劇場版「Fate/stay night[Heaven’s Feel]」I〜IIIの考察・感想 間桐桜の聖杯戦争 その2

劇場版の完全なネタバレを含みますので、ご注意ください。
劇場版を見ないで読むのは、本当に勿体無いのでやめましょう。

このNoteの内容は私の主観(妄想や憶測)に関するものなので、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。

今回からストーリーを追いながら、間桐桜を中心に映画を振り返ってみます。初見時、大分「桜推し」で見ていました。理由は前回のNoteで述べています。

初めに


[HF]は、士郎、桜(影含む)、遠坂の3名が一つのシーンに揃った際、必ず踏襲している法則があります。

この法則に基づいて[HF]を考えると、3章の最終決戦でなぜ桜は遠坂だけを自分の元に通すようにセイバーオルタに伝えたのか、明確な答えが出ます

また、姉妹決戦で遠坂は桜を刺せませんでした。理由は皆さんご存知でしょう。一方、桜は遠坂を刺すことが出来きました。この理由もはっきり提示出来ます

なぜ初めにこれを書いたかというと、これを説明するまでに必要なプロセスがとても長いからです(汗)。

間桐桜の聖杯戦争


サーヴァントによる殺し合いが、表の聖杯戦争とすると。

間桐桜は、裏の聖杯戦争を戦っています。
裏の聖杯戦争とは、士郎を聖杯としたメインヒロイン3人の争いです。

この、裏の聖杯戦争(=間桐桜の聖杯戦争)は、役割が明確に決まっています。
この役割は、遠坂凛、衛宮士郎、間桐桜の3名が揃ったシーンに適用されます。

主人公1(ヒーロー):遠坂凛
主人公2(ヒロイン):衛宮士郎
脇役(ヒロインの護衛):セイバー
悪役:間桐桜

劇中で桜が述べているように、遠坂凛をヒーローとすると、他3名の配役はこうなります。また、遠坂凛、衛宮士郎、間桐桜の3名が揃うシーンは、ある法則が発動し、その法則に誰も逆らうことは出来ません。

法則は後述します。

遠坂凛、衛宮士郎、間桐桜の3名が揃わないシーンでは
ヒーロー:衛宮士郎
ヒロイン:間桐桜
となります
つまり場に遠坂凛がいないときだけしか、桜はHFのヒロインになれません。

私は、桜推しで[HF]を鑑賞しました。

では、物語を桜を中心に、駆け足で振り返ります。
注釈などは[ ]で書いておきます。

プロローグ(1年半前からのシーン)


桜が衛宮邸に押しかけます。

桜は衛宮邸の家事、帰宅時の出迎え等をこなし、家庭の女を強く印象付けます。桜のホームグラウンドは衛宮邸です
将来の夢、趣味、全部が士郎に関係のある事です。
小さく小さく、士郎に自分をアピールします。

入学式では制服姿を士郎に見せて、見惚れさせます。
写真撮影では、士郎が遠坂を目で追い、不穏な空気こそありますが。。。

[それでも間桐桜、健気にロケットスタートです]

とにかく桜がカワイイです。

学校の廊下(法則発動)


学校の廊下、桜が拾い物をしている場面。遠坂が加わり法則が発動します。

桜一人ならば士郎は話しかけようとしますが、遠坂が加わったところで、士郎は隠れます。桜と違い、士郎は遠坂をかなり意識しています

かなり意識している様を全く隠さず、桜は表情をとても曇らせます
桜はリボンを触り、遠坂がヒーローであることを強く意識します

[遠坂凛。台詞なしの短い出番で、桜を抜き去ります]
[桜は遠坂が自分の恋路の邪魔になりそうだと、激しく不安を覚えます]

法則1:ヒーロー(遠坂凛)とヒロイン(士郎)は互いに惹きつけ合います

※別の場面の一成との会話で、士郎は桜を女の子として意識していないことが明確化されています。

下校時の坂道


桜は士郎へ、弓道部に(自分がいるけれども)戻らないのかを尋ねます。

士郎が桜に少しでも気があれば考えるはず。ここは桜から士郎への遠回しな気持ちの確認です。士郎は弓道部に戻る気がないと伝えます。
桜は、士郎の中の自分の立ち位置を再確認します

