流行色くすみカラーを使いこなそう

くすみカラーって?

くすみカラーとは、彩度が低くグレイッシュな色合いを指します。
2018年ごろから流行し、今なお人気のカラーです。

こんな色合い

実際、街中の店舗でもくすみカラーをよく見かけます。
ファッションだけでなく、店舗の色彩や雑貨小物、そしてサンリオのキャラクターもくすみカラーで展開されており、その人気はとどまるところを知りません。
このくすみカラー、トーンマップでいうと、ライトグレイッシュトーン、ソフトトーン、グレイッシュトーン、ダルトーンの4つに当たります。
特によく見かけるのはライトグレイッシュトーンです。

トーンマップ、覚えていますか?

なぜ流行???

くすみカラーがなぜこんなに人気なのかはネットでも様々な考察があります。
・落ち着いた色合いで、大人っぽい。
・コーデに取り入れると洗練された印象になる
・自然体なイメージがある
・中性的でジェンダーレスファッションとしてどんなスタイルにもマッチする
・・・などなど。

考えてみれば、デザイン界全体のトレンドとして「抜け感」というワードがあります。
抜け感とは、肩の力を抜いたようなリラックス感を演出することで「こなれ感や洗練された雰囲気」をもたらすデザインの要素のことで。
具体的には以下のようなデザインを指します。

枠線を囲わず、隙間を作ってあげる


先ほどの写真を緩やかに切り取り

リラックスしたデザインが=おしゃれというイメージは、くすみカラーにも通ずるものがありそうです。

自治体デザインに活用してみよう

大人気のくすみカラーを好む層は圧倒的に若い女性が中心。
デザインの世界でも多くの広告に使われていますが、そのほとんどが、女性をメインターゲット層とする美容院の広告なのも納得です。

そんなくすみカラー、自治体の広報デザインにも応用できそうです。
具体的には女性をメインターゲットとした広報物やイベント告知が考えられます。

そこで、同じデザインで色味を変えるとどうなるか、具体例をいくつか考えてみました。
今回は色にフォーカスしていますので、デザイン自体は僕が以前から使わせていただいている「デザインAC」から。
デザインAC,めちゃめちゃめちゃ便利なのでおススメです!

ケース1 就職相談会

【BEFORE】

就職相談会のビフォアーチラシ。
デフォルトのデザインでは女性向けを意識して全体的にピンクを使用。
ただ、ビビッドなピンクは好みが分かれます

【AFTER】

全体的にくすみカラーを使用して柔らかい雰囲気にしてみました。
背景色とタイトル、各項目とでトーンを微妙に変化させることで
メリハリを出しています。


ケース2 自転車ヘルメットの着用啓発

【BEFORE】

こちらは自転車のヘルメット着用注意喚起。
女性の未着用率が圧倒的に多いことから、女性をターゲットに。
こちらもピンクを使用していて目立っています。

【AFTER】

くすみカラーを使うことで、より落ち着いた印象にしてみました。
ビフォアーと比べると、写真が目立っているのにお気づきでしょうか。
写真を使う場合は、写真を邪魔しない配色にしてみてください。


ケース3 妊婦検診

【BEFORE】

配色は良いのですが、
ややベースカラーの黄色の明度が高く、
ちょっと目がチカチカしてしまうかも。

【AFTER】

ベースカラーのあざやかさを落とすと一気に落ち着きます。
伝えたい内容にもよりますが、基本的に背景色(ベースカラー)は、明度が高くて彩度が低い色(トーンマップで言うと、白やペールトーン、ライトグレイッシュトーンくらい)がオススメ


ケース4 ファミサポ会員募集

【BEFORE】

元気で明るい印象。黄色は目立つのですが、トーンが違うと途端にうるさくなります。

【AFTER】

くすみカラーを使うとガラッと印象が変化。
配色にピンクを加えてみました。
伝えたい印象によって、使う色やトーンを変えて上げるのがポイント

番外-広報紙「成人式特集」-

広報で若い女性ターゲットといえば「成人式特集」
毎年、ほとんどの自治体が成人式特集を組みます。

今年の広報くきの表紙
くすみカラーを上手く活用していて華やかなのに落ち着いた印象に。
広報担当のナチュラルな感性、恐るべし。

うちの広報紙はどんなんだったけかなーと見てみたら、ちゃんと使っていました。嬉しい驚きです。

くすみカラーの注意点!

使うだけで一気におしゃれ度が上がるくすみカラー。
ですが使う際の注意点があります。
それは
「ライトグレイッシュトーンのみにしまうとぼんやりしてしまう」点。
ケース3の妊婦検診の例を見てみましょう。

【NG例】

ライトグレイッシュトーンで統一。全体的にぼんやり・・・

いかがでしょう?
くすみカラーのうち、特に人気のライトグレイッシュトーンは、おしゃれなのですが、全面に使用すると、ぼんやりしたくすんだ印象となってしまいます(くすみカラーだけに)。
ベースカラー(背景)に使用したり、アクセントカラーをより鮮やかなトーンから選択してあげるのがオススメです。

アクセントに使うトーンは、
右方向に隣接するトーンから選んであげるのがオススメ

まとめ-肝心なのは?-

流行色であるくすみカラーについて見てきました。
女性に人気の色ということで、女性ターゲットのデザインに使えそうです。
もっとも、肝心なのは「どうすれば目に留めてもらえるか」を考える事。

「くすみカラー」は様々な場所で展開されていることもあって、目に留まりやすい配色です。ぜひ使いこなして見てくださいね

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