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名前

私の名前は
平仮名であや。

父が大ファンである文筆家の幸田文さんから
父が勝手にいただいた名前。

女の子が生まれたら
絶対にこの名前をつけようとしていたらしい。

しかし、そのまま"文"と書くと
"ぶんちゃん"とか"ふみちゃん"とか言われて
可哀想な想いをするかもしれない。
私が生まれた当時は
漢字一文字の女の子の名前はあまり良くないと
言われていて、そんな言葉の呪文も手伝って
私の名前は平仮名になった。

私はぶんちゃんと呼ばれても
ふみちゃんと呼ばれても
あまり気にしなかったと思うけど
父の優しさが詰まった平仮名の名前が
とても好きだった。

小学校に上がって1番最初に習うのが
平仮名。
しかも、あ行から習うから
私は誰よりも早く自分の名前が
書けるようになった。

最初は良いなぁと言われていたけど
たくさんの漢字を習得し始めると
バカだから平仮名なのだと言われるようになった…

なんとも子どもらしい発想。
でも、当の本人は地味に傷ついていた。
好きな名前を否定されたようで悲しかった。

父の影響もあって
私は本の世界が大好きだった。

1番好きだった絵本は
あやねこのるすばん

お父さんと主人公の女の子がお留守番をする話。

お父さんは忙しいから遊んでくれず
あやは猫になって、お父さんをひっ掻いたりする。

同じ名前ということもあって
私は夢中になって読んでいた。

私には妹がいるが
妹のことをよく引っ掻いたり、
噛み付いたりしていた。
ものすごい言い訳ですが、
たぶんこの本の影響は大きい。。。


大人になってから
『ちょっとだけ』のという絵本に出会って
私は本気であの時のことを申し訳なく思っている。

こんなに優しいお姉ちゃんっているんだなぁと
思って、初めて読み聞かせた日は
泣きながら読んで子ども達に心配された。

それから、2人目を出産する友人には
この絵本をプレゼントするようにしていた。

話が少しそれたが、名前の話。

名前はその子が初めて贈られるプレゼント。
その子のルーツとなると聞いたことがある。

文ちゃんという名前をいただき
父の優しさで、まるでペンネームのような
平仮名のあやになった私は
いつか憧れのさくらももこさんのような
物書きになるの!と話していた。

エッセイも漫画もアニメも全部大好きだったし
食い倒れしに大阪に行って
本当に食い倒れたエピソードに憧れて
大阪で食い倒れして
急性胃腸炎になったことも良い思い出。

幼い頃は、物語を最後まで読まずに
結末を想像して楽しんだ。
私の想像する結末ではなかったら寂しいから
最後まで読まなかった。
勝手な読者である。。。

さくらももこさんの作品に出会ってからは
最後まで読むようになった。

学生時代、戦場カメラマンの
渡部陽一さんの本を読んで平和を願い、

それからはとくに
優しい主人公の物語を好んで読んだ。

有川浩さんの作品には温かい人が
多いのでとても好き。

ミステリー作品は
殺人のシーンなど文字だけで見ると
想像が膨らみすぎて
夜トイレに行くのが怖くなる。

だから、なるべく読まないようにしている。

あとは、伝記がとても好き。
その人がどんな人生を過ごして
どんな想いでその時代を生きたのか
想像するのが楽しかった。

今はもう終わってしまったけど
サワコの朝という番組が大好きだった。

まだ現役で活躍されている人のそれまでの伝記。
そして、その方が愛する曲を一緒に聴く。

とても楽しくてワクワクした。
阿川佐和子さんはもともと大好きな方。
そして、番組のイラストを描かれていたのは
あやねこのるすばんと同じ和田誠さん。

懐かしさを感じるのは、
そのためだったのだと思う。

大好きが詰まった番組だった。

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ただ取り止めもない想いを文字にして
心を整理して1つでも❤️がもらえるとなんだか嬉しい。

ボタンはひとつしかないから
心に留まらなかったら何も押さない。

だから、なんだかとても嬉しい。

父が大好きな文筆家の名前をいただき
本が好きになって、
自由に文筆できる場所を手に入れて
私はなんだか毎日楽しくなった。

私は自分の気持ちを文字にするのが好きらしい。
とても心が落ち着く。
文筆して、分泌している感じである。

楽しいのは良いこと。
取り留めのない私の想いを
誰か1人でも読んで共感してくれる。
それだけで、とても嬉しい。

父が思い描いた"文".の名前に
少しだけ近づけたような……

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