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「真夏のアイスホッケー部」1話

◻️あらすじ
人気のない高校アイスホッケー部。廃部の危機に諦めず試行錯誤してなんとか活動を続ける2人。さすがに同じ練習に飽きてきた頃、2人でアイスホッケーを楽しむ発想から好転する。日本人が好きで得意なスポーツになったからだ。それぞれ個性豊かな男女が集まりチームスポーツで全国に挑む物語。アイスホッケー界の問題を実現可能な案で解決していきます。温暖地域や女子で人数不足問題でアイスホッケーを諦める人達にとって参考になればと希望を与える内容です。アイスホッケーの普及強化の一助になるよう公益性を想い描きました。

登場人物
○鳥野涼平(とりのりょうへい)2年生、自宅にアイスホッケー施設がある程のアイスホッケー好き。勘が鋭くリーダー的存在。
○塩湖勇(しおみいさむ)2年生、身体能力が高く熱血。正義感の塊で困ってる人がいたら助ける。ムードメーカー。
○板桑大助(いたくわだいすけ)2年生、冷静沈着のアイデアマン。難題解決に快楽し逆境を楽しむ変わり者。
○永野愛(ながのあい)1年生、好きな事に熱中するオタク気質。心配性で妹思い。
○永野舞(ながのまい)1年生、姉同様オタク気質。楽天的でゾーンに入ると止まらない天才肌。
○曽知守(そちまもる)2年生、努力家真面目。無感情なロボット。

「アイスホッケーシングルス」1話

ー北武高校ー春
鳥野・塩湖・板桑「アイスホッケー部に入りませんかぁー?」
みんな興味なく通りすぎる。
3年生がいなくなり2年生は0で、アイスホッケー部は新2年生の3人になった。
鳥野「アイスホッケーの売り"氷上の格闘技"が敬遠されるんだよなぁ」
板桑「逆境を楽しもうよ。ピンチはチャンス♪」
塩湖「困ってる?オレが助ける!」
鳥野(だからこの2人は入部したのか?)
板桑の提案で部室を掃除する。
板桑「やっぱ運気をあげなきゃ来るものも来ないよ」
鳥野(どうせやること無く暇だし)
鳥野「最近、塩湖は部室に来ないな。何してんだアイツ」
板桑「どっか走ってんじゃね?」
3人は校長室に呼ばれた。

<校長室>
校長「アイスホッケーは何人でやるのかね?」
塩湖「6人です!」
校長「3人じゃ試合出来ないじゃないか。このままなら廃部にします」
3人は静かに校長室を出た。
鳥野「厳しいな」
塩湖「悪ぃ、オレ野球部に誘われてるんだ。部員足りなくて助けてほしいって。大会に出られるしゲームしたいから」
板桑「マジかよ、、塩湖の身体能力は凄いし仕方ないか」
少子化で野球部でも部員不足だった。
アイスホッケー部は2人になった。
鳥野「どうするか」
板桑「学校に活動してるアピールしないと本当に廃部だよ、、」
鳥野「オレん家にある人工氷を校内に置いてもらおう!」
校内の片隅に設置してもらい通年活動出来るようになった。2人はシュート練習をやったがいまいち活気が無い。

帰宅し鳥野は「疲れたぁ」とソファに座る。
「野球やサッカー漫画ばかり、最近はバスケやバレー、、アイスホッケーもあれ!」イライラしテレビをつけた。
チャンネルを変えて高校野球で止めた。塩湖の事があったからだ。スタンドで応援する沢山の部員が映っていた。
「アイスホッケーならすぐレギュラーで活躍出来るよ」ボソッ

アイスホッケー部は相変わらず2人でシュート練習。辛い。
鳥野「さすがに飽きるな」
板桑「2人で出来るゲームにしよう!」
鳥野は提案には否定しない。
板桑「エアホッケーみたいにすれば競えて楽しく、おまけに技術力が上がるよ」
さっそく大型スポーツ店へ行く。
費用は部費のリンク使用料から削った。
鳥野「6メートル位のネットがいいかな?あと支える棒を2本も必要だな」
板桑「ゴールの幅は3メートルいや4メートル?パックのスピードからリンクの大きさはぶつぶつ、、」設計図を見ながら
板桑「3メートルだと狭いかな4メートル3メートル間の3.5メートルか?やっぱ3メートルいやいや4メートルいやいや広いかな3メートル4メートル、、いや2メートル」
鳥野「これにしよう!」
板桑「!?」
鳥野「丁度いいのがあった。いろいろ考えてもしょうがない。勘だよ勘」
ゴールはサッカーコーナーにあった練習用の丁度いいヤツを見つけた。フェンスは後日ホームセンターで板を購入し倒れないよう工作した。4つのコーナーを丸いカーブの型に合わせベニア板を重ね固定して変形させた。熱い中2人は汗だくで作業した。水を飲む2人「くー!」いい気分転換にもなっていた。
2人はセンターラインにネットを張り、両サイドにゴール、周りをフェンスで囲った。
試しにゲームをしてみる。
パックはネット下を通しゴールを狙う単純なルールだ。2人ともゴール前から離れず打ち合う。ネットに引っ掛からないようにショットを打つ。
ネット下の高さを調整する。なんか違う。
鳥野「前に出て強いショットを打たなきゃ意味無いよ」
板桑「自陣前方にアタッキングゾーンのルールを作ろう!そうすればゴール前から自然と離れるし」一度に二つ解決した。
自陣前方にアタッキングゾーンを作った事で前後のスケーティング技術や、ブレーキも必要になった。
板桑「ショット、ゴーリー、1人三役のスポーツだね」
鳥野「夏のトレーニングには最高だよ」
板桑「ネット下の高さやゴールサイズも丁度良かったね」
低く力強いショットが打てる。
練習に笑い声が生まれた。
板桑「ちょっと休もう」
鳥野「きついな」と笑み。
2人「よし、やるか」
バン、、、コン、バン
鳥野「板桑ずるいぞ!休んでないで早くショットを打てよ」
板桑(バレたか)
鳥野「ショットクロック15秒な!」
板桑(マジで?きつい)
バンバンコンコン、バンコンコン
軽快に響く。
スピーディーな展開になった。
板桑「ちょっと休憩!もう駄目、水ー」
鳥野「水ウメー!最高」

