タイム・トラベラー~短編小説~
私には時間がない…。 なのに恐ろしいほど執拗に時間は私を一刻の猶予も許さずにいよいよ迫ってきた。もうどうにでもなってしまえっ!なるようにしかならないさっ!私は早々と諦めをつけて発狂し、雄叫びをあげながら砂浜を全力疾走しはじめた。額から汗がきらりと流星の如く美しく滴り落ち、少女はさらに海の中へと飛び込んだ。あたりまえだがその瞬間ものすごい水しぶきが私のカラダ全体とぶつかり合い、融合したかのように脳を錯覚させた。冷たい…痛い…しょっぱい…!!五感で感じ、私は生きているんだと感じて