B-1:投資対象の金融商品とその価値を考えよう

そもそも投資には時間がかかるもの

今回、資産形成・資産運用を実現するための「投資活動」について考えたいと思います。
『投資とは、将来価値を生み出すことを見込んで、先行してコスト(時間やお金)を支払う行為』です。その目的は、『自分の人生を豊かにする』ためと思います。
豊かさは、人それぞれだと思います。一番わかりやすいのは経済的豊かさ(お金)ですが、自分の健康、家族や友人などとの人間関係なども重要な要素ですね。

この「投資活動」ですが、日常生活で当たり前のように行われています。
・自分:本を読む、資格を取る、運動など
・家族:子供への習い事、受験など
これが第3者に対して行われると投資という言葉が馴染んでくると思います。例えば、企業への応援⇒株式購入、クラウドファンディングなど

投資の特徴としては、
・リターンを得るためには時間がかかる
・投資したものは、累積される

自己啓発による知識や経験は、徐々に蓄積される事で、将来の稼ぐ力を生み出します。
金融商品への運用は、複利の力(利益の再投資)で、将来の資産形成を生み出します。

次は、この投資対象となる「金融商品の特徴」について見ていきます。

金融商品の特徴をざっくり大別してみる

1.期間保有による収益
このタイプは、「銀行預金の利息、債券満期時の利息、ソーシャルレンディングの配当金、株式の配当金など」が代表的な金融商品となります。
予め決められた期間内で金融商品を保持することで、利益を得られる仕組みですね。「利回り」と表現されますが、事前にリターンが提示されている事が特徴です。
これらの金融商品は、リターンの条件(保有・契約期間、担保有無、元本保証の有無など)が提示されるので「リターンとリスクの評価」がしやすいです。

1-1.元本保証の有無
購入した金融商品の元本(投資金額)が減るかどうかです。減らない事を保証されることは、ほぼリスクがないので当然見返りであるリータンも小さくなります。
・元本保証あり⇒利回り低い(銀行、債券など)
・元本保証なし⇒利回り高い(株式、ソーシャルレンディングなど)
※ここでいう株式は、配当利回り

1-2.利回りの確定
契約時に利回りが確定されているかどうかです。利回りが確定されている事は、企業は事業収益が出なくても投資者へのリターンが必要となります。その結果、利回りは低く設定されます。
・利回り固定⇒低い(銀行、債券など)
・利回り変動⇒高い(株式、ソーシャルレンディングなど)

上記が一般的な考え方(常識)です。
ですから、「元本保証あり、高利回り固定」という金融商品があったら、良く確認した方が良いですね。
気を付けなくてはならないのは、ソーシャルレンディングなどの新興金融商品です。過去多数事件となっており、ネットで調べると色々分かります。
例えば、ソーシャルレンディングのファンドには、事業計画や担保情報が明記されていますが、
・事業活動に集められたファンド資金が、他に流用される
・担保の資産価値が高く設定されている
企業側に悪意があれば、いくら注意しても投資者は騙される可能性があります。世の中に犯罪がなくならない事と一緒です。
ですから、新興金融商品などは投資家を保全する仕組みが整っていない事もあるので、分散投資(複数のファンド、期間、投資金額)が推奨されます。

2.売却益による収益(キャピタルゲイン)
このタイプは、「株式の売却、不動産の売却、FXでの取引など」が代表的な金融商品となります。
キャピタルゲインと言われ、購入した商品の売却により利益を得られる仕組みです。今後、その商品が「値上がりするぞ!」と予測する事が必要となります。
将来値上りするとは、その「商品価値が上がる」ことを意味します。なぜなら、私たちは商品を購入する際、「費用に見合った価値(物やサービス)が得られるかどうか」で判断しますので。
 ・株式⇒企業価値≒その企業ビジネスモデル(提供する商品、サービス)
 ・不動産⇒土地の価値
 ・FX⇒通貨の価値
この商品価値は、金額(お金)という基準で評価されますが、その妥当性を評価する事はその商品知識がないと、なかなか難しいですね。
ここでは、『商品価値に影響を与える要因、その要因が商品価格にどう影響するか』について考えたいと思います。

なぜ、商品価値は上がるのか?

「なぜ、商品価値は上がるのか?」自分なりに整理しました。
<影響与える要因>
①内部要因
商品そのものの価値が向上する考え方です。
・機能/サービスの拡充
・品質の向上(壊れづらい、不具合が少ないなど)
・コストダウン(商品価格を下げる事で、相対的に価値を上げる)
これらは実体がある(商品の利用、サービスの享受)ので、経験上 商品価値を判断しやすいと思います。
例えば、Amazonでは「家に居ながら、簡単に商品を購入/配達してくれるサービス」を安価に提供しています。とても便利ですね。その事業価値は高いので、企業株価も高い評価へ繋がっています。

内部要因の場合、「商品そのものの価値」は急激に向上する訳ではなく、企業の継続的な経営努力によるものです。そのため、企業価値(企業株価)は徐々に上昇していく事が一般的かと思います。

②外部要因 
商品そのものの価値は変わらず、外部環境が変化する事で相対的に商品価値が向上する考え方です。
・商品の希少性
これは、骨董品や美術品、ビンテージなど需要に対して供給できる商品が極端に少ないものです。模倣できず、長い年月を通じて商品として生き続けているものです。
これらは実体がありますが、鑑定士や鑑定書があるように専門的な知識や専門家の支援が必要となるような商品対象が多いです。

・商品の需要過多
新技術の台頭や自然環境(災害・疫病)の変化など、急速に需要が多く見込まれるものです。
例えば、新技術である暗号資産(仮想通貨)は、商品を売買するための仲介ツールでしかありません。しかし、将来的に仮想通貨はグローバルレベルでの利用増が見込まれるため、その価値が急激に上昇してきました。
また、新型コロナウィルス発生当初はマスク需要に対して、供給が間に合わず転売などが横行し価格が通常の数倍になりました。
このように商品そのものの価値は変わらず、需要が大きく伸びる事が予想されると、商品価格は急激に高騰する事があります。

外部要因の場合、専門的な情報(仮想通貨、メタバースなどの新技術)や情報鮮度(他人より早く情報を知る)が重要となります。また、商品価格が短期的に乱高下しやすい事も特徴かと思います。

<さいごに>

資産形成・資産運用をする上で、投資対象となる金融資産は『何を源泉として商品価値を向上させる仕組みなのか』を意識する事が重要かと考えます。
投資対象への「情報取得のアプローチ」や「価格の変動要素」などを理解することで、より自分に合った投資活動が行えると思います。

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