半導体製造装置アプライドマテリアルズの決算

日経 半導体装置に逆風 AMAT、対中規制で25億ドル減収も
AMAT IRサイト 

アメリカの半導体製造装置メーカーであるアプライドマテリアルズの2022年10月決算は、収益が+12%の258億ドル、営業利益が+7%の79億ドル、EPSは+13%の7.7ドルで着地した。年後半は失速したものの、強い需要で収益が拡大した。しかし、物流の混乱などによりコスト構造が悪化した。

逆風となっているのは在庫循環や景気後退だけではない。米国の対中半導体輸出規制により、中国にウェーハの研磨装置やエッチング装置を輸出する同社も影響を受ける。中国向けは売上構成の2割を占めており、最大で10%の売上減少につながると見込まれる。
米中の半導体をめぐるトラブルに関して、直近ではiPhoneのメモリに使用している中国YMTCの半導体に対して米国当局が懸念を表明し、アップルはその使用を取りやめた。

中国の半導体自給率は年々向上している (出所 WSJ)

一方で3D DRAMや5nmのロジックなど、メモリ・ロジックともに最先端の半導体製造装置の需要は強い。最先端半導体が使用される分野も、スマホ、データセンタ、自動運転など幅広い領域となる。同社は製造装置の販売だけでなく、その稼働保証も提供しているため、一度入った機器から継続的な収益を得るビジネスモデルを構築している。米中衝突の影響はあるが、需要そのものの長期的な展望は依然として堅固であろう。

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