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【詩】人間の完成

線路の脇で遮断機が降りた。
  無音のまま、
  空は青く暗く、
  呼吸を繰り返しながら徐々に光を失っていく
電車の通過を待つマネキンは
  その目は人明かりのない住宅街に熱心に注がれていて、
点滅する赤い光の中で膨張していた。
矢印の指す方向に
こわばった首を折って眺めていると
光の矢が一瞬私たちを逆方向に貫き、
その日私たちの命は完成した。

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