[桜は遠坂よりも、女の子として意識されていない。と改めて自覚します]

セイバー登場


士郎が桜の頬の痣を見つけて、慎二に対して怒りを覚えます。

[衛宮邸に遠坂はいません。桜がヒロイン、士郎はヒーローです]


桜の看病


桜は士郎に看病されながら、気持ちを確かめながら、士郎の手を強く握ったりして、アピールします。

[桜は少しづつ、士郎との距離を縮めようと健気に頑張ります]

土蔵でデート


桜は白のワンピースを着て、士郎をいい意味で驚かせます。最初にモジモジしているのは照れているからでしょう。立ち振る舞いがとても可愛い。慎二の事は、デートの口実にしました。

ロケーションは良くないですが、士郎が寒さに気遣ってくれて、桜はそれだけでとても満足です。桜は士郎へ、とっておきの話をします。デートは大成功です。

[桜は、少し大胆によく頑張りました。上出来のアピールです]

ワンピースの紐を腰ではなく、胸の下で締めている服を着ています。
胸の大きさが強調されるデザインです。
桜は自分のチャームポイントをよく理解しています。

夜の公園(法則発動)


夜の公園には、士郎、遠坂、虚数の影(桜)の3人がいます。3名揃ったので法則発動です。
虚数の影を使い、桜の潜在意識は遠坂を襲います。
遠坂の存在は、桜の恋路にとってあまりに危険です。

ヒロイン(士郎)は(ヒーロー)遠坂を庇って、大きなダメージを受けます。

法則2:ヒーロー(遠坂凛)とヒロイン(士郎)は、ピンチで助け合います。
法則3:悪役(間桐桜)はヒーロー(遠坂凛)、ヒロイン(士郎)を攻撃します。

士郎が桜の前で遠坂を助けた回数:1回目

[遠坂凛から士郎への、信頼感が高まりました]

衛宮邸玄関


士郎が負傷して帰宅。桜はご立腹。桜は玄関でセイバーへ辛くあたります。
桜はマスターなので、セイバーがサーヴァント(ボディガード)であることは分かっています。桜はセイバーに不信感を持ちます

その後、道場で士郎を守るよう、強く伝えます。
桜は、セイバーが脱落すれば、士郎が聖杯戦争から撤退すると考えます

[桜の悪意に、思想・良心の自由は認められていません]
[思っただけの悪意を許せるかどうかがポイントです]

夜の柳洞寺


虚数の影(桜)は、難なくセイバーを脱落させます。

[セイバーの役割は残念ながら脇役です。士郎は助けられません]

セイバーファンの方、申し訳ないです。
書き方は酷いですが、HFルートの青セイバーはこういう扱いです。

衛宮邸玄関


桜は雪の中で待ち続け、セイバーを失い傷心の士郎を迎えます。
(1章終了)

[桜は常に、健気に士郎との距離を縮めていきます]
[遠坂のいない衛宮邸は、桜が士郎と距離を縮めるための大切な場所です]



うーん。すごく冗長な気もするけれど。

1章は、桜は常に努力しながら、士郎の気を引くよう頑張っています。
只々健気です。これはセイバーや遠坂にはない魅力ですね。
家を守る女性の素晴らしさを描いていると思います。

しかし、内心では遠坂とセイバーを快く思っていません。
それは恋敵としてです。これを許せるか、許せないかが桜ファンになるかどうかのポイントでしょうか。
私はこの部分が人間臭くて、すごくハマりました。

あとは取り上げないだけで、本当に細かい演出がたくさんあります。
玄関チャイム一つとってみても、こだわりを感じます。
UBWの遠坂のチャイムと違いを出していたり。

士郎が玄関の鍵を渡したのは、桜が洗濯物の畳む際に見せた、まじめな取り組みがきっかけだったり。とにかく1シーンも無駄がありません。

心情の移り変わり、時間経過、1つ1つがパズルのピースみたいに、本当に丁寧に積み重なって、この映画は出来てますね。



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