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満月ミュージカル🌝🎶創作童話。メチャ長編ゆえご注意🌿笑


満月ミュージカル

 「ふふんふ〜ん」
背高のっぽの三つ編みの女の子が鼻歌を歌っています。空には、満月。物語の始まりです。



女の子の名前は、ジェシィ。
生まれは北のほう、服装はモヘアのワンピースです。お母さんから買ってもらいました。「ララ、月にギターを背負って〜♪・・・違うかな・・・月でギターと出会って〜」



ジェシィの夢は、ミュージカルスター。いつも、振り付けを考えながら夜、誰もいなくなった広間で歌っています。



「あっ、流れ星!」


ミュージカルスターになれますように、なれますように、なれます・・・ああ、消えちゃったぁとジェシィはつぶやきました。
ところが、次の瞬間。


もうひとしずくの流れ星が、どんどんこちらに近づいてきました。



「えっ!何?隕石っていうんだっけこういうの」
ゴオオオオオ!チカチカチカ!ドッカーン!
「ゲホゲホ、けむい」
辺り一面、土埃。でも気づけばそこには、宇宙服のようなものが落ちていました。


ピカピカと輝くヘルメット、動きにくそうな服のパーツ、酸素チューブ・・・どう考えても宇宙服です。



「これ、着れるかな。着たら宇宙へ行けるとか?あ、きゃっ!」
チチチチチ、トトト、ガシャン、ガシャン!
宇宙服が喋りました。
「コンバンワ、ジェシィ。僕は、ロディ。よろしく」
「えっえっ、こわっ!」



ジェシィは後ずさりしました。宇宙服は近づいてきます。サッズサッサッズサッ。
宇宙服は、咳払いを一つして、ジェシィを抱き寄せました。



「きゃあ!何すんの!ヘンタイ!」
「このまま急行します」
ゴゴゴゴゴ!シュゴーボボボボボ!



「シュッパツ!防除シールド作動。ワンツースリー、ファイヤ!」
「キャァァァ!」
ジェシィと宇宙服は、空中へ飛び立ちました。



 ジェシィは、気を失っていました。もうだめだ、死ぬんだ私、とうわ言で繰り返しています。
「やれやれ、こんなモンダイジがそうとは」



宇宙服ことロディは、首を振りました。そしてジィィーとジェシィを見つめます。
「うん、でも愛らしい顔をしている」



おっと、もう直ぐ到着だ、というと、ジェシィを起こし始めました。



「ジェシィ、ジェシィ!起きてください」



ジェシィは目をさますと再び叫び、こう言いました。
「く、空気、ない。死んじゃう、私死んじゃう」



パクパクと口を開き、目をパチクリ。ロディはやれやれと溜息をつくと、言いました。
「ジェシィ、しっかり。僕の魔法で守っています。さ、到着ですよ」



鈍い音を立てて到着したのは、近未来的な街でした。ジェシィは途端に目をキラキラさせました。
「素敵!近未来都市?えっ、ここ月?すごいすごい」



ぴょんぴょん飛び跳ねるとおさげが揺れました。ロディは、諦めて案内を始めました。



「こっちだよ、ジェシィ」
「何々、これから何が始まるの?私、夢見てるんだぁ、なぁーんだ」
「そうです、夢の中です。そういうことにして君にはオーディションを受けてもらいます」


「オーディション!受かっちゃうのかな♪」
「はいはい、せいぜい受かるよう祈っておくように。行きますよ」
「はぁーい」


ジェシィはにっこり。何だ笑うと可愛いじゃないかとロディは思いました。
 二人は、街中を進みます。ウサギ型で浮いている電話ボックス。シャッターの付いているお花型のお店。辛い匂いのする、おじさんが宇宙人のお団子屋さん。


「月って以外と昔チックなんだね。はじめてー」
「そりゃはじめてでしょう」


着いたのは、朱塗りで丸いロボが浮いている王宮でした。
「あっ、こんにちは!守衛さん。たのもー!」
「コラコラコラ、勝手に・・・ジェシィ!」
「うわっと」
どんっとジェシィがぶつかったのは、太った紫色のウェディングドレスを着た女性でした。