「すみません、私達もやってもいいですか?」
後ろから話しかけられた。
「女子でも入部出来ますか?」
鳥野(キター)
永野愛(1年生)と永野舞(1年生)の双子だ。
スティックすら初めて持つらしい。握りかたから打ち方を教えた。
鳥野「一番力が伝わる最適のパックの位置はここ」
経験がない分、スポンジのように素直に吸収していった。姉妹で楽しくショットを打ちあう。
鳥野「まぁ、最初はネットに引っ掛かったりイライラすると思うけど、、」
徐々にリズミカルに止まる気配はない。
鳥野「シューズ買いに行くか」
姉妹のダッシュ&ストップ、バックステップのスケーティングの技術力は日々上手くなった。
鳥野ウズウズ
板桑「ダブルスしよう」
4人でも楽しめるようにダブルスのショットは交互に打つ事にした。
4人で効率よく練習した。

板桑「あの2人まだやってるよ」
鳥野「ヤバイなあいつら。やっぱ接触しないから安全で楽しいんだよ」

板桑「あれ?塩湖!」
塩湖「やぁ、一回戦コールド負け。で、曽知が助っ人のお礼に助っ人してくれるって」
曽知「曽知守キャッチャーよろしくお願いします」
6人になり大会にエントリーした。
塩湖が加わり活気が増した。
6人はかなりハードで濃密な練習になってることに気づいていなかった。
塩湖の熱いプレーは相変わらずだ。体で止める勇気。鳥野(スケートは下手だが最後はあいつに頼る事になるかな。ファウルや挑発に乗るのが心配だが)
鳥野はみんなの特性を見ていた。
鳥野「曽知は反射神経抜群だな。ひょんな繋がりで隠れた才能が発掘されるんだよなぁ」
曽知(絶対後ろに逸らさない)曽知からゴールを誰も奪えなかった。ロボットのように無駄の無い素早い動きでブロックしてからダッシュしてショット!はネットにかける。曽知は失敗しても無表情。
鳥野「ショットは打てないか、でも必要ない。点を取られなければ負けない」

鳥野は抽選会にいた。
「やあ、鳥野」
鳥野「西信のまさひら」
昌平「今年も東山だろうからおまえ達とやりたいよ」

二つ勝てば全国だ。
第一試合
北武高校(ほくぶ)ー東山高校(とうさん)
第二試合
西信高校(さいしん)ー南陸高校(なんりく)
に決まった。
鳥野(全国常連の東山のひらちか!)
平近(東山主将)「大会に出るんだ?6人で。最後まで楽しませてくれよな」
昌平「よお鳥野、終わったな」
鳥野「決勝で会おう!」

鳥野「おっさんいるか?試合きまったよ!みんなのユニフォームできた?」
スポーツ店のおやっさん「お前ら本気だったのか?ワッハッハ。出来てるよ。無茶苦茶な挑戦が面白い!気に入った!」
スクールカラーの黒茶色にローマ字でHOKUBUとシンプルにかかれたユニフォームだ。防具もおやっさんのサービス。
鳥野「ありがとうございます!」
鳥野(支えてくれる人がいる。勝って恩返しだ)

荷物持ったか?忘れ物ないな?マイクロバスに乗り込む。当然学校からの見送りはなく静かに出発した。

対東山戦
<ロッカールーム>
(ゴーリーは曽知、ディフェンダーは冷静な戦略家板桑と体を張る熱いプレーの塩湖。真ん中にオレ。オフェンスは波に乗ると手がつけられない永野姉妹だな)ぶつぶつ、、
メンバーを書き終え、
板桑「ある程度の距離からショットは打たせていいから体力温存して守りからカウンター一発。タイミングは鳥野の合図だ」
笑みを浮かべながら楽しそうに喋る
鳥野(こいつやベーな)
みんな「えいえいおー!」

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