分からない事が分からないと言える組織

考えてみると前の職場は、性格の悪いホモがいたり、仕事が雑なレズビアンがいたり、意地の悪いオタゴ出身の白人女がいたり、幾ら頼んでもすぐに動いてくれないアイルランド人がいたりした。

昨日また我々はどのような法律の下で動くように定められているかというレクチャーをして頂いた。元々海外の大学でポスドクをやってた恐らく50代くらいの女性で自分の面接でパネルをしてた人だったのでサイチェンって感じだったのだが中々ちょっとadhd気味と言うか大学教授にありがちなわりとテンション高めで色々話してくれる人で(インタビュー中も同じような感想を持ったが)なかなか面白かった。

そもそも政府組織では職場内で苛めなどしていけないとしっかりハッキリ法律で定められている。これは政治家も例外ではない。なるほどだから何人かの政治家がパワハラ発言をしたとかなんとかでニュースになっていたのかとここで合点がいった。要するに彼らは法律違反を犯したからメディアで攻め立てれたのである。

ワイのような下っ端政府職員でもインダクションで職場内で苛めをしたり差別発言をしたりしてはいけないと教えられるのに大臣やパーティーバイス位の立場の人間がそれを行ってしまうというだけで職務執行能力が無いと判断されてもおかしくないしそもそも法律で定められているしで倍々ではずい。

ニュージーランドはご存じのように島国で、国内でホリデイ行こうってなってどっか行ったらタイポの湖畔(チュランギ側)で夫が大昔の知人に出くわしたりするほど狭い田舎もとい村国家なので、メディアに顔を晒されしかも職場でパワハラをしたという事で大臣を解任されたりした暁はパックアンドセーブにも恥ずかしくて行けないのではないかと思う。それ位この国は狭いし友達の友達は誰かの友達なのだ。

それがほとほと嫌になって海外に逃げ出す人もいるんだろうが、逆に海外からも人が多く入ってくる。うちの職場の若い女性はイギリス人が多い。向こうで仕事がなくてこっちにワーホリで入って来たのかどうか、よくわからんが上司はワーホリや学生ビザで応募してきた人間は今回取らなかったようである。

まあそういう訳で前の職場のカオス(と言ってもガチのプライベートカンパニーに比べたら全然マシと思うが)と比べると、我が職場はまずサイエンス博士号がゴロゴロいるし、アドバイザーレベルも全員サイエンスデグリー持ちだし(自分もそうだが)、アクトで「職場内で苛めはアカンお互いに尊重し合わないとアカン」と定められているので私が以前の職場で出くわした私の英語が全く聞こえないオタゴ女とロンドンギャルみたいな排他的キャラがまず一人もいない。ビックリする位みんな私の英語を理解するし私もこの人何話してるか分からないと思う事がない。たぶんこれはNZ人が使う独特な慣用句など誰一人使わない事に起因すると考えられる。というのもイギリス人が結構多いのでイギリス人にはNZ人しか分からない独特な慣用句が私同様に分からないからである。

これは大変にありがたい。
辞書に載っているような英単語だけで会話が構成されているし発音も標準的で、科学者は論理的に会話を構成するので話があっちとびしないので、私には大変内容は分かりやすい。

話す相手が今まで悪すぎたのかもしれない。
話す相手がNZ人の底辺だったから上手く行かなかったのかもしれない。
または科学の知識や論理性を全く持っていない人と関わって来たから辛かったのかもしれない。

今の職場に来てたったの1週間だが、ここに来てよかったと思えるのは、任下関係で悩む必要が全くもってゼロ、バカと話して辛いと思う事がゼロ、差別に遭う可能性ゼロ、という事だと思う。

私の英語が分からない人がいないという事がまず驚くが、そもそもまあ英語力が理解力が上がった、そら2年も修士やって政府職インタビューに行きまくってたら度胸もついたとか、色々あるんだろうが、基本的に訛りはずっとあるのでそこは変わっていないしかしながら、相手が理解しようという心、オープンマインドな姿勢であることで、相手側の聞く耳がグッとバリアが低いのではないかと思う。

それ位その人の差別意識が言葉の壁になるのである。

11年も住んで修士号まで得ると流石に学歴で相手を見下す事ができるので差別意識を持ってる人間=低能とハッキリと断言することができる。そもそも社会がスムーズに進むうえで差別や暴力はタダの障害でしかない。実際自分も11年間マイルドに義理家族からも差別を受けてきたが、ここに来て彼らもぐうの根が出ない程の、NZ国内におけるもっとも社会的地位の高い政府職という地位を下っ端ながら手に入れた。もう誰も私をバカにできないし、バカにされても気にならない。

政府で働いてみて、まあ特に自分の組織が科学者で構成されている組織だったりすると事実とデータだけで物事を判断する人達の集まりになると、「個人の感想」みたいなもんが一切差し入る隙がない。それが自分にとって非常に楽ではある。自分自身の「個」は私生活で発散できるし、BETTER SOCIETYを創るために貢献したい気持ちは組織で発散できる。自分にとってはとても精神的に満たされた状態であると言える。

組織内で昇進もできるし人々も賢いし職場の人間関係で悩むことも差別に悩ませることも私の英語が分からないと意地悪してくる奴もいない。

やはり政府職を目指して、ホントは農水省に行きたかったんだが、今の組織に雇われて結局よかったのかもと今は思っている。


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