶なのです。
ウィットに富んでますよね!
お待ちかねのディナーは、ホテル自慢の重厚なメインダイニングルームでのフレンチ。
メイン1品のライトディナーを選択しましたが、これが大正解。
滑らかな人参ムースのアミューズに、シーフードが主体のさわやかな前菜、甘く風味豊かなコーンスープ、旨味たっぷり「とちぎ霧降高原牛」グリエ、最後にイチゴムースほかのデザート盛り合わせと珈琲。
一皿一皿、目にも口にも美味しく頂けて、食後は心地いい満足感。徒に奇をてらわず、質量ともに文句なしの正統派「ホテル・フレンチ」でした。
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…というわけで、前編は終わり。後編、二日目の旅に続きます。
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