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食パンをくわえて学校に走る

11月22日。晴れ。無風。布団のぬくもりが恋しくなってきた。最近毛布を新しく買ったからよく眠れていい。

 昨晩、目が冴えてしまった。夏場ならば歩いたり自転車を走らせて遠いコンビニに行ったりするのだけど、このごろ晩に外出するのをためらうようになった。しかし布団にくるまっていては身体のほてりは消えそうになかった。今日は1限だからさっさと寝て7時に起きておくのがよかったはずなのに。

 近所の扉の開く音が聞こえて目が覚めた。30分前。あわてて起き、のんびり着替え、お気に入りの音楽を流し、お湯を沸かして昨晩のパンケーキを取り出した。今日はインスタントコーヒーで済まそう。冷めて固いなにかを口に詰め込み、コーヒーでのどを潤す。20分前。熱いコーヒーは飲みきれそうにないからしかたなく牛乳をいれて飲み干し、メールとラインが数件あって見たけどとりあえず放っておこう。授業のことを考えると、課題の提出を忘れていてあわてて始めた。10分前。いや間に合わないから後で出そういや今仕上げるか、よし終わった。外界の音、風のない日は鳥が元気だなあと思う。家の鍵閉めたかどうか気にしてはいけない、裏道を使えば2分早くいけるはずで唯一の信号は青。これは間に合っただろう。両足を緩める。呼吸を整える。北門をくぐる。教室は二階だったはず。学期後半でも、パンキョウの教室は覚えていない。3分遅刻だった。

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