「ご、御免なさい」


太った女性は言いました。
「やれやれ、この娘ですか、未来の候補生は」
「そのようです」



ロディは、面目ない、といった風に頭をかきました。女性は、まぁいいでしょう、というと、ジェシィの肩を優しくつかみ、


「ジェシィ、私の名前はパンプキン。よろしく。私のレッスンは厳しいわよ、付いてこれる?」


「えっ、はい!レッスンつけてもらえるんですか、本格的ですね!」


パンプキンは笑いました。
「敬語はできるようね。では、私のレッスン室へ」
「私とお茶しませんか」



「・・・は?」



「ちょっと、ジェシィ・・・」
だって、とジェシィは身をよじります。
「コーチとは、シンライカンケイをきづかないと」
パンプキンの笑顔に亀裂が入りました。
「キビシイモード、作動!」
「ワッなにこれ、ロディ!」
「一週間後舞台で会いましょう。頑張って、ジェシィ」



「ロディィィィィ」
三匹のちっちゃなハムスターのような機械にジェシィは運ばれていきました。



 「そこ、違う!もっと感情こめて!」
「はいっ」
「違う、ターンはもっと美しく!」
「はいっ」
「ちがーうう!そのセリフはもっと娘らしく!」
「はいっ」


そこにはもう六日しごかれ続けているジェシィがいました。正直、限界でした。
「コーチ、私、もう・・・」
「弱音吐かない!・・でもね、ジェシィ、良くなりましたよ」
本当ですか!とジェシィは目を輝かせます。


「でも、何か足らないのよね、何かしら。色気?気品?妖艶な笑み?」
言葉がグサグサとジェシィに刺さりました。
「うう、コーチ」



「あら、御免なさい。そうね、あと1日でこれを・・・」
何か必須アイテムが出てくるのかとパンプキンのポケットを見つめていると、出てきたのは、口紅と鏡でした。



「はい、ジェシィ。もう技術はどうにもならないわ、あとはこれで」
「ええっ私お化粧下手です!変な味するし」
「勉強して。はい、ファッション誌」


ぼんっとタブレットが出てきました。どうやら、パンプキンは本気のようです。得意のスマイルを浮かべると、
「じゃあね、ジェシィ、舞台でね」
と言いました。



「ああっコーチ!」



バイバイと手を振ったコーチは水平に移動していきました。
 ジェシィは、がっくり肩を落として、呆然としました。
「えーどうしろっての・・・塗ってみるか・・・うわっ変な味!変な顔〜」
げよげよの口紅になったジェシィは困り果てていました。


「口紅は、こうよ」



「えっ誰?」



ジェシィがぎょっとすると、そこには、あのハムスターロボの一匹がいました。化粧を見ると確かに上手。
「こう?」
「いえ、こう」
「こう?」
「そうじゃなくて、こう」
「こう?」
「もう!才能ないなあなた!」



才能ないの一言がジェシィに刺さります。ハススターロボが、何かを閃きました。



「そうだ、こうよ!」

「えっええ〜」



 1日後、オーディションが始まりました。ジェシィの番が来ると、パンプキンとロディはびっくり。


髪を解いて、ウェーブの髪型になっています。それの、大人っぽいこと。あと、口ではなく、ほっぺたがほんのりピンクに染まっています。口紅をチークにしたのでしょう。



「化けたわね」



「ジェシィ、とっても綺麗だ」



二人の声が聞こえるとジェシィのほっぺたはますます赤くなったようでした。


「月に出会い、ギターを背負った少年と〜地球を永遠に回る〜私はきっと旅人〜♪」



ジェシィの点は、8点7!惜しい結果です。でも今回の月への旅でジェシィは重要なことに気づいたようですよ。



【歌は、心。踊りは、感覚。姿は鏡】



きっと、ジェシィは地球で立派なミュージカルスターになれることでしょう。これからの活躍に、乞うご期待。






Fin.



読み疲れさせてしまったでしょうか?笑🐣3000文字近いですから…よんで頂きありがとうございますm(_ _)m🍵✨これまたブログよりです。

トップ画像変えさせて頂きました。次から次にいい🌝が出るので…笑🐣目移りしちゃいます。

お風邪を召されませぬよう、休めるときにたっぷり休養を❣
三連休、読書も進みますネ🌟😊
ナッツカナッペでした~♪





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