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#9:小児科探索、しかし全部が休診

初めての方は初めまして。
以前も私の投稿を見てくれた方はこの度もありがとうございます。

はじめに


これは2022年8月15日の体験話である。

これを前提に文章を進めていきます。

風邪による諸症状が13日の夜から出始めていた私の娘。
咳は出ていたが走り回るくらいに元気だったので、
かかりつけ小児科がお盆休み明けとなる16日に診察・薬の処方を
していただく事に決めた。

だが14日夜には娘の咳は連発して何度も出るようになり、
結構ひどいな思うくらいの状態になってきた。

鼻詰まりや咳で夜間の睡眠に支障が出てしまっていて、
何だかかわいそうだと感じていた。

以上のような症状から辛そうにも見えるのだが、
熱を測ると37度は超えていないし、こちらが教育番組Eテレ某番組の
体操の真似をすると笑ってくれる。

食事もしっかりと食べてくれていたので緊急性は特に感じず、
16日まで待ってかかりつけ医に診察してもらうことを夫婦で
取り決めていた。

だがどうせ小児科へ行くなら、かかりつけ小児科での診察を待たず
その前日、つまり15日のうちにどこか開いている小児科へ行ってしまい、 少しでも早く苦を取り除いてしまった方が得策ではないかと考えた。

仏の心である慈悲の慈、つまり抜苦は父親の役目である(by 怪談和尚様)。


ということでお盆の15日に診療している小児科を探したのであるが、
まさか開いているところがないことを知るとは思いもよらなかった。

今回はこの件について書きつづっていこうと思います。


それでは早速やってまいりましょう。
今作では総文字数は5.484字となっております。
よろしくお付き合いくださいませ。

ゆっくりしていってね!


まずは近いところから


私たち夫婦が娘のためにかかりつけとしている小児科は2軒ある。

ファーストクリニックとして "Kクリニック" があり、
現在ここをメインに利用している。

そしてここが休診日の際にどうしても診てもらいたい場合に
通院することにしているセカンドクリニックとして "T小児科" がある。

"Kクリニック" は15日まで夏期休診と知っていたので、
必然的な流れとして "T小児科" で診てもらう事になる。

"T小児科" はWEBサイトがないため、
直接電話をしなければ診療可否がわからない。

Googleマップでは一応 "営業中" となっているのだが....
「ホントにやってるのかな」と思いつつも電話をしてみたが、
予想していた通り休診であった。

Googleマップ上ではカレンダーの赤日や設定休診日以外の休診にまでは
流石に載せることはできないのでしょう。


かかりつけ2軒の休診を受けて、今日は休みは多いだろうということの
察しはついていた。

けれども、開いている小児科は探せば見つかり、
全滅ということは流石にないだろうと思っていた。
どこかは必ず開いているはずと思っていた。

気を取り直してGoogleマップにて探していくが、
やっていくとこれは結構な労力だなと思った。

休診かどうかが一目でわかれば探索も楽なのだが、
検索するとどれもが "営業中" となっている。

Googleマップでの "営業中" 情報が全くあてにならないと予想できるので、WEBサイトがない医院なら面倒でも電話して診療可否の確認を
しなければならない。

とはいえそんなことを気にしたり考えている場合でもない。
1軒1軒あたっていかなくては。
娘を連れていって薬の処方をしていただき、早めに病を消し去ってあげたい抜苦の気持ちでいっぱいであった。

それに私としてもなぜか意地になって今日診療の小児科を探し当てたくて
たまらなくなっていた。

私はこうしてすぐに無駄に熱くなってしまうことがダメなのだが、
それは一向に直らない。
多分これは一生直らないかもしれない。
もはや個性で片付けるしかないのかもしれない。

さて、これから色々な小児科を探してアプローチをかけていく作業が
開始される事になる。

本格的サーチモード始動!


全滅の結果は想定外


これから初めて通院する事になるサードクリニックとしての条件は、
比較的家から近い場所に位置している事であった。

時間にしておおよそ20〜25分以内の所要時間で家から到着できること、これが探す条件だった。

1キロあたり4分かかるとして、道なり6キロ以内で到着できるところを
探した。

加えて、多少の距離オーバーは対象に含め、
逆に慢性的に渋滞しているエリアに位置する小児科は対象からはずした。

対象から外した小児科は駅に近く渋滞や自転車・歩行者の無謀な横断が多いなどの理由で、車で行くには不都合な位置にあるものなのだ。

その結果、全部で15軒の小児科が候補としてあがってきた。


この数が多いのか少ないのかはわからないが、少なくともこの中から
何処かは診療中が見つかるかとは思っていた。
15軒全てにコンタクトをとる事態になるなんて考えていなかった。

だがまさかのことがここで起こり、WEBサイト・電話での確認により
コンタクトを全部取る事になったばかりか、 15軒全ての小児科が
休診しているという驚きの事実にぶち当たることとなった。

実のところ正しくいうと、15軒のうち1軒はずっと話し中になっていて
連絡がつかなかった。
もしかすると、その "話し中が続いている1軒" は診療していたのかも
しれない。

診療中か否かをこの目で確かめる飛び込みというやり方もあるが、
"話し中が続いている1軒" のために5キロ程度離れたところへ
実際に向かうことは、休診の可能性を思うと無駄でしかない。

某漫画の某人物から無駄無駄と聞き飽きるくらいに連呼されてしまいそうだ。

通話中というのも外来患者からの電話ではなく、休診ではあるが先生は
診療所にいらっしゃっていて別件で通話をされていることも考えられる。

実際、電話でコンタクトを取った小児科医院の15軒のうち2軒で、
休診だったが先生が電話に出られた医院があった。

ここもそれと同じケースかもしれないと思った。
そう思うとわざわざ出かけて確認なんてできない。

このまましつこく連絡していれば繋がって確認もできるはずだが、
間をおいて1時間が過ぎても話し中が続いている。

....こういうことが起こるのは大概ご縁がないことの証明なので、
私はここは休診として扱う事にした。

スタバとTSUTAYAとスーパーが同じ敷地内にあるので
色々便利だとは思ったのだが仕方がない。

と、こんな風に家から概ね6キロ以内のコンタクトを試みた小児科が
全て休診というまさかの事態に直面した。

今のところ娘は容態が急に悪化するなどしていないのでいいのだが、
その兆候がみられたら救急扱いにするしかないなと考え始めた。

さらに遠くを見に行こう!



探究心はさらに遠くへ


まさか診察している小児科を全く見つけられないという事態に陥るとは
考えてもいなかったので、 慢性的に渋滞しているエリア(県内主要駅付近)に位置する小児科についても再検討してみた。

しかしこれは妻の意見もあり、すぐに検討候補から外した。

患者以外に買い物客など不特定多数の方々と接する機会が爆増することは、コロナワクチン未接種の1歳児にとってむしろ危険だと判断した。

当初の考え通り、県内主要駅付近の小児科には向かわないこととした。

こうなれば仕方がないので、少しだけ探索範囲を広げてみる事にした。

家から10キロ前後の場所に位置する医療機関にもコンタクトを
取ってみた。

しかし広げてみたエリアの数軒についても、
夏期休診という結果に終わってしまった。

マジか、この事態は。
もう20軒探しているがどこも開いてないとはどういうことなんだ。
日本医療の水際は一体何してるんだと憤ってきた。

そして同時に思ったが、この15日に診療しているところを探すこと自体に無理があるのではないのかと思うようになっていた。

開業医の医師といえど、先生である前に1人のヒトだ。
お盆休みを取りたいという気持ちもわかる。当然のことである。

先生だけでなく他にも看護師・事務員が複数人数で働かれていて、
彼らも私達と同じ家庭を持っていることだろう。

患者側の都合にばかり合わせるわけにもいかないはずである。


このことから、範囲をさらに広げて県内全域単位で探してみたとしても、
お盆休みという風習の上での休みであれば範囲をどれだけ広げて探した
ところで、 ほぼ100%に近い割合で15日は休診しているのではないのかと予想できる。

必要があれば救急を利用して診察していただくこと以外には
無理なのだろう。

せめて翌日の16日にならないと、診察するところは出てくることはない
のだと思う。

どこまで遠くを探せばいい?



探索の果てに


さて、ここまで診療中の小児科を探し続けてきた私だが
まだめげることもなく、半分興味本位で探り当ててみたくなってきていた。

探索範囲を一気に倍以上に設定し、宝探しのような遊び気分で探ってみた。

なんだか地球外知的生命体のいる星を探査する天文学者のような気分に
なってきた。

天文学者たちは「いるかもしれない」という思いで
望遠鏡を使って惑星・衛星を探索する。

私も「やっているかもしれない」という思いでスマホを使って
小児科医院を探索する。

同じ探すという行為であるが、彼ら天文学者たちの探すという方法は
どんなものなんだろう。

ここまで私がやっていた探すという行為は、家から15キロくらいまでに
散在する小児科医院が営業しているのかを探す、しかもたかだか20数軒
というレベルの話。

天文学者たちにとっての探すという行為は、地球から遠く銀河系を超えて
銀河団⇨超銀河団⇨グレートウオール⇨観測可能な宇宙の範囲....と
想像を絶するエリアが対象なのだろう。
しかも対象となる数はそれこそ無限大。

身近にある砂粒を地球上から全て集めたよりも遥かに多い数の星々が
対象になるのだろう。

私には無理だ。
天文学者たちには本当に尊敬するに十分すぎる。


さて私の場合に戻るが、すでに探している小児科の存在する場所が、
家から距離にして15キロを超えてしまった。

これ以上離れたところを検索して診察日である確認をとっても、
実際に行くとなるとこれは現実的ではない。

もし仮に30キロほど離れたところにある小児科が診察日とわかったと
して、そこへわざわざいきますか?
答えは「行きません」。

人里から離れた山岳地帯に居住しているというわけではないのだ。
私達一家は政令指定都市内の居住である。

住人が多い地域なのだから、対応するサービスも人口に比例して数多い。

しかもサービス内容に差があるわけではないのなら、あえて遠くの他市に
ある医院まで無理して向かう事はない。
必要なら救急を呼んでしまえばいい。

むしろ長距離になる移動で娘を疲れさせてしまうと厄介なことに
なりかねない。

もうここで無意味な探索は終了し、15日のうちに小児科へ行くことは
諦める事にした。
娘の症状は様子見する事にして家にて休ませることにした。これが賢明だ。

お盆の15日という特別な事情はあるにせよ、小児科医院を探せども
どこもかしこも休診ばかりという結末を導くしかできなかった私達は、
驚きとともにかなり気分を害されてしまった出来事だった。

まさかこうなるとはね



おわりに


私達と同じように15日に何らかの診療所を探された方は、
同じように苦労されたのではないだろうか?

無理してでも診察している診療所を見つけて遠くであっても行くのか。
探すのが面倒であれば救急扱いにしてしまって救急車を呼んでしまうのか。
そこまで悪くなければ様子見をしておくのか。

その時の状況によって対応は変わるであろうが、お盆期間中は
こういうことになることは記憶しておいた方が良い。

このことはお盆に限らずGW・年末年始休みにおいても当てはまるだろう。

連休というのは不測の事態の際に困ってしまう側面もあるものなのだな。
そんなことこれまでは思ってもみなかった。
連休が嬉しいのは "健康で生き生き過ごせるから" が大前提なのである。


今回はお盆8月15日に診療している小児科を探しても全く見つけられ
なかった件について書きつづってきましたがいかがでしたか?

日頃から何らかの症状を患っていて通院されている方ならば
ストック薬をお持ちでおられるかもしれませんが、
今回のように急きょお盆期間中に診察を受けたいなと思っても、
どこも休診で受けられない事態が発生することがわかりました。

これは大人の話だったら気にならないのですが、
子どもの場合となると話は別。本当に困った事でした。

今後の対策として、子ども用処方箋薬をいただく際には余分に薬を出して
もらっておくとか、それが診療所では無理だというのなら乳幼児用市販薬の有無を調べ、それがあるならば常備しておいて備えるなどしておくべきと
思いました。

私達夫婦には乳幼児が使う市販薬という考え方自体がなく、
安心を考えてその都度診察を済ませ薬を処方してもらう方が良いと思って
いましたが、今回それがかえって仇となった形になりました。

市販薬でも常備しておけば、無駄に探索することもなかった。

これが8月15日の話ではなく、ほとんどの医療機関が年末年始休みに
突入するであろう12月30日の話であればと思うと、今回の被害は
最小限度だったといえる。

今回のことを通じて、まだまだ子どものための準備が不足しているんだなと実感いたしました次第です。


それではこの辺りでお開きにしようと思います。
今回もお付き合いいただきましてありがとうございました。

また次回作でお目にかかりたいと思います。
それではまたこの場にてお会いいたしましょう。

〜 9作目 『完』 〜

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