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短時間の勉強で成績を上げる方法

こんにちはSt.Mと申します。僕は塾に通ったこともなければ、Z会などの添削も受けたこともないままに、京都大学に現役合格しました。ちょっと自慢げに聞こえますが、精神的に病んでドロップアウトからの再チャレンジ中なので、学歴に見合うほどの能力はありません(笑)。ただ、学問は身を助けるというか、学力があったからこそ再チャレンジができたな~と実感しています。この記事からシリーズで、僕が無意識的に実践していた短時間の勉強で成績を上げる方法について書いていきたいと思います。

宿題をやってただけで気がついたら偏差値90に

 僕の生まれ育った家庭は4人兄弟だったこともあって決して家計に余裕があった訳ではなく、塾はおろか習い事すらしたことがありませんでした。学生時代は部活とゲームばっかりで、宿題以外は何もせずだったので、ずっと自分のことをバカだと思っていました。いや、中学時代の定期考査の成績は学年で250人中20位くらいではあったのですが、みんな塾で勉強しているし自分の成績はまがい物だろうと思っていました。(一応中高一貫の私学出身です。仲のいい友達が目指していたのを聞いて6年生の時だけ少し勉強して合格しました)
 高校生になっても相変わらず宿題とゲームと部活だけだったのですが、成績が急上昇、高校3年生には模試での成績で偏差値90をマークしました(進研模試・記述・全科目合計)。高1の時点で京都大学を目指すつもりで努力しないと志望校には合格できないと言われていたのに、そのまま合格となりました。(高3になるとさすがに受験勉強はしましたが、それでも1日平均2時間くらい)
 塾に行ってなかったので、完全に我流で勉強していました。

【僕の数学の勉強法】
・納得がいく答えが出るまで解答は見ない
・答えが出たら解答を見るけど、間違ってたらやり直し
・ぱっと見で解き方が分かる問題はやらない
・高校3年の時は京都大学の過去問と宿題しかやってない

注意してほしいのはこのやり方は、ハイリスクなので必ずしもおすすめできないことです。最終的に日本一難しいと言われる京都大学の入試数学で満点近く取れたり、国際数学オリンピックの予選の問題もある程度解けるようになりましたが、誰もに適したやり方ではありません。もちろん勉強時間の割には成績は上がりますが、、

①大事なのは小学校2年の算数(100マス計算)

テレビドラマ化されたドラゴン桜の原作漫画では「暗黙知」を身につけることが大事だと書かれています。暗黙知というのはたとえば4×6=24と九九が言えることではなくて、例えば24という数字を見ただけで2×12であり3×8であり4×6でもあると無意識的に理解する感覚という感じです。九九だけでなくて、8+9=17といった繰り上がり計算も息を吸うようにできる感覚です。
 小学校時代のテストというのは、出題できる問題数に限りがあります。九九の問題が1問5点で20問、試験時間が40分の場合、1問に2分かかる子も秒もかからない子も全問正解すれば同じ100点になります。点数が良くても勉強についていけていない子も実はいるのでテストの成績に惑わされてはいけません。小学校の算数に関しては100点以外を取ってきた時点で赤信号と判断してもいいと思います。繰り上がり、繰り下がり、九九などの基礎計算力が極めて大事で、これを完ぺきにしておくだけで、それ以降の勉強が格段に楽になります。おすすめは100マス計算です。10×10マスの表にクロスした計算結果を書いていくものです。エクセルの関数を組み込んで、数字を入れて問題用紙と解答が作成できるシートを作れば、問題集を買うよりも安上がりで100問の計算問題が作成できます。

②勉強は積み上げ式(復習が大事)

学校の勉強で大事なのは、予習よりも復習です。宿題などで出される問題は、それまでに習ったことを使えば解けるようにできています。その時に過去の教科書に戻って復習し、解けるようになっておくことが大事です。土台からしっかり組んでいく方が、結果的に短時間の勉強で成績が上がります。
 なぜ短時間になるのかというと、穴の開いたバケツに水を入れていくシーンを思い浮かべてください。この「穴をふさぐ」ことが土台を固めることになります。穴が開いているのに水を入れても全く貯まりませんよね。穴をきっちりふさぎながら勉強して行けば、勉強すればした分だけ成績が上がるようになります。

時には小学生の問題からやり直すことも必要

③解き方暗記で乗り切らない

 塾を利用することにはリスクがあります。こういう問題が出た場合はこの公式を使ってこうやって解けというパターン暗記に陥りやすいことです。このやり方は「一夜漬け」と同じようなもので、短期間「だけ」成績を上げるには有効なのです。塾では合格実績が経営に直結するため、短期間で志望校合格を勝ち取るために、そういう教え方になりがちです。先ほどの穴を塞ぐというよりも、短期的に一気に水を注いで、試験の時だけ水が溜まっている状態にするようなものです。
 例えば、三平方の定理という有名な定理がありますね。パターン暗記だと「三平方の定理を使って解く」だけですが、「この三角形は直角三角形だから三平方の定理が使える」と考えることができれば、応用問題にも対応できるようになります。野球の練習で例えるならば、試験範囲は時速80㎞のカーブと110㎞のストレートだけだからそこだけ練習するというのがパターン暗記です。筋トレや素振りでスイングスピードを上げて、実戦練習をしなければ、どのような球にも対応できるような本当の実力は身に付きません。塾に通うと短期で成果を上げるために前者になりがちなので気をつけなければなりません。

③-2 共通テスト(新センター試験)はパターン暗記が通じない

2020年度よりセンター試験が改革されて共通テストになりました。「知識」しか問われなかったセンター試験から、「考える力」を問われるように大改革されました。「考える力」を問うとはどんな問題と思うかもしれませんので説明すると、これまでは学習指導要綱の中で定められていた内容だったのが、問題中に与えられた材料(ヒント)からその場で答えを導いていく形式になりました。ヒントがあることで難易度は下がっているものの、与えられたヒントから「考える」能力を問われる上、どのような問題が出るか予想がつかなくなりました。パターン暗記では一切通用しなくなっています。
 パターンを暗記するのではなく、「なぜ」その公式を使うのかといった勉強をしていく必要があるため、これまで一般的なやり方だったパターン暗記で勉強してきた人は点数が取れなくなっています。

④数学を勉強する意味

勉強する意味が分からない方に数学を勉強する意義を説明すると

  • 論理的な思考力が磨かれる

  • 根拠に基づいて決断できるようになる

  • 世間イメージに流されなくなる

  • ITスキルを学ぶ時に役に立つ

  • 数学必須の職業は意外に多い(建築士など)

 数学を勉強する意味は、論理的な思考力を鍛えることです。人は生きていく上で様々な決断をしていく必要があります。例えば上司から指示されたことがあり(条件A)、自分がこうしたいという想いがある(条件B)、過去にお客さまから受けたクレーム(条件C)、、、といったいろいろなしがらみの中から最善と思われる行動を選んで行かなくてはなりません。こうした時にきちんとした根拠を持って決断する能力が数学を勉強していると磨かれます。また、「数字」で物事を捉える能力も高まるため、世間イメージに流されず、これまた根拠を持って決断する能力が高まります。また、最近システム部に異動になりITの勉強をしていますが、高度なIT技術には漏れなく数学が使われており、そうした職業への道が開けます。また、建築士など建物のデザインをする職業と思っている方もいるかもしれませんが、建築材料の重さから、どこにどれぐらいの負荷がかかって、どれくらいの強度が必要なのかを数学的に計算する能力が必要になります。こうした数学必須の職業は意外に多いです。特にIT技術は、プログラミング能力の有無というよりも、数学的能力(素養)を持っていることが習得していく上で大事になります。将来の職業の選択肢を増やすためにも勉強していて損はないです。

⑤例)方程式やら関数ってそもそも何?(中学生向け)

例えば連立方程式で以下のようなものがあったとします。
条件A $${2x+y=5}$$
条件B $${x+y=3}$$
条件A、Bともに直線の式で、グラフにすると下のようになります。

この連立方程式を解くというのは、「条件Aと条件Bの両方を満たす$${x}$$と$${y}$$を求める」=「2直線の交わる場所を求める」ことを意味するのです。
2次関数(放物線)と直線の交点を求めるというのも、2次関数(条件A)と直線(条件B)の両方を満たす$${x}$$と$${y}$$を求めることを意味しています。放物線というのは読んでその名の通り「物を放り投げた時に描く線」です。ボールを投げた軌道が放物線、坂道を直線とした時に何m先に落ちるのかといった計算をする感じですね。

訳も分からずやらされる魔の因数分解、これがどういう意味を持つのかというと、こうした数式を解く(条件を満たす$${x}$$や$${y}$$を求める)ためなのです。$${x}$$の何乗やらが出てくる方程式を
 A×B×C=0
という形に因数分解できると
A、B、Cのいずれかが0ならば条件を満たすことが分かります。
例えば、因数分解して
$${(x-1)(x-2)(x-3)=0}$$
となった場合、$${x-1=0}$$もしくは$${x-2=0}$$もしくは$${x-3=0}$$
すなわち$${x=}$$1,2,3が条件を満たす$${x}$$であることが分かるのです。日本の数学教育の問題は、因数分解や2次関数がどのような意味を持つのかが分からない状態、つまり目指すべきゴールを提示しないで計算させるところにあったと思います。解き方を暗記して作業的に問題をこなすのではなくて、こうした「意味」をきちんと考えながら勉強できると効果的に成績は伸びると思います。

まとめ

数学の成績を効率的に上げるために注意すべきことは
①基礎計算力を鍛える(小学校2年生から)
②パターン暗記をしない
③暗記しないためには意味を考える
です。この②③は難しいように感じるかもしれませんが、解き方を暗記していく方法で勉強するとどうしても忘れます。とにかく滝に打たれるようにたくさんの問題をこなすしかありませんし、共通テストの改革でこのやり方が通用しなくなっています。意味を考えながらする勉強法では、自分のレベルよりも少し上の問題を1つ1つ丁寧に取り組んでいけばいいので、結果的に短時間の勉強で成績が上がります。東京大学の入試数学は、難しそうに感じるかもしれませんが、中学校で教わる内容を息を吸うように「当たり前」に理解していること、基礎から土台を固めることができていることつまりは穴の開いてないバケツであることを問われるものが非常に多いです。バケツの穴を塞いで効率的に成績を上げていきましょう。YouTubeなどを活用するのもおススメです。ではまた!


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