映画『水平線』と「あいまいな日本の私」
ピエール瀧主演の映画『水平線』を観ました。小さな映画館の殊の外小さなスクリーンながら、ぎっしり満席。希望の光も感じさせつつ、深く重い何かを観客に投げかける作品です。
感想を文字にしてみて、いつもの「です・ます」体だと違和感があるので、「である」体にしました。
以下、ネタばれあり、です。
<あらすじ>
主人公の井口真吾は、福島県の港町で娘の奈生と2人暮らし。妻のゆかりは東日本大震災で津波にさらわれ、遺体は見つかっていない。ゆかりの死が目に見える形で確定していないが故に、「喪失