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北京留学日記 其の五

座学では、養生功についてと中医学の基本の基本を学んだ。
養生功は胡先生の講義で、中医学は別の先生だった。
その先生は医学部卒業の方で、いつも授業は「僕はこんなところで留学生相手の講義なんかしたくなかった。医学部できちんとした講義がしたかった云々…」という愚痴から始まるのだった。年季奉公だから仕方ない。
かと言って、講義は手抜きなわけではなく、経絡やツボについては人体模型も使うが、自分の身体で示して熱心に教えて下さった。各名称の覚え方なども伝授して下さった。経絡の流れもその覚え方で試験前には必死で覚えたが、試験が終わったら忘れてしまった。(笑)

語学クラスの方は、私ともう一人隠岐の島から来たという女の子と時々他の国の幽霊学生が加わるが、基本的には二人だけだった。
彼女はおじさんが香港で仕事をしているので、それを手伝うために中国語を勉強していた。なぜこの学校かと言うと、弟さんが散打(中国武術の一種で格闘技)を中学を出てすぐに学びに来ていたので、ここにしたそうだ。
先生は東北地方の出身で色が白くてお肌のきれいな女性の先生だった。日焼け止めとか塗らないのになぜあの白さをキープできるのか不思議だった。
造句(作文)の授業ではいつも「あなたの文章は簡潔で分かりやすいけど、文章を作る勉強なのだから、もっと長い文章を書きなさい。」と言われた。

HSK(漢語水平考試)も受けた。会場は語言大学だったが、音響設備が悪くてリスニングの試験では苦労した。試験をバナナやパンを片手に食べながら受けている人が何人かいて、ものすごいカルチャーショックだった。



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