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蝸牛

 憂鬱を纏った雨がしとしと降る或梅雨の日。少年が目をキラキラと輝かせながら母親の方に向かって走っていった。「ねぇ、かあさん!ぼく、すごく珍しい蝸牛を見つけたんだよ!」と大はしゃぎする少年の掌の上には蛞蝓が蠢いていた。

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