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【小説】不調和【超ショートショート】

彼女は噴水の前にしゃがんで、
手に持ったバラをゆっくりと水たまりに近づけた。

茎が水に触れると、
バラがふうっと息を吐くみたいに
まあるい波が広がって、消えた。

やっと落ち着ける場所に来た、とでも言っているかのように。

彼女は小さく息を吸うと、苦しそうにふうっと吐いた。
バラが呼吸に合わせて小さく上下し、
不規則な波を作る。

ここは落ち着かない場所だ、とでも言っているかのようだった。

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