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活性化ということ

 私は長年経営コンサルタントを生業としていますが、活性化という言葉をよく耳にします。まちの活性化、お店の活性化、組織の活性化などです。
 そこで、特に疑問に思うのが、まちの活性化では賑わい、お店の活性化では売上アップなどが活性化の具体策として語られることです。でも、賑わいや売上アップは活性化の「結果」に過ぎないのではないでしょうか。
 活性化とは結果ではなく「行動」と私は考えます。文字通り「生き生きと活動していること」が活性化ではないでしょうか。まちでは、そこに住む人や商売をしている人が元気に暮らしていることが、活性化でしょう。商店街が人で賑わっているのが活性化ではなく、商店街の活動が活発に行われていることが活性化で、その結果として賑わいが生まれるのではないでしょうか。
 また、お店の活性化とは、お店の人が元気に商売をしていること、例えばお客様のニーズを先取りした品揃えを提案したり、ときどきお客様が喜ぶイベントを実施しているお店が、活性化しているお店でしょう。そうした活動の結果、売上のアップという「結果」が実現されるのです。
 さらに、フットワークの良いお店も活性化しているといえるでしょう。以前指導したベーカリーでは、課題を指摘すると店主がその場で改善していました(乳製品の陳列場所の移動を提案したのですが、すぐに着手していました)。ちなみに、そのお店は断トツ地域一番店です。フットワークよく、常に変化にチャレンジして活動しているお店が、活性化しているお店なのです。
 もうお気づきと思いますが、活性化とは人にやってもらうのではなく、「自発的な行動」なのです。元気になるのは自分自身であって、他人に元気にしてもらうわけではありません。私のようなコンサルタントは、元気のお手伝いをしているだけです。究極の指導は、「元気になりたい」と経営者に気づいていただくことだと、私は考えています。


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