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足るを知りに、キャンプへ

中々始められずにいたキャンプに行ってみた。
昔から完全にインドア派な僕が、
一体キャンプに何をしに行ったのだろう。
行ってきてから、不思議になった。

自然の中で、普段より物や設備がない中で、寝食をし、生活する。
キャンプとはそういうものだろう。

重い荷物を運び、拠点を造り、火を焚き、飯を作り、食って、寝る。
片付けも、洗い物も、火の始末もちゃんとする。
自分のことを、全て自分の責任でする。
そこにパワーを集中させる。
頭と体をフル稼働させる。

上手くいかなければ、格闘する。
必死に知恵を振り絞る。
滝のように汗が流れ、Tシャツが何枚もびしょ濡れになる。
時には雨にも降られる。
心が折れそうにもなる。

疲れたら休む。ぼーっとする。
虫や鳥の声が聴こえる。
風を感じる。
それだけで、時間が過ぎていく。

これで十分なんだな、と思う。
身体の疲れや不快さとは別に、
不思議と感じる心地よさ。
足るを知る、というやつだ。

とは言っても、大体キャンプ場には、
水道も、シャワーもある。
電源も、Wi-Fiも、自販機も、
下手をすればレンジも、温泉も、
あるところにはある。
そもそも車で行っている。

だから、「不便」とは呼べない。
様々なおしゃれ便利ギアもある。

ここまでして、
僕はキャンプに、足るを知りに行く。
普段より、少しだけ不便さを、
思い通りにならないことを、
休みを使って、お金を払って、味わいにいく。

何て贅沢なんだろう。
便利になり過ぎた世の中の贅沢。
便利になり過ぎて、やることが多くなり過ぎた世の中の贅沢。

家に帰ってきて、
もとの快適な暮らしにほっとする。
ここまで含めて、足るを知る。

家に帰るまでが、キャンプです。


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