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君は友達。"いちばんすきな花"
ある男と私の話。
男とは、とある女性アイドルのライブで隣の席だったことをきっかけに仲良くなった。
私は遠征マジックで軽くハイになっていた
椿さんと同じように"初対面こそ気が楽"ってやつだ笑
お互い一人で来ていたこともあり、年齢も近かったのでかなり盛り上がったし、ちゃんと楽しかった。
「また次のライブで会えたら会いましょう〜」なんて話をして連絡先を交換した。
2日に1ターンくらいの軽い連絡が心地よかった。
すぐ会える距離じゃないのも心地よかった。
そして数ヶ月経ったころ、次のライブの日程が決まり、一緒に行かないかと誘いを受けた。
若干の好意は感じていたが、私は友達と思っているし、友達としても信頼していたので許諾して応募をした。
若干、好きになれるかもしれないと期待もあった。
その後ライブに一緒に行った。
私は仲のいい男友達が学生ぶりだったので、気の使わない男友達が新鮮で楽しかった。
そしてライブのアーティストにベクトルが向いていることに安心感も覚えていた。
1対1だけどアーティストありきの関係が1対複数であることが心地よかった。
ライブの日程が全て終わった帰り道、また会ってくれるか聞かれた。
私には軽い拒否感があった。
男から漂っていた好意が"恋愛感情"であると確信したからだ。
ただ私も恋愛しなきゃいけないのかもという焦燥感があった。だから、一緒にいて嫌なことは何一つしてこない男のことを完全に拒絶することはできなかった。
約束までの日々はひたすら憂鬱だった。
好意をぶつけられるかもしれない
好意を受け取らなかったら、この先恋愛なんて一生できないかもしれない
友達でいたい。
ここから先にも後ろにもコマを進めたくない。
彼氏彼女になったとして、自分の感情は何か変わるんだろうか。
彼氏彼女という関係が一段上に感じるのは何故なんだろうか。
行きたくない。会いたくない。
そんなことばかり考えて会う約束の日になった。
すごく、すごく、すごく気合を入れて約束の駅に向かった。
会ってすぐ饒舌に話すことができる自分に驚きながら、楽しい雰囲気を作った。
どこまで話したら男が笑って許してくれるか試したりした。
話のネタの一つとして"いちばんすきな花"の一話のことも話した。私はこのドラマに共感するような、ちょっと悲観的で面倒くさい女です感を演出した。
男は興味を持って帰りの新幹線で見てみるねと言っていた。
それなりにやり過ごしてお会計をした帰り道
軽くまたね〜と安堵した瞬間、
「付き合わない?」と言われた。
ため息を飲み込んで、私のどこが良かったの?と聞いた。
「可愛いから」って言われたら殴ってやろうと思って聞いた。
男は考え込んで、はぐらかして、何も言ってくれなかった。
そして私は畳み掛けてしまった。
「付き合うって何?友達と何が違うの?」
「、、何気ない話を共有できたらって思ってるよ、。」と言った男の目には少し涙が溜まっていたように思う
罪悪感に苛まれながら
友達だと思っていること、少し考えてもいいかと伝えて手を振った。
数日めちゃくちゃ考えた。
男は悪い人ではなかったし、純粋に好いてくれていた。
地元に友達もいて、仕事も大手に勤めていてすごく頑張っていた。
絶対に嫌なことをしてこない、言ってこない男はかなり結婚向きなのでは、、とさえ思った。
ただそれは
私から「嫌われたくない」という感情ありきで、本来の男では無いのだろうとも思っていた。
少し接待を受けているようで居心地が悪いこともあった。
恋愛ってこんなに自分を誤魔化してするものなの?
少しの手入れじゃなくて、心をぐちゃぐちゃに塗り替えないとできないものだっけ、。
その結論に至り、付き合えないと連絡した。
連絡をしたあと心を撫で下ろした私は、またいつもの孤独と共に生きている。
そしてドラマを観ながら、あの男も見ているのか考える。
いちばんすきな花は男女の友情を取り扱うシーンがある。
私はゆくえちゃん達の言っていることがよくわかる人間だが、その男は相良くんのような人だったのかもしれない。
私を独占したかったのかもしれないし
心の奥底で繋がりたかったのかもしれないし、
ただ顔が好みの私を彼女にしたかっただけかもしれない。
真意はわからないが、
このドラマが男を少し傷つけていたら嬉しいな、くらい性格の悪いことを考えている。笑
だから見ててくれ、
そして私のような人間がいることをわかってほしい
そして友達になってほしい
そして私も相良くんや赤田妻の気持ちを受け取れるくらいには大人になるから。
そっちに寄り添えるくらい大人になるから。